人口800万人を超える西日本の中心的都市、大阪市を抱える大阪は交通網が発達し人や物が多く集まる一大エリアです。一方で東に行けば豊かな自然が広がり、農作物を生産している地域も多くあります。そんな大阪では、様々な食文化が生まれ、今も新しい食べ物が考案されています。当然これらの食文化には、お酒がつきもの、そしてそのお酒を注ぐ酒器も必要です。
※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
目次
大阪錫器のタンブラー
古代より続く技法が光る
金属の1つに錫があります。この錫は、加工にも優れており、今から1300年前には日本にも伝わったとされています。その技法も当然大阪をはじめとする近畿地方で用いられるようになり、錫師と呼ばれる職人も登場しました。
こういった背景から大阪でも錫を加工する職人が多く生まれ、現在は企業がその技術を受けつぎ発展させています。もともと神仏具として主に用いられていた錫器ですが、その美しさや質感、使いやすさから日用品にも用いられるようになりました。
今回紹介するのは、この錫を使って作ったタンブラーです。ビールの泡立ちも良く、錫の抗菌効果で衛生面にも優れています。また、金属の食器にありがちな金属臭も少なく、ビールの香りを存分に楽しめるのも特徴です。職人の技が光るタンブラーで楽しいひと時を。
大阪浪華錫器のぐい呑み
長い歴史を持つ大阪の錫加工は、その歴史や技術の高さから経済産業大臣指定伝統工芸品年て認められています。
その中でも特に職人芸の光るものは、大阪浪華錫器という名前で製作販売されてます。このぐい呑みも大阪浪華錫器のブランドで販売されている酒器です。しかも伝統工芸品の要件をすべて満たしている点でも注目といえます。
その要件とは日常生活で使用される工芸品、製造工程の主な部分は手づくり、伝統的な技術・技法によって製造、伝統的に使用されてきた原材料、一定の地域で産地を形成というものです。これらすべての要件をクリアしたこの酒器は、とても華やかな絵柄が描かれ、内部は鏡のように磨き抜かれています。大阪に息づく伝統工芸品で、日本酒を楽しんでみるのも良いかもしれません。
桜藁灰の酒器セット
大阪の桜を用いた片口とぐい呑み
狭山と言うと、埼玉県の他、大阪にも大阪狭山という場所があります。この大阪狭山は大阪エリアでも有数の桜のスポットを有し、桜の花が同市の名物になっています。この大阪狭山の桜の木を灰にして釉薬に用いたのがこの片口とぐい呑みの酒器です。1270度という高温で焼き上げているため、電子レンジでお燗を作ることもできます。
肝心の外見は上半分がどこか桜の淡い色合いを感じさせる白系、下半分が力強さを感じる茶色ですどこかパワフルな大阪の桜らしい印象を与える酒器と言え辛口の地酒にも合うぐい呑みと片口です。
Oniglass
映画とコラボしたグラス
大阪は多くの人々が行きかう西日本最大のエリアです。そんな背景からドラマや映画の舞台になることも少なくありません。この酒器は、そんな映画とコラボした酒器です。
その映画は「鬼ガール!!」、鬼族の末裔で、鬼と人間とのハーフの女子高生が映画部で映画を作る作品になります。その映画をモチーフにしたグラスがこの酒器で女子高生をイメージするピンクや青、イエローのかわいい色あいとは対照的にどこか怖さを感じる「鬼」の一文字が印象的です。
甘くて飲みやすいけどアルコールが強いカクテルのようなお酒を入れても良いかもしれません。
【殺しの映画レビュー】
『鬼ガール!!』
地方映画の巨匠のスタッフだった監督が、持てる電通コネクションをフル動員して、故郷である河内長野を舞台に地方創生映画を作った結果・・・https://t.co/tz7QufWAMD #柳下毅一郎 pic.twitter.com/rWciXUkgu3— 柳下毅一郎の皆殺し映画通信 (@minagoroshi_yan) October 23, 2020
Memorial Tearのワイングラス
大阪のガラス技術が作るグラス
様々な工芸の技術が集まる大阪では吹きガラスの技法も知られています。この吹きガラスによって丁寧に仕上げられたのがMemorial Tearという名のワイングラスです。
実用面を意識し背が低く、足がしっかりとしたグラスで、やや脆弱な印象を与えるワイングラスにあって耐久性も意識しています。さらに大阪のクラフトマンシップが生きているため、軽量な仕上がりにもなっており、普段使いにもピッタリのワイングラスです。
ワイングラスという名称ですが、丈夫なので日本酒やクラフトビールなど他のお酒を注いでどんどん使っても問題のない日本のものづくりを感じさせる酒器といえます。
KINJO JAPANのシリコーンロックグラス
透明度の高いガラスのようなシリコングラス
シリコンのグラスというと海外のドラマに出てきそうな鮮やかな色合いのプラスチックのような外見を持ったイメージがあります。しかし、このシリコーンロックグラスは高透明シリコーンゴムという素材を使用しており非常に優れた透明度を誇る素材を使用しているのが特徴です。
一見するとクリスタルガラスのロックグラスのような印象を受けますが持ってみると自在に形を変えるシリコーングラスであり、そのギャップに驚く方も多いのではないでしょうか。劣化もしにくく水切れもいいのでレンジにもかけられるという点でクリスタルガラスとはまるで違う性質を持っています。きっとこのグラスを見せればお酒の席で話題になること間違いありません。
名入れ加工のステンレスタンブラー
生活雑貨の生産が盛んな大阪ならではの酒器
大阪は元々、様々な生活用品の生産が盛んなエリアです。そんな大阪ではステンレスタンブラーの生産やそれに付加価値をつける名入れ加工などを盛んに行っている会社もあります。
生活用品の製造が盛んな大阪も近年海外の安価な生活用品の製造に押されて、やや厳しい局面にあり、そういった中で名入れを行うといった付加価値をつけて商品価値を上げる動きもみられます。
そんなムーブメントの代表とも言えるのが、ステンレスタンブラーの名入れです。自分好みのデザインでオリジナルのステンレスタンブラーを作ることもできるので、自分に合ったタンブラーを作ってお酒を楽しむのもおすすめです。
須恵器タンブラー
堺市、ふるさと納税で古墳関連の返礼品を拡充:日本経済新聞 https://t.co/w6hwsLm5wb
須恵器タンブラーめっちゃ気になりすぎるんですけどちょっと— 原稿戦士①◆4/11名コミA-29 (@10_plus10) May 30, 2018
古墳時代を感じさせる酒器
大阪はエリアの広さに比べ多くの古墳があります。特に堺市には日本最大の古墳である仁徳天皇陵が知られており、それ以外にも市内の各所に大型の古墳がみられます。そんな古墳に多く配され、儀式などにも用いられていたのが須恵器です。
この須恵器をイメージしてタンブラーに仕上げたのが須恵器タンブラーです。デザインだけではなく質感も当時のものを再現しています。もちろん実用性を重視し、水漏れのない構造で日用遣いにも適しているのが特徴です。ビールを注げば泡立ちもよく、古代の日本を感じながら美味しいビールがいただけるでしょう。
まとめ
大阪は金属加工など様々な工業が盛んな場所です。そのため酒器も工業技術を生かした製品が多く一見大量生産した酒器という印象のものもあります。しかし、その中の多くは、古来から続く大阪の職人の技術の結晶であり、工業製品のように見える酒器も工芸品であることが少なくありません。
このように精巧な酒器が多い大阪の酒器は、今も大阪の食卓で用いられ豊かな食文化を彩る重要な食器として活躍しています。近代的なビルや都会的な印象の強い大阪ですが、このように職人の技が光る工芸品とも言える酒器が数多くあります。そんな意外性を感じながらお酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。