高知県の酒器8選。内原野焼などお酒にあうグラス・骨董品の紹介

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酒器

南国土佐、高知は昔からお酒の有名な土地として知られています。そしてそれに合う太平洋の海の幸も多く獲れる豊かな場所です。さらに明治維新では多くの志士を輩出し、明治政府の重要な人物として活躍したり、現在の大企業グループの基礎を作った実業家の人々もいます。そんな高知は酒器の製作も盛んに行われており、焼き物やガラス器をはじめとして、様々な素材のものが生み出されています。

おつまみライターランニングフリージー
ランニングフリージー
今回はこの高知の酒器をテーマとして、高知らしさを感じていただきたい酒器をピックアップし紹介していきます。身近に見えてどこか高知の雰囲気を持った酒器、そんな酒器を1つずつまとめました。

※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール

内原野焼の徳利

高知の工芸陶器・内原野焼の徳利
内原野焼(うちはらのやき)は高知県の東部にある安芸(あき)市で焼かれている陶器です。もともと江戸時代後期に同地で初めて焼かれ始め、当初から徳利をはじめとする日曜遣いの酒器の生産を行っていました。温かみのある雰囲気が特徴で、これは木灰や藁の灰をもとに作った釉薬を塗布することによって生み出されています。
もともと日用品を中心に製作していたため、生活スタイルの変化によって徐々に衰退を見せ、昭和中期にはほとんどその姿を顧みることはなくなりました。しかし、同地出身の美術大学の学長が内原野焼の復興運動を開始し、工芸品として新たな一歩を踏み出すに至ります。一時は途絶えかけた内原野焼もこうしてよみがえることに成功しました。
そんな復活した内原野焼の原点とも言えるのがこの徳利です。江戸時代に盛んに利用され、幕末の志士も杯を酌み交わしたであろう酒器、そんな明治維新のロマンを感じながら、日本酒を楽しんでみるのもおすすめです。

 

高知家おちょことっくりセット


高知のUターン運動が生み出した酒器!高知家ちょことっくりセット
高知家(こうちいえ)は、同地のUターン、Iターン運動の合言葉です。高知エリアは、他の地方同様に人口流出と少子高齢化をむかえたエリアです。そのため、年々人口は減少し、衰退している側面を持ってもいます。そんな高知を盛り上げ、大阪や東京へ上京した若者や他の都市部の若者を振り返らせ、戻ってきてもらうための運動が高知家です。様々な製品にこの高知家の言葉を入れて、高知への移住や帰郷を目指しています。
そんな高知家の運動に乗ったのが元造酒屋です。高知県の日本酒を高知家のロゴが入ったちょことっくりで楽しみ、高知の良さをもう一度知って欲しいという期待がこの酒器を生み出しました。
お酒に強い方が多い高知らしく徳利も大き目の1.5合サイズで作られています。さらに裏側には高知の地図と、「高知県はひとつの大家族やき!」の標語。これを飲んで高知に帰りたくなる方や一度旅行に行ってみようかという方がきっと現れそうな酒器です。

 

リュウグウ 冷酒セット


土佐の美しい海をイメージしたリュウグウ 冷酒セット
高知には四万十川を中心とした多くの清流があります。その清流が集まって流れた高知の海も美しいマリンブルーを湛えています。
そんな高知の美しい海をイメージしたのがこの酒器です。冷酒が似合う夏の日差しにこの冷酒の徳利やお猪口があたると、見知らぬ生き物や何かが移動した跡、舞い上がるキラキラした塵を見ることができるでしょう。単に海をイメージした色を酒器に乗せるだけでなく、その海の様子も再現しようとしたガラス製の酒器は、より土佐の美しい海を連想させてくれることでしょう。
夏の暑い夜に冷酒を注いで南国土佐の風を感じながら一杯楽しんでみるのもおすすめの楽しみ方です。きっとこの酒器が夏の思い出を演出し、より楽しいものとしてくれるでしょう。もちろん真冬の中、暖房を熱いくらいに焚いた部屋で冷酒を楽しむのもいいかもしれません。

 

澄墨(すみ)冷酒セット


幕末の志士のような潔さを感じる澄墨(すみ)冷酒セット
高知は、幕末明治に数々の志士を生んだサムライの国です。そんなサムライをイメージする潔さを感じさせるのがこの酒器といえます。陽に透かすと、刷毛で塗ったような幕末の志士の繰り出す太刀の一閃を感じさせるすがすがしい曲線やクールジャパンを思わせる美しいデザインが現代的な印象を与える冷酒の徳利に仕上げられています。
グラスも美しい青みがかった黒色と透明な足の洗練されたシルエットを持っています。冷酒というと夏を連想しがちですが、季節を問わずに楽しめる酒器へと昇華させているのが特徴です。もちろん機能面もおろそかになっていません。容量は300㏄程度と冷酒を楽しむにはちょうど良い量です。
ぐい呑みも1ペア入っているので、ちょっとしたお酒の席にも適しています。土佐の志士をイメージしたクールな酒器で冷酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

司牡丹酒造 おきゃくセット


高知の宴会をイメージした司牡丹酒造 おきゃくセット
全国には様々な方言があります。高知にも当然魅力的な方言があります。そのひとつが「おきゃく」、高知では宴会を意味するこの言葉は、お酒が好きな高知の方々にとって大好きな言葉の1つです。
そんなおきゃくをイメージした酒器がこのおきゃくセットです。このセットを販売するのは地元高知の司牡丹(つかさぼたん)酒造、この酒造会社が醸している司牡丹は酒豪王国とも言われる土佐を代表する代表酒として知られています。高知の中西部佐川町(さかわちょう)にある、この酒造所は四万十川と並んで清流として知られる仁淀川水系の優れた水を使っていることからもその質の高さがわかるのではないでしょうか。
そんな司牡丹酒造のお酒とセットになったのがこの酒器です。ひょっとこ、天狗、そしておかめ、この三面がモチーフになったぐい呑で、実はゲームもできる酒器になります。付属のコマを回して正面に来た人がお酒を飲むというルールで楽しめます。
出た面のぐい呑みを用意してなみなみとお酒を注がれたら、それを飲み干すというものです。おかめはお酒が少なくお酒が入ったまま置けるという優しいぐい呑、ひょっとこは口からお酒が漏れてきてしまうため、漏れてしまう前に飲まなければいけない難易度高めのぐい呑、そして天狗に至っては鼻の先までたくさんのお酒が入り、しかもぐい呑が置けないという厳しいものです。
このような遊びがかつておきゃくの場で行われていたそうで、今でもこのぐい呑を利用して、そういったものが楽しめるようになっています。単にお酒のおまけというものではなく、この商品だけでも販売できるほどの質というのも注目です。

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陶胎漆器ゴブレット


陶器と漆器の魅力!陶胎漆器ゴブレット
陶胎漆器(とうたいしっき)とは、釉薬が知られていなかった縄文時代の頃、陶器をコーティングする目的で漆を塗って質感の向上や耐久性の向上を図った歴史から来ています。非常に歴史の長い陶器ですが、現代でもその技術をベースに現代らしい高い技術によって制作が行われています。
この酒器は、この陶胎漆器を高知の技術でゴブレットにしたものです。ベースに内原野焼を用いて、その上に土佐古代塗と呼ばれる漆器技術をによって美しい模様と全体のコーティングを行いました。内原野焼の暖かみのある質感に漆の質感が重なって持ちやすさや飲み口のスムーズさを獲得させることに成功しています。
古代人の技術と現代の高知の技術の融合によって、古い時代から飲まれていたであろうどぶろくやワイン、ビールなどを楽しんでみるのはいかがでしょうか。

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海辺のガラス工房 kiroroan 水の環B ロックグラス

高知のガラス職人が手掛ける海辺のガラス工房 kiroroan 水の環B ロックグラス
土佐湾を一望する場所に現代の高知のガラス製品製造を手掛ける工房kiroroan(キロロアン)があります。実はこれまで紹介してきた酒器のいくつかは、地方振興のために同工房が様々なコンセプトで制作してきたものです。
このロックグラスは自らの工房からリリースした日用使いのロックグラスです。高知の清流をイメージしたようなロックグラスは、ロックアイスを入れた際に、より爽やかな印象を与えます。
高知の清流を感じながらロックのウィスキーを嗜むのも良いかもしれません。
海辺のガラス工房 kiroroan
住所:高知県幡多郡黒潮町入野208-6
 

坂本龍馬家紋入りグラス

ブラストによる美しい加工!坂本龍馬家紋入りグラス
ブラスト加工という技術があります。ガラスに非常に細かな砂などの粒子を高圧で吹き付けて美しい模様やアートを描き込むという技術です。この技術に定評があるのが南国土佐太郎工芸です。ガラスに限らずプラスチックや瓶、デニムの洋服や木の置物にまでブラスト加工を施してしまう高い技術を持っています。
そんな企業が手掛けた酒器が土佐の志士を代表する坂本龍馬の家紋です。この家紋を大きくグラスにブラスト加工し、美しい模様として仕上げました。坂本龍馬になった気分でハイボールやビール、チューハイを飲めば、きっとお酒の質感以上に爽快な気分になるでしょう。
 

まとめ

高知県は、美しい清流と土佐湾を擁する水に恵まれた場所です。そんな水につながるお酒とも相性がよく、酒豪の多い場所としても知られています。
このような背景を持つ高知は、当然酒器も様々なものがあり、今回紹介した以外にも多くの酒器を現地で見つけることができるでしょう。また、酒器を注ぐ日本酒の醸造会社も多く、地酒で楽しむというもの良いかもしれません。また、今回は紹介しませんでしたが、地ビールの醸造や温暖な気候を生かして中米で盛んに作られるラム酒を製造している企業もあります。
このようにお酒と縁が深いのが高知であり、きっと気に入った酒器やお酒、そして現地へ行けばお酒を好む仲間にも出会えるでしょう。「高知県は、ひとつの大家族やき。」(高知県は一つの大家族ですから。)

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