みなさんは「貴」と呼ばれる日本酒をご存知でしょうか。貴は山口県にある永山本家酒造場で作られる、米の旨みにこだわった純米酒です。キレのある辛口と米本来の深い味わいを楽しめる日本酒は、食中酒としても愛されています。
ここでは、定番酒から季節限定酒まで多数揃った「貴」の魅力を、酒造の歴史や環境とともにお伝えしていきます。
※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール
「貴」のコンセプト
貴は「たか」と読みます。2002年に作られた比較的新しい銘柄の日本酒であり、名前は蔵元杜氏の永山貴博氏から一文字とってつけられました。
「永山本家酒造場」の環境や歴史
貴は比較的新しい銘柄ですが、貴を造っている酒造は明治から続く歴史を持っています。
はじまりは1888年、初代の永山橘太郎氏が山口県の宇部市二俣瀬の地に酒造を開いたところからスタートします。辛口銘柄酒の「男山」をメインに掲げながら、地域の発展に貢献しつつ人気を広めていきました。時代の移り変わりと共に日本酒の人気や酒の親しみ方が変化していく中、伝統を守ることだけにとどまらず技術の革新やアサヒビールとの契約など、さまざまな工夫を行い代々蔵を守ってきたそうです。
現在の当主である永山貴博氏は5代目となります。「貴」を造り上げたこの当主は、国税庁醸造研究所でワイン造りを学んだり、ヨーロッパのワイナリーから学んだ知識を日本酒造りに取り入れたり、海外へ向けて純米酒を出荷したりなど、視野を広げた取り組みを行っています。
永山本家酒造場に見学行かせてもらいました。事務所棟は旧二俣瀬村役場庁舎だったそうで国の登録有形文化財だそう。酒蔵見学むっちゃ楽しかったo(≧ω≦)o pic.twitter.com/Ke2pPN8t1a
— キイロイトリ (@yuhimeshanakaya) April 8, 2018
酒米へのこだわり
米の旨味を追求している「貴」にとっては、いちばんの心臓部といえるのが酒米です。貴に使われている酒米はさまざまですが、どれも酒造りに適したものを選びぬいています。
またこちらの酒造は、2002年ごろより自家水田を使用して米作りを行ってきました。そして2019年に入ると更なる味の追求のため農業法人を立ち上げています。
ここまでのこだわりを持つ理由は、当主がヨーロッパへ訪れた際に感じた経験からだそうです。ワイナリーの人々が醸造法よりも農作物づくりに重点を置いて話しているのを聞き、お酒は土地から授けられた農産物の延長にあるという考えに深く共感したためです。
そしてこれらの酒米の良さを最大限に引き出すため、シリーズによって精米歩合を細かく調整し丁寧に酒造りを行っています。
日本酒はお米を原料にして作られています。日本人の主食であるお米から作られているのでとても身近に感じられるお酒ですよね。 日本酒はお米が原料になっていますが、どんなお米でも日本酒を作れるわけではありません。日本酒を作るのに向いているお米とそうでないお米があります。またどのようなお米を使って日本酒を作...
仕込み水の特徴

お酒の8割は水からできています。また洗米などの製造過程においても、たくさんの水が使われます。そのため仕込み水の品質は、お酒の味に大きく影響してきます。
「貴」の仕込みに使われているのは、日本最大級のカルスト台地として知られる秋吉台を源流とする水です。こちらはミネラルを多く含んだ、中硬水となっています。
この水を使って醸された「貴」は、適度な酸味とキレのなかにしっかりとした米の旨味を感じることができます。輪郭のはっきりした辛口は、日本酒ファンにはたまらない味わいです。
酒米と共に日本酒原料に欠かせないもの、それが仕込み水(しこみみず)です。 この仕込み水は日本酒の成分の大きな部分を占めているものであり、味わいにも関係の深い材料と言えます。 ランニングフリージー 今回、この仕込み水についてその概要や適した水、味への影響や硬度別の代表銘柄につ...
「貴」シリーズおすすめ7選

貴 特別純米60
- 使用米:山田錦、八反錦
- 精米歩合:60%
- アルコール度:16%
貴 濃厚辛口純米80
低音調理和牛ササミ
と、
ペアリング酒 貴 濃厚辛口純米80
👯♀️👯♀️👯♀️ pic.twitter.com/hS1pm19jDt— K (@210Koike) May 31, 2019
あえて精米歩合を80%に抑えることで、原料米山田錦の味わいをそのまま楽しめるようにしたお酒です。ハッキリとした辛口のお酒で、日本酒ファンや辛口ファンの評価が高いシリーズです。
- 使用米:山田錦
- 精米歩合:麹米60%、掛米80%
- アルコール度:16%
貴 純米吟醸 雄町50
「オマチスト」と呼ばれるファンが存在するほど、酒米として人気のある雄町を50%精米し造ったお酒です。雄町ならではの芳醇な旨みと余韻が特徴の純米吟醸酒は、やや冷やして~常温で飲むのがおすすめです。- 使用米:岡山県産 雄町
- 精米歩合:50%
- アルコール度:16%
貴 純米吟醸 山田錦50
蕎麦には日本酒🍶
貴 純米吟醸 山田錦50新酒
香りはそんなに強くなくでも開栓初日飲みやすく一本空けてしまいそうな勢いで飲んでしまいになる旨い酒でした😊 pic.twitter.com/dJH7qh7h0y— まっしーぱぱ@ (@masshypapa11) April 21, 2020
貴シリーズは酒米によって特徴が異なるのがポイントです。最高品種の酒米として親しまれる山田錦を使い醸されたこちらのお酒は、フローラルな香りを楽しめます。後味はさっぱりキレが良いので、どんな料理とも合わせやすいのもメリットと言えるでしょう。
- 使用米:山口県産山田錦
- 精米歩合:50%
- アルコール度:16%
純米大吟醸 ドメーヌ貴
酒造の近くでスタッフ自ら造った酒米山田錦を使い、丁寧に醸されたお酒です。ドメーヌとは地域の生産者を意味しています。砂地が多い宇部の土地で作られた山田錦は、さらっとシルキーな味に仕上がるのが特徴です。やさしい口当たりで非常に飲みやすい、貴ならではの1本です。
- 使用米:山口県産自社生産山田錦
- 精米歩合:50%
- アルコール度:16%
貴 純米本生 スパークリング
昨日に引き続き酒粕料理
豚の酒粕味噌生姜漬け焼き
めっちゃ柔らかい‼️
美味しいなぁ〜😆
酒はこれを開栓
貴 純米本生 スパークリング
うんいいシュワ感だ✨ pic.twitter.com/6HEDUwV7A3
— ふなっち (@funa_cchi) May 17, 2020
いつもと少し気分を変えたい時におすすめなのが、スパークリングタイプの日本酒です。微細な泡の中に米の旨味もしっかり感じられる、夏季限定のボトルです。
よく冷やしてワイングラスに注ぐと、特別感も演出できるでしょう。アルコール度数がやや低めなので、日本酒の強い酒感が苦手な方でも親しめます。
- 使用米:山田錦
- 精米歩合:60%
- アルコール度:14%
貴 純米大吟醸 ブラック40
こちらは山廃仕込みで作られた純米大吟醸酒です。米の旨みと山廃らしい複雑な味わいがマッチした、奥行きのあるテイストの極上酒です。後味は豊かな酸味で引き締められており、食後のお酒としてゆっくり飲むのに適しています。11月から年末にかけての期間限定出荷となっています。特別感があるので、ギフトに選ぶのもおすすめです。
- 使用米:兵庫県加東市(東条特A地区)産 山田錦
- 精米歩合:40%
- アルコール度:16%
合う料理やおつまみについて

食中酒としても楽しめる「貴」シリーズは、合わせるおつまみにも是非こだわってみましょう。
まずオススメなのは魚介類です。キレの良い酸味は、魚介の臭みを消してくれる効果もあり相性バッチリです。冷酒や発砲酒に合わせてお刺身を、お燗に合わせて牡蠣や青魚などを合わせてみては如何でしょうか。
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贅沢な純米大吟醸タイプは、やや冷やしてゆっくり飲むのがおすすめです。おつまみにはナッツやレーズンなど、少しずつ楽しめるものを用意してみると良いでしょう。
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癒しと米味がポイントの「貴」を飲んでみよう
山口でつくられる辛口のお酒「貴」には、いろいろなシリーズのボトルがあります。日常の食卓・祝いの席・記念日など、さまざまなシーンで愛されているお酒です。辛口ファンの方や日本酒ファンの方はぜひチェックしてみてくださいね。
貴は、いくつかのボトルを飲み比べてみても面白いでしょう。米の味がしっかりわかるので、飲んだら日本酒に詳しくなれるかもしれません。是非お試しください。














