奈良は日本酒の歴史が古く、奈良時代から寺社で酒造りが行われてきました。僧坊酒と呼ばれる日本酒の製造は当時有名で、多くの人々が求めたとされています。その背景として奈良は豊かな伏流水や酒造りに適した冷涼な気候、そして豊富な酒米が収穫され現在でも多くの醸造所が奈良にはあります。
今回はそんな酒造りが盛んで長い歴史を持つ奈良のお酒を注ぐ酒器をまとめました。
芦迺瀬(あしのせ)窯のぐい呑み
奈良の十津川で焼かれたぐい呑み
芦迺瀬窯は、奈良でも知られた窯元の一つです。とても豊かな自然で山深い地である十津川に拠点を構えて作陶が続けられています。この窯元のぐい呑みは、奈良で多くの窯元が焼いている赤膚焼というスタイル、土に含まれる鉄分によって赤みを帯びた器に乳白色の釉薬をかけているのが特徴です。
全体的に白みを帯びた力強いぐい呑みとなっており、地肌の赤みのある色合いがワンポイントになっています。辛口の日本酒にもピッタリのたくましいぐい呑みと言えるでしょう。
赤膚焼 奈良絵文様のぐい呑み
シンプルな絵付けが光る酒器
赤膚焼は、様々なスタイルを持っています。力強い作風のものもあれば、このぐい呑みのように優しい風合いを持った赤膚焼もあります。さらに赤膚焼のもう一つの特徴である奈良絵が描かれているのも注目といえるでしょう。
この奈良絵とは、室町時代に起こった画法で、シンプルな構図と明るい鮮やかな風合いが特徴です。この奈良絵の画法を用いて、ぐい呑みの横に描かれています。独特な絵付けによって描かれたぐい呑みは、お酒を飲む際も愛嬌ある絵柄によって飲む方を楽しませてくれるでしょう。
ガラス彫刻工房 名入れの泡立ちペアグラス
株式会社C’s 泡立ちペアグラス
奈良には焼き物以外にガラス工房も存在します。ガラス彫刻工房ONOは、ガラスそのものを製造するだけでなく、ガラス彫刻を行う工房もあります。この泡立ちペアグラスもガラス彫刻を行う工房の一つで、香芝市に店舗を構える工房で加工されている酒器です。
青と透明のグラデーションが美しいグラスにガラス彫刻の技術を生かしたガラス加工によって泡立ちしやすいグラスに仕上げてあります。更に名入れもガラス加工によって行ってくれるため、自分たちだけのオリジナル泡立ちペアグラスを手に入れることができるでしょう。奈良のガラス彫刻の技術を感じながらビールを注いで、美味しい泡の部分を存分に味わってみるのもおすすめです。
ガラス彫刻工房ONOホームページ
赤膚焼の片口
奈良の焼き物『赤膚焼』の酒器をいただきました。
大神神社の絵付けが可愛らしい。
ちょうど今日観たうま酒みわの舞も描かれている。 pic.twitter.com/DMCuk0GyOR— (onai) (@MichioOnai) November 14, 2020
様々な形状の酒器がある赤膚焼
赤膚焼は、江戸中期ごろに大和郡山を治めていた藩主、柳沢保光の保護を受けて誕生した焼き物です。その歴史の長さから様々な製品が生み出されてきました。
この酒器は片口の機能を持っているものの、どこか古代の古墳時代を思わせるような姿をしています。奈良の長い歴史を感じさせる酒器といえるでしょう。もちろん、赤膚焼の特徴である奈良絵も健在で、独特の図案が描かれています。
モデルは奈良の北部に位置する桜井市の大神神社、大鳥居とご神体の三輪山がシンプルで、奈良絵の素朴なタッチによって酒器のワンポイントになっているのも注目です。うま酒みわの舞は、もう一つの酒器に描かれた図案で率川神社の三枝祭りで巫女による神楽のことを言います。奈良らしい酒器といえるのではないでしょうか。
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古都奈良を擁するこのエリアは、骨董品の宝庫です。様々な焼き物をはじめ、骨董品的な価値のある民芸品なども自宅にあるというケースが珍しくありません。そのような骨董品を気軽に査定してもらいたいときに便利なのが【バイセル】などの買取サイトです。
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信楽焼のサンドブラストフリーカップ
エッチング加工が光る焼き物
信楽焼は他県の名物ですが、奈良の酒器にこの信楽焼を加工した酒器があります。確かに滋賀県の焼き物ではありますが、その良さを生かしつつ、サンドブラストと呼ばれる砂粒を当てて削っていくエッチング加工によって自分だけのオリジナルカップを手に入れられるのは大きな魅力といえるのではないでしょうか。
「陶磁器は、基本的に絵付けしか模様を作ることができないのでは」と思っている方にとっても、サンドブラストによる名入れは新鮮かもしれません。こういった奈良の技術が光る酒器で一杯楽しんでみるのもおすすめです。
奈良の地酒醸造所のオリジナル酒器
奈良県 油長酒造
風の森 ALPHA TYPE5
HARIO社製オリジナル酒器セット pic.twitter.com/6QY9DL8sV2— ヤマト (@gundamlove8) November 7, 2020
理科の実験を思わせるユニークな酒器
奈良は多くの酒造所がある酒どころです。多くの醸造家がいるこの場所では、様々なアイデアを日本酒造りに生かしている醸造も少なくありません。その中でも特にユニークなのが、御所市の油長酒造です。
創業が1791年という非常に歴史ある醸造所でありながら、前衛的な取り組みで日本酒業界でも注目を浴びています。そんな油長酒造の有名な日本酒が風の森です。そのブランドのオリジナル酒器は非常にユニークで形状がコニカルビーカーそのものなのです。
敢えてこのような理科の実験のような酒器をリリースしているのは厳密な加温をして楽しんで頂く為、日本酒の科学的な変化をきちんと感じて頂くという目的もこの酒器にはあります。一味違った酒器でお酒そのものを楽しむというのも良いかもしれません。
あすか三彩の片口
美しい3色の色が散りばめられた片口
唐三彩と呼ばれる中国の焼き物があります。3つの美しい色を組み合わせた陶磁器のことで多くの方が知っているのではないでしょうか。
そんな中国文化の影響を強く受けた奈良で、現代的なセンスをもとに生み出されたのがこの、あすか三彩です。奈良の古京、飛鳥をイメージした色彩で奈良を流れる飛鳥川のような雰囲気を漂わせています。明日香村で生み出される硝子工房の作品は、日本酒だけでなくワインのデキャンタのような使い方をしても大変マッチするでしょう。
まとめ
歴史ある場所として知られる奈良は、赤膚焼を中心とした焼き物やガラス彫刻、そしてガラス器など、素朴で美しい酒器が多くみられるます。いずれも魅力的なものばかりで、日本酒はもちろんワインや焼酎、ビールなどあらゆるお酒にマッチした酒器です。
また、そのような奈良の酒器の中でもビーカーのような異彩を放つ酒器があったのも事実です。ただ、酒器は本来お酒をより楽しくいただくものであり、その目的を達成するという点では決して邪道ではないのかもしれません。このようにバラエティ豊かな奈良の酒器を一度利用してみてはいかがでしょうか。