「獺祭(だっさい)」は日本酒の人気銘柄の一つとして知られているお酒です。あまりの人気ぶりに非正規店などで高騰化が相次ぎ、メーカーから「お願いです。高く買わないでください」という異例の広告が出されたこともあるほどです。
何故こんなにも人気があるのでしょうか。ここではその秘密と味わいについて説明していきます。
「獺祭(だっさい)」の特徴と名前の由来
獺祭は山口県にある「旭酒造」が製造している日本酒ブランドの名前です。
フルーティーで甘みを感じる、万人うけする圧倒的な飲みやすさで多くの人から人気を集めました。その人気は国内にとどまらず、海外からも大きな注目を集めています。
ちなみに獺祭の獺はカワウソのことです。獺祭はカワウソがとらえた魚を岸に並べる様子がまるでお祭りのように見えることから、詩文をつくる時多くの参考資料等を広げちらす様をさす言葉です。旭酒造のもともとの所在地である「獺越(おそごえ)」という地名から一文字とってこの名称がつけられました。
「旭酒造」について
旭酒造株式会社は山口県岩国市にある酒造メーカーです。昭和23年よりお酒造りを行っている伝統のある酒造です。普通酒を作らず、「純米大吟醸酒」、つまり醸造アルコールなどの副原料を用いず精米歩合が50%以下の日本酒のみを作るという特殊な取り組みをしています。
酔うため 売るための酒ではなく 味わう酒を求めてをポリシーに掲げ、それまで醸造していた普通酒「旭富士」の醸造をやめ、現在では獺祭のみを製造しています。
通常日本酒の醸造には杜氏(とうじ)と呼ばれる、酒造りの一切を取り仕切る職人集団がいるのですが、旭酒造には杜氏がいません。経験と勘に頼る職人技ではなく、発酵状態などのデータを数値化することで醸造の管理を行っています。また四季醸造ができるような空調設備を整えるなど、これまでの伝統に最新の技術を組み合わせることで高い品質のお酒を安定して作り出しています。
獺祭の味わい
獺祭は「純米大吟醸」という種類のお酒です。
純米大吟醸は低温で長時間かけて発酵させる「吟醸造り」の製法を用いており、果実のような香りが特徴です。よく磨いた米を使用することでスッキリした味わいになっています。
また獺祭は、酒米の王様とも呼ばれる「山田錦」のみを使用しています。山田錦はタンパク質が少ないという特徴をもち、日本酒にしたときの雑味が少ないのがポイントです。
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獺祭のすごいところ
獺祭が高い評価を受けているのにはいくつか理由があります。ここからは3つの理由について、それぞれ説明していきます。
1.コストパフォーマンスの高さ
通常、純米大吟醸は日本酒の中でも製造に手間がかかるため高級品として知られています。しかし獺祭は一升瓶で約3,000円ほどであり、美味しいのに安いというところも人気の理由の一つです。
一時期は定価の何倍もの価格で販売されるほど高騰してしまったこともありましたが、安定した生産をできるように蔵元が努力したこともあり、現在では適正価格で購入ができるようになっています。
2.圧倒的なブランド力
獺祭は東京都で山口県出身者から注目を集め、口コミで人気が広まりました。いまでは百貨店で取り扱われるなど、そのブランドネームを確かなものにしています。
知名度は国内のみにとどまりません。ヨーロッパの名高い食品コンクール“モンド・セレクション”にて最高金賞を受賞、そのほかロサンゼルスで行われたインターナショナルワイン&スピリッツコンペティションでも金賞を獲得した経験があるなど海外でも知れ渡っています。
また2020年11月には香港のオークション「サザビーズ」で開催され獺祭が84万円で落札されたことが大きなニュースに取り上げられました。
単に日本酒を高い値段で売りたいと誤解される方もおられるかもしれませんが日本酒の価値をアピールすることで、日本を飛び出して世界での“sake”の評価をあげようというのが狙いでした。
よく磨いたお米と清らかな水が作り出す「獺祭」は、日本全国・老若男女問わずに愛されている日本酒です。あまりお酒に詳しくない方でも、「獺祭なら知っている」という人もいるほどです。 そんな獺祭には、様々なシリーズがあります。デイリーに親しめるものから、中には超高級と言われお祝いの席や贈答品に選ばれるもの...
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3.ギフトにも最適
ネームバリューがあり万人受けする味わいの獺祭は、個人で楽しむのはもちろんギフト需要にもぴったりです。安倍総理もプーチン大統領の誕生日やオバマ前大統領の来日記念に獺祭を選んでいました。
インパクトのあるラベルのボトルで見た目にも喜ばれること間違いなしです。父の日や誕生日など、さまざまなシーンで選ばれています。
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獺祭シリーズの紹介
獺祭 磨きその先へ
透き通った味わいで、お酒臭さも少なく軽快な飲み口です。それでいて余韻はしっかりと感じられる、繊細で奥行きのある味わいが特徴です。
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離
もろみから酒を絞りだす作業を、通常のお酒のしぼりのように袋などを機械的に加圧して絞るのではなく、遠心分離機を使用して作ったお酒です。この技術により、もろみの香りやふくらみが崩れることなく再現されています。またしっかり磨いたお米を使用することで、お米の甘みが感じられるお酒です。華やかな香りの中に厚みのある旨味が感じられる一本です。
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分 遠心分離
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分
獺祭 純米大吟醸45
獺祭 純米大吟醸 スパークリング45
おすすめの飲み方
純米大吟醸である獺祭は、冷やして飲む方がおすすめです。熱燗にすると香りや口当たりの良さが失われて辛口になってしまうため、獺祭には適していません。
常温~5度くらいの冷たさに冷やして飲むと香りや甘さを一番感じられます。
日本酒はビールなど他のお酒と異なり、0℃から60℃とさまざまな温度帯で楽しむことができ、さらに温度で香味まで変わるという、世界でもとてもめずらしいお酒です。焼酎も「お湯割り」「水割り」などがありますが、日本酒はお酒そのものを温めたり冷やしたりするのが、焼酎との大きな違いです。今回は、冷酒についてご紹...
味わいを楽しむのにはストレートがおすすめですが、アルコール感が苦手な方は水割りやロックで飲むとまろやかになり香りを楽しめるでしょう。
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合う料理やおつまみ
純米大吟醸である獺祭は、その特徴である香りを損なわないようさっぱりとしたおつまみに合わせるのが良いでしょう。白身魚や貝類のお刺身や、お豆腐などがおすすめです。
ワインの様な感覚でチーズやナッツなどの合わせても楽しめます。
お酒を飲むときに欠かせないのがおつまみです。美味しいおつまみと合わせれば、いつものお酒がより美味しく感じられるようになるでしょう。 ※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール お酒におつまみを合わせるコツ おつまみとお酒には相性があります。もちろん自分が好きな食べ物を選ぶ...
まとめ
国内外で愛されている「獺祭」は、手に入りやすく飲みやすいのがポイントです。日本酒好きの方はもちろん、これから挑戦してみるという方にもおすすめです。ぜひ見つけたら飲んでみてくださいね。