非常に広大な土地と豊かな自然、清流や海など国内でもダイナミックな北海道。その恵みを生かした日本酒の製造も道南の江差、松前、函館で江時代から行われてきました。
日本酒だけでなく、ウィスキーの蒸留やビール、ワインの醸造など、広い面積の中でバラエティ豊かなお酒が生み出されています。北海道は海の幸、山の幸、野菜や肉などお酒のおつまみとなる食品も豊富です。
※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
目次
こんぶのぐい呑み
酒場放浪紀見ながら晩酌
蔵の詩(京都・黄桜)をお土産で頂いた、こんぶぐい呑みで。
こんぶの出汁のような風味がひろがる・・こんなのもあるんだなぁ pic.twitter.com/cxqCRd8dSK— mebiusstyle@ (@mebiusstyle) November 9, 2020
酒器で北海道を味わう
酒器でお酒を味わうという表現があります。しかし、これを雰囲気や口当たりだけでなく直接味わってしまうというのが、こんぶのぐい呑みです。
北海道産の昆布を使い、独自の製法でぐい呑みに加工しています。
この酒器に日本酒や焼酎を注げば北海道のこんぶのうまみが流れ出て磯の香りを楽しみながら飲めることでしょう。このほか、ミネラルやアミノ酸が溶け出し栄養にも良い影響を与えるのも魅力です。
話題作りにもなるユニークな酒器が北海道こんぶのぐい呑みです。
旭川クラフトの木Glass(グラス)
北の芸術の街で生み出される木製とガラスの酒器
旭川の西に小高くそびえる嵐山、丘陵となった同地域では様々なクラフトの工房が点在しています。これらの工房の一つに、旭川クラフトがあります。ここではガラス工芸や木工などを行う工房として日夜様々な工芸品が生み出されています。
この酒器は、氷の中に飲み物が溶け込んでいくような神秘的なヒビのデザインを持つグラスとえんじゅの木の土台で構成されています。
いずれも美しい模様を持ち、お酒の時間をより楽しませてくれます。また、えんじゅの土台は表面にウレタンのコーティングを施すなど傷や水に強い、機能性の高いものになっています。
工房のガラス溶解炉は家庭や飲食店などで使用済みの食用油を燃料にしているのも特徴です。そして、CO2の削減に取り組み2011年に環境大臣表彰を受賞しました。環境にやさしい酒器でお酒を楽しんでみましょう。
摩周北創窯のぐい呑み
栄光富士 純米大吟醸 「SNAKE EYE」酒米は出羽の里でワイン酵母で醸したものらしい。結構辛口。白ワインのイメージだが室温に戻すと感じが変わるかも😋
酒器は 摩周北創窯 って窯元のもので、摩周湖の水面の青をイメージしたもののよう。出先で思わず購入してしまった綺麗さ😁 pic.twitter.com/fXMKfyvOeZ— Cashima (@Cashima2) November 10, 2017
摩周湖のブルーを感じさせる酒器
世界でも有数の透明度を誇る摩周湖を町内に持つ弟子屈(てしかが)町で陶芸を行っているのが摩周北創窯です。ここでは日夜、食器など実用性の高い製品を多数焼き上げており、ぐい呑みもその一つです。釉薬にはヒバ、楢、桜、白樺などの木灰を使い、自然にやさしく、軽くて使いやすい酒器という特徴もあります。
このような機能性の高い一面を持つ一方、一番の特徴は深いブルーをたたえる美しい色合い。まるで摩周湖の青を思わせるカラーは、お酒を注ぐとより鮮明になります。遠く摩周湖の景色に思いを馳せながら、お酒を飲んでみてはいかがでしょうか。
摩周北創窯Facebook
黒羽陶工房の酒器
札幌スタイル認証製品作家が絵付けした酒器
札幌スタイルという事業があります。これは、札幌市の札幌市経済観光局産業振興部立地促進・ものづくり産業課が行っているものです。
いずれの製品も高い品質で日用遣いはもちろん、お土産などで買って行っても満足の品ばかりです。札幌市の黒羽陶工房も札幌スタイルの認証を受けた工房の一つとして知られています。同工房を主宰するのは染付作家の黒羽氏、同氏は器を別に発注し、その器に絵付けをすることで高い評価を得ています。特にウサギの絵に定評があり、同氏のトレードマークになっているのも特徴です。
この酒器は、黒羽氏が染付したぐい呑みで、中央にはかわいいウサギの絵付けがされています。独特の絵柄は、どこか癒される雰囲気を持ち、お酒を飲んでいると疲れも取れてくるような印象です。
網走ビールのグラス
地ビールメーカーのオリジナルグラス
北海道は、大手ビールメーカーの発祥の地として知られており、ビールの醸造も盛んです。地ビールとして多くのクラフトビールが醸造されており、北海道の東にある網走にも網走ビールがあります。
自然豊かな北海道だから育つ元気なホップで作られる魅力的な地ビール お土産としても人気の高い北海道の地ビール。 ビールといえば、味わい深いほろ苦さが印象的です。あの独特の風味や味わいの鍵となっているのがホップです。 北海道では明治時代からホップ栽培が始まりました。ホップは、長いツルをのばす多年草...
網走ビールでは、同社の個性的なビールを美味しくいただけるようにオリジナルのグラスも用意しています。
細めの逆三角形のシェイプをしたグラスは、網走の氷をイメージするようなヒビの模様が特徴です。この酒器に網走ビールを注げば美しい泡と素晴らしいのど越しが楽しめるでしょう。
ふらのワインのロゴ入りグラス
漫画キャラとのコラボグラス
北海道北部(道北地方南部)に位置する富良野市でワイン醸造を行っているのがふらのワインです。2022年で50周年を迎える同ワイナリーでは、様々な試みを行っていることでも知られています。
自然豊かな土地柄で、観光業も盛んな北海道は、食べ物のおいしいところとしても知られています。特に2000年以降は、ワイナリーの創設が相次ぎ、北海道ワインの注目度が高まっているのをご存知でしょうか?世界的にも評価されつつある北海道ワインの魅力や歴史、おすすめの北海道ワインについてご紹介します。 北...
グラス自体も同市のガラス工房、グラス・フォレスト in Furanoで作られた本格的なワイングラスです。どこまでも本気でワイン作りやユニークな企画をしてしまうふらのワインに注目です。
オホーツク焼のぐい呑み
使っていた 美幌窯『オホーツク焼』のご飯茶碗を割ってしまったので、新たなものを購入してきました。
素敵なぐい呑みも発見し、惚れて買ってしまいました(笑)
東藻琴の芝桜も綺麗でした。#美幌町#オホーツク焼#美幌窯#オホーツクブルー pic.twitter.com/mhnRUD6Vuc
— 木村としあき@美幌町 ひがし北海道 (@Bihoro104) May 16, 2020
鮮やかな藍色と白色のコントラストが美しい
北海道の東部にある美幌町の美幌窯で作陶を行っているのがオホーツク焼です。開窯して40年を数え、多くの陶器を生み出してきました。
オホーツク焼きは、北海道から望む北の海、オホーツク海をイメージさせる色遣いが特徴です。鮮やかな藍色と流氷を思わせるような白色とのコントラストは、1つ1つ異なった趣を持っています。北の海をイメージさせるぐい呑みで、荘厳な北海道の自然を感じてみてはいかがでしょうか。
美幌窯(美幌町ホームページ)
がらすギャラリー童夢のワイングラス
独特のサンドブラスト製法が生きる酒器
北海道西部にあるニセコ町でガラス工房を開いているのががらすギャラリー童夢です。
蝦夷富士ともいわれる羊蹄山のふもとで数多くのガラス器を生み出しています。一つ一つ受注生産を行っていることから手元に来るまでに数週間かかるものの、非常に美しいサンドブラスト加工が特徴です。ワイングラスのほか、タンブラーやお猪口、徳利などを手掛け、オリジナルの酒器を手に入れることもできます。
美しい模様をサンドブラストで表現し、元のグラスもグラデーションが美しいことから2度楽しめるのも魅力といえるでしょう。そんなガラス器を注文して、豊かなお酒の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
がらすギャラリー童夢ホームページ
ゆかり窯のぐい呑
ゆかり窯は北海道の中央部にある旭川の窯元です。同地にある嵐山の近くで作られる陶器の数々は北海道らしい形をモチーフにしたものばかりです。そして絵付けの模様も北海道でたくましく生きる草花や生物をモチーフにしているのも特徴です。
この酒器は、手に取ると柔らかな感触を覚えます。そして、使っているとどこか優しい気持ちにさせてくれるぐい呑みでもあります。雄大な北海道の厳しい自然を生きる草花をイメージしながら、お酒を頂けるでしょう。
まとめ
北海道は、今回ご紹介した通り新しい試みから生まれた酒器が多いです。かつて江戸時代に焼かれていた焼き物は、ほぼ現在の新しい焼き物に置き換わりました。
そして、主に焼かれている地域も古くから藩や幕府の出先機関があった道南ではなく、それ以外の地域が中心です。このように伝統工芸品というよりは、新しい感覚で生み出されたものが多いのが北海道の酒器の特徴といえます。
一方、陶磁器だけでなく、ガラス器や木器などバラエティ豊かな酒器が多いのも北海道の魅力です。雄大な自然は、酒器を生み出すインスピレーションとなって、日夜新たな酒器が登場しています。そのため今回紹介した酒器以外にもきっと新しい出会いがある地域といっても過言ではありません。そんな懐の広い雄大な北海道を感じながら今夜も一献。