米どころ、酒どころとして知られている新潟県。ここにはお酒に合うおつまみとして巨大な油揚げの栃尾揚げや鮭を酒に浸した酒びたしといった料理も知られています。
今回は新潟の酒器というテーマでお酒に適した新潟の馴染みの深い酒器をご紹介していきます。
※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
目次
燕の純銅ぐい呑み
新潟の技術が光る金属製のぐい呑み
新潟県の中部にある燕市は金属加工の技術で高い評価を得ている地域です。元々江戸時代に和釘の製造が行われており、この金属の扱いの技術を生かして様々な加工品を生み出しました。特に銅やステンレスの加工を得意としています。
このぐい呑みは、燕の金属加工技術を随所にちりばめた酒器です。本体の純銅は、職人によってきめ細かい鎚目がちりばめられています。
表面は、美しい色合いを出すために青被せという技術で美しい青みを出しているのが特徴で内側は錫でめっきされています。見かけも美しく銅の熱伝導率の高さ、飲み口の軽さからスムーズなのど越しでお酒を楽しめるでしょう。
にいがた酒の陣2020の猪口
今日もお疲れさまでした♪
麒麟山の火鉢🍶を
にいがた酒の陣2020の
おちょこでいただく至福の時間😆✨おっさんになったらこういう肴で
イッパイやるのがなんとも言えない😇しっかし熱燗専用の日本酒ってスゴい✨
他の酒蔵からも出して欲しい!
絶対売れるよ👍💕
どなたかお願いします🥺💦 pic.twitter.com/ONiG2nCbu9— 新発田 上町一番街商店会 (@Mztq3mkR4Fp6Vi1) December 26, 2020
お酒のフェスティバルにちなんだお猪口
新潟は米どころであり、酒どころです。県内のいたるところに日本酒の醸造所があり生産も盛んです。このような背景から、「にいがた酒の陣」というイベントが盛大に行われており、それに使用するお猪口も数多く提供されています。
このお猪口は、そんなイベントで使われるお猪口で毎年デザインが異なります。ある意味日本酒ファンであることを語らずとも周囲にアピールできるアイテムとしても魅力的な酒器です。日本酒の唎酒のため、内側は蛇の目のデザインとなっており、実用性の高さもあります。
越の誉の枡
新潟の老舗酒造会社のオリジナル枡
酒どころ新潟には数多くの酒造会社があります。その中でも古くから日本酒造りを行っている酒造会社の1つが「越の誉」で知られる原酒造です。
この酒器は、原酒造の銘柄である「越の誉」の焼き印が入れられた枡です。約144mlと日本酒を存分に楽しめる容量になっており、シンプルな無垢の枡になっているのが特徴です。「越の誉」に限らず新潟の美味しい日本酒を注いで召し上がるのも良いかもしれません。
燕のステンレスぐい呑み
ステンレス加工にも優れた燕の技術
燕市では、ステンレスの加工も行っています。そんなステンレス加工の技術を生かして製造された酒器が、このステンレスぐい呑みです。
単にシンプルなステンレスのぐい呑みというわけではなく、内面には金めっき加工が施されており、高級感の漂うぐい呑みに仕上がっています。この金メッキによって金属臭を押さえ、口当たりの良さや日本酒の香りを存分に楽しめます。殺菌抗菌性の高いぐい呑みのため、衛生的にも優れた酒器といえるでしょう。
燕三条のチタンタンブラー
加工が困難なチタンをタンブラーに
航空機や宇宙船、医療機器など最先端の技術に用いる素材、それがチタンです。このチタンは非常に軽く丈夫な金属である反面、加工がとても難しいことで知られている素材です。
そんなチタンも新潟の技術を用いればタンブラーに加工して酒器に出来てしまうのです。チタンはさびないため、金属臭や金属の不快な味がお酒に溶け込むこともありません。また、アレルギーフリーなので金属アレルギーの方でも安心てお酒を楽しめる酒器でもあります。
さらに燕三条の技術によって唇にフィットさせるように加工され、滑らかな口当たりも感じさせてくれるでしょう。チタンの独特の輝きを楽しみながら、お酒を頂いてみるのもおすすめです。
八海山の冷酒グラス
新潟の有名酒造所のグラス
新潟の南魚沼、コシヒカリの名産地として知られるこの新潟の南部地域では、八海山と呼ばれる日本酒も有名です。淡麗できりりとした味わいは、新潟の料理とも相性の良いお酒として多くの人々に愛されています。
日本酒処といえば、多くの方が新潟県を思い浮かべるかと思います。実際に、新潟県は日本地の生産地として、数多くの有名ブランドのお酒を造ってきた歴史があります。 dencross 新潟県は、おいしい日本酒に欠かせない米と、水、機構の要素を見事にクリアしているエリアなのかもしれません...
八海山のような淡麗のお酒を冷酒でいただくのにちょうど良い形や大きさとなっています。優しい形は手にもなじみ、毎日使ってもお酒を楽しめるでしょう。八海山のロゴが小さくあしらわれているだけなので、他のお酒を注いでも違和感を感じないデザインです。
笹神焼の片口とぐい呑み
【笹神焼宮下窯の一合片口とぐい呑み】
新潟の爽やかなお酒に合わせて作っていただいた、オリジナルの一合片口です。
お料理に合わせて器が変わるように、お酒に合わせて、酒器も変わります。
美味しい日本酒のセレクションです。ぜひ、新潟の酒器で新潟の地酒をお楽しみください。 pic.twitter.com/7SJ8LkByBu— ふるさとがしのばれる宿 角屋旅館 (@kadoyaryokan) September 22, 2017
素朴で温かみのある新潟の酒器
新潟の北部、阿賀野市で焼かれているのが笹神焼です。日常遣いの食器を主に生産している焼き物で、実用性の高い製品作りに強いのが特徴です。
阿賀野市周辺は焼き物に適した良質な土に恵まれている地域だったため、古くから焼き物作りが行われており、この焼き物もその一つです。
この酒器は、青い釉薬を用いたり、素朴な模様を施した片口になっています。実用性の高い焼き物なので、丈夫で使いやすく、晩酌にも最適な酒器です。
庵地焼(あんちやき)のぐい呑み
帰ってきて、買ってきた庵地焼のお猪口使いつつ、秋葉式しゃぶを堪能中。なう(//∇//)
素敵な休みですね♪
お肉はずっと行きたかった白根の大鷲にある「肉の鶴久」さんで買ってきた豚肉…すげー甘い😳 pic.twitter.com/aeMgFKGQYV
— どくた〜〜(ほっと珈琲好きな人) (@docter33) September 28, 2020
黒色の外見が印象的な酒器
庵地焼も阿賀野市周辺で焼かれている焼き物です。その特徴は黒い地肌、庵地の黒の異名があるくらい、黒の焼き物を多く生産しています。この色合いを出しているのは黒色の釉薬です。江戸時代から続いた保田焼から伝わったこの技術は、保田焼が途絶えた現在でもその特徴を残しています。
この酒器はそんな庵地の黒を感じさせるぐい呑みで、お酒を注げば、その黒色がより映えるでしょう。ふちの茶色の部分もアクセントになっており、眺めていても飽きないシンプルなデザインも魅力です。
無名異焼(むみょういやき)の酒器セット
新潟の離島で焼かれる焼き物
新潟の沖に浮かぶ大きな島、佐渡で焼かれている焼き物が無名異焼です。
その名の由来は、酸化鉄をたくさん含んだ赤土である無名異土から、その原料によって赤みの強い地肌の焼物になっています。もともと江戸時代に佐渡金山で産出された無名異土を利用して焼き物にしたのが始まりです。その技術は洗練されていき、成形後は生の内に石や鉄へらなどで磨いて光沢を出すなど手間をかけて作られていくようになりました。
この酒器は、そんな無名異焼で片口とぐい呑み、お猪口のセットです。赤一色ではなく表面に白い釉薬が施されています。また、この焼き物は日本一とも言われるほどの収縮率であるため、硬く焼きしまって丈夫なので繰り返し使ってお酒を楽しんでみるのもおすすめです。
斑紫銅のぐい呑み
伝統的な金属加工と漆塗りの合作
新潟の金属加工というと燕三条のイメージを持ったのではないでしょうか。実は、工芸品という観点から金属加工を見た場合、同じく新潟中部にある柏崎の鋳造も有名なのです。
この酒器は柏崎の伝統的な鋳造法で銅のぐい呑みを作り、そこに新潟の北端、村上市の伝統工芸である村上堆朱(ついしゅ)という彫漆の技法が用いられています。元々木器に施す技術ですが、柏崎の銅器に施しているのが特徴です。金属の質感を持ちながら、漆の美しい光沢がある魅力的な酒器に仕上がっています。
まとめ
新潟は、金属加工をはじめ、様々な技術があります。そんな技術と酒どころという特徴が重なることによって素晴らしい酒器が数多く生み出されています。
また、工芸品も漆器や陶磁器、鋳造など様々な素材や技術が用いられ魅力的な酒器が存在しているのです。
このように充実した酒器づくりの環境で生み出された新潟の酒器を、一度手に取って使ってみてはいかがでしょうか。きっと楽しいひと時を感じられるでしょう。もちろんお酒は新潟の日本酒といいたいところですが、最近はクラフトビールも盛んに醸造されているので、タンブラーにビールを注いで楽しむのもおすすめです。