日本酒には日常で親しまれているもの、ちょっと高価なもの、お手頃価格のもの、高級品と言われるもの・・・とさまざまな種類があります。いつものお酒を楽しむのも良いですが、普段は飲まないようなレアなお酒・高級酒について知っていれば、より日本酒が楽しめるようになるでしょう。
どんな特徴を持つのか、どんな味わいなのかを解説していくのでぜひ参考にしてください。
目次
ソガペールエフィスとは?何が珍しいの?
ソガペールエフィスは「小布施ワイナリー」が手がける日本酒です。日本酒の蔵元ではなくワイナリーが手がけるお酒とあって、非常に珍しいです。
ワインの醸造技術を活かして作られるその味は、数ある日本酒の中でも非常に個性的であり、日本酒ファンから絶大な支持を集めています。ボトル1本あたり1万円を超えるような値段で取引されていますが、それでも完売が相次ぐほどの人気です。
ソガペールエフィスはすっきりとしていて雑味が少なく、高級感があり飲みやすい味わいをしています。料理と喧嘩しないため、食中酒としても高い評価を集めています。
小布施ワイナリーについて!ドメイヌ・ソガなどの自然派ワインで高い評価
ソガペールエフィスを手がける「小布施ワイナリー」は、長野県の小布施町にあるワイナリーです。自社ぶどう畑まで有する本格的なワイナリーで、「ドメイヌ・ソガ」などのブランドで日本ワインの中でも人気を集めています。
厚岸から牡蠣が届いたよ~🦪美味すぎ~~~白ワインは小布施ワイナリー最後の1本…ドメイヌソガ2019アルバニリーニョ pic.twitter.com/E7by1ernJ6
— ヨシカ🍎 (@yoshika_miro) June 6, 2021
小布施ワイナリーは、ワイン造りにおいてあえて生産量を減らしひとつひとつのワインの質を高める、化学薬品などを一切使わず自然派にこだわるなど、非常に高いプライドを持ってワイン造りをしているのが特徴です。そのため造られるワインはどれもレベルが高く、国産ワインの中でも高級品・人気品としての扱いを受けています。
そんな小布施ワイナリーが日本酒を手がけ始めたのは、実はここ最近のことではありません。もともと小布施ワイナリーは戦前に「泉瀧」という銘柄を手がける日本酒の蔵元でした。しかし第二次世界大戦の影響から日本酒造りが難しくなり、ワインの製造を始めたという歴史を持っています。
そのため小布施ワイナリーは、ワインだけでなく日本酒へのプライドも持っています。一度酒造として廃業した後も日本酒への熱い気持ちを捨てきれず、廃業から20年経った頃に再度日本酒造りをスタートさせました。その中でできたのが「ソガペールエフィス」であり、日本酒酒造としての歴史とワイン醸造の技術が組み合わさり、レベルの高い日本酒が完成するきっかけとなりました。
生産量が少なく希少性が高い
ソガペールエフィスは非常にレアな日本酒です。というのも、小布施ワイナリーのメインはあくまでもワイン造りであるため、日本酒であるソガペースエフィスはブドウの収穫が終わった冬の時期にのみしか生産されないためです。
ソガペールエフィスの年間の生産量はたった7000L程度であり、非常に希少なことがわかります。つまりソガペールエフィスは「入手困難なお酒」であり、このことも人気を集める理由のひとつとなっています。
さらにソガペールエフィスは高級ランクの位置付けのお酒であるため、なかなかデイリーに気軽に飲むことはできません。とっておきの日の1本や何かのお祝い、記念日などに親しまれるようなお酒となっています。特別なパーティーで提供したり、慶事の贈答品としても選ばれる日本酒であります。
ソガペールの小布施ワイナリーを見学。 pic.twitter.com/1WZ9rart13
— クタクター (@kutakutakutar) August 19, 2018
ソガペールエフィスに使われる酒米や酵母は?
ソガペールエフィスに使われているのは、地元である長野産の「美山錦」という酒米です。美山錦は非常にすっきりとしていて、雑味が少なく飲みやすいのがポイントです。
日本酒はお米を原料にして作られています。日本人の主食であるお米から作られているのでとても身近に感じられるお酒ですよね。 日本酒はお米が原料になっていますが、どんなお米でも日本酒を作れるわけではありません。日本酒を作るのに向いているお米とそうでないお米があります。またどのようなお米を使って日本酒を作...
そしてソガペールエフィスでは、美山錦にさまざまな種類の酵母をかけ合わせて原料としています。使われる酵母は1~7番・9番酵母と非常に種類が多く、酵母によって味に個性が出るのが特徴です。
ここからは、酵母によって味にどんな変化があるのかを解説していきます。
酵母による味の特徴!名称も変わる
1号酵母:ヌメロアン
1番酵母を使ったものはヌメロアンと呼ばれています。こちらは甘味や苦味のバランスが非常によく、後味がすっきりしているのが特徴です。ミルキーな味わいの日本酒であり、口に含んだ時の味の変化を楽しめます。
2号酵母:ドゥ
甘味が強く、普段日本酒を飲まない方や女性の方にもおすすめできます。マスカットや桃のような風味を感じられ、綺麗な味わいです。
3号酵母:トロワ
バランスがよく、スパイシーな辛みも感じられる味です。シャープな印象で、日本酒ファンからの評価が高いです。
4号酵母:キャトル
キレ味が強くスパイシーという、非常に個性的な味です。フレッシュなりんごやキャラメルのような甘味もあります。ワインのようなお酒であり、普段はワイン派という方におすすめしたい味わいです。
5号酵母:サンクゥ
ワイン好きにおすすめしたい、程よいフルーティーさ、アーモンドのような香ばしさが組み合わさったふんわりとした味わいです。
6号酵母:ヌメロシックス
日本酒で使われることの多い酵母で、親しみやすい味わいです。グレープフルーツやマスカットのような酸味で、キレ味があり飲みやすいです。
7号酵母:セットゥ
ミルキーで甘く、酸味もあり個性のある味わいです。バナナのような香りが感じられます。
9号酵母:ヌフ
果実らしい酸味や甘味を感じられ、日本酒が苦手な方でも飲みやすい1本です。余韻も優しく続き、贅沢感のある1本です。
ソガペールエフィスの商品紹介
ソガペール エ フィス NUMERO SIX 6号
6号酵母を使用して造られた、ソガペールエフィスの中でも人気のボトルです。個性のあるソガペースエフィスシリーズの中では比較的飲みやすく、万人ウケする味わいです。キレ味があり雑味が少なく、高級感を感じられます。贈り物としても人気のあるボトルです。
ソガペール エ フィスRiz a Sake Naturel
ソガペール エ フィス イリヤ ソントン
小布施ワイナリーが70年ぶりに復活させたという、旧協会1号・2号の酵母を使って造られたお酒です。男酒と女酒の良いとこどりをした味わいで、白ブドウのような香りや酸味を堪能できます。ソガペールエフィスのおすすめの飲み方
ソガペールエフィスはワイナリーの造るお酒なので、ワインの飲み方を意識して飲むと良いです。具体的にはワイングラスに注ぎ、適度に冷やしながら飲むと良いでしょう。ほんのり冷やすことで、ソガペールエフィスらしい香りをより感じやすくなります。
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ソガペールエフィスに合わせたいおつまみ・料理
ソガペールエフィスはスッと抜けるような酸味があり、食中酒として飲みやすいです。そのためさまざまなタイプのおつまみや料理と相性がいいです。
お酒を飲むときに欠かせないのがおつまみです。美味しいおつまみと合わせれば、いつものお酒がより美味しく感じられるようになるでしょう。 ※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール お酒におつまみを合わせるコツ おつまみとお酒には相性があります。もちろん自分が好きな食べ物を選ぶ...
まとめ
幻の日本酒「ソガペールエフィス」は、日本酒の蔵元ではなくワイナリーが手がけるというレアなお酒です。よくある日本酒では決して味わえない、特殊な酵母を使ったシリーズのお酒があり、その味は個性豊かです。
日本酒ファンの方はもちろん、ワイン好きの方やアルコール初心者の方もぜひ挑戦してみてください。