久礼(くれ)は高知で生まれた地酒の銘柄です。江戸時代から続く伝統ある酒造で作られた日本酒は、素材選びにもこだわっており地元の方はもちろん全国の日本酒好きの方に長年愛され続けています。
ここではそんな「久礼」が気になるという方に向けて、その歴史や味わいの特徴についてご紹介しています。美味しい日本酒を探しているという方はぜひ目を通してみてくださいね。
「西岡酒造」について
久礼を製造しているのは、「西岡酒造」になります。西岡酒造は、高知県中西部に位置する中土佐町久礼という場所にある蔵元です。
その歴史は古く、天明元年(1781年)に初代井筒屋仁助によって創業されたのがはじまりです。江戸時代中期から現在に至るまで、230年余りのあいだ日本酒の製造を行ってきた、たいへん伝統的な酒造です。
酒造のある土地の名にちなんだ「久礼」シリーズをはじめ、さまざまな銘柄の地酒をつくり長い間愛され続けています。近年は西岡酒造の杜氏による吟醸酒造りに力注ぎ「全国新酒鑑評会金賞受賞」や「四国清酒鑑評会優等賞受賞」などを受賞しているなど、その実力は折り紙付きです。
久礼の仕込み水・酒米
久礼の仕込み水には四万十川の源流名水が使用されています。四国を流れる四万十川は国内でもっとも澄んだ大河川といわれるほどで、名水百選にも選ばれています。そこから採れる水はやさしい軟水であり、お酒作りにも適した名水として知られています。
酒米には山田錦をはじめとする、自然栽培された酒造好適米が選ばれています。
伝統的な製法に加え素材選びにもこだわることで、雑味のない旨みを最大限に引き出しています。
「久礼」の味わい
久礼が作られている高知県という土地は、土佐の一本釣りで有名な場所です。漁師の町で作られた久礼は、名産品である鰹をはじめとした魚類と相性抜群の、すっきりしていてキリリとした印象を感じる淡麗辛口の味わいです。
素材由来のフルーティーな味や深いコクを感じつつ、後味はキレがありスッキリしているという特徴を持ちます。アルコール度数はやや高めですので、お酒が好きという方は満足感が得られると思います。たいへんバランスのとれたお酒であり、辛口好きの方はもちろん、普段辛口はあまり飲まないという方にもぜひ試していただきたいお酒です。
「久礼」シリーズの特徴
久礼にはいくつかシリーズがあり、シリーズ毎に味わいや特徴が異なります。ここからはそれぞれのシリーズについて、詳しくご紹介していきます。
純米大吟醸 久礼
- アルコール度数:16.6度
- 日本酒度:+5.0
- 酸度:1.6
- 原料米:吟の夢(高知産)
- 精米歩合:40%
- 価格:1800ml 4,600円(税抜)
純米吟醸 久礼
- アルコール度数:16.6度
- 日本酒度:+5.0
- 酸度:1.6
- 原料米:吟の夢(高知産)
- 精米歩合:50%
- 価格:1800ml 3,000円(税抜)
吟醸無濾過 久礼
- アルコール度数:17.7度
- 日本酒度:+10.0
- 酸度:1.5
- 原料米:吟の夢(高知産)
- 精米歩合:60%
- 価格:1800ml 2,600円(税抜)
純米酒 久礼
- アルコール度数:15.6度
- 日本酒度:+5.0
- 酸度:1.7
- 原料米:松山三井(愛媛産)
- 精米歩合:60%
- 価格:1800ml 2,200円(税抜)
辛口純米 久礼
- アルコール度数:15.6度
- 日本酒度:+10.0
- 酸度:1.8
- 原料米:松山三井(愛媛産)
- 精米歩合:60%
- 価格:1800ml 2,200円(税抜)
なおアルコール度数のほかに日本酒度や酸度を表記していましたが、これらは日本酒の味わいを確かめる目安となります。ラベルにも記入されていますので日本酒選びの際に参考にしてみてください。
- 日本酒度とは
- 辛口または甘口をみる目安となります。糖分が多ければマイナス、少ないほど値はプラスになります。すなわち日本酒度が高い=辛口のお酒ということです。
- 酸度とは
- お酒のなかに含まれる酸の総量をあらわしたもので、酸度が高い=濃厚つまり味が濃い、酸度が低い=淡麗なものとなります。
ちょっとしたギフトにもおすすめ
インパクトのある大きな文字が特徴のラベルは、ご自宅用はもちろん手土産やギフトにもぴったりです。お酒好きの方への誕生日プレゼントやお中元、高知出身の方へのプレゼントとして渡すのも喜ばれるのではないでしょうか。
高知に行った際のお土産として購入するのもおすすめです。
飲み方は?日本酒の温度について
日本酒の飲み方には、温度ごとに名前がつけられています。基本は「冷酒」「常温(冷や)」「燗酒」といった3種類に分けられます。
- 冷酒
- 5~15度ほどの温度のことで、冷蔵庫で冷やしておいたものをそのまま楽しむのが良いでしょう。冷やすことで香りが落ち着き、飲みやすくなります。吟醸酒や生酒、無濾過のものなど、香りや素材の良さをそのまま楽しめるお酒はこちらで飲むのが良いでしょう。
- 常温(冷や)
- 「冷や」というと冷酒と間違われることも多いですが、こちらは冷やさず温めず、そのままの温度(20~25度)で飲むものになります。吟醸酒や純米酒は常温のままで美味しく飲むことができ、お酒本来の味わいを感じられるでしょう。
- 燗酒
- 湯煎やレンジなどで30~55度ほどに温めて飲む方法です。ぬる燗、熱燗など温度によって名称が変わります。温めることで味わいや深いコクをより感じられるようになります。純米酒や本醸造酒に適した飲み方です。
久礼は純米大吟醸のものから純米酒まで種類が豊富にありますので、お酒の種類に合わせた飲み方を選ぶと良いでしょう。この際に注意しておくポイントとして、吟醸酒は温めてしまうと本来の香りが損なわれてしまうということです。お燗で楽しみたい場合には純米酒のものを選ぶのがおすすめです。
久礼と合わせたい料理やおつまみ
高知県の地酒である久礼には、ぜひ高知の名産品や土佐料理を合わせていただきたいです。鰹のたたきとしっかり冷やしたお酒なら、暑い夏にもぴったりです。
久礼はコクとキレ味のあるお酒ですので、酸味のあるおつまみや味の濃い料理と合わせてもバランスが取れます。ぜひ試して見てください。
土佐の伝統的なお酒である久礼は、しっかりとしたコクと香りを持つ華やかなお酒です。辛口のお酒を飲んでみたい方はぜひ「久礼」を試して見てくださいね。数あるシリーズの中からお気に入りを探してみるのも良いでしょう。