日本酒を熱燗でキュ~と!燗酒の作り方おすすめ温度と熱燗器

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燗酒

暖冬だと今年は言われていますが、やっぱり寒い!
そんな時にソッと身体を暖めてくれるのはやはり日本酒の熱燗だと言っていいでしょう。
ひとくちに熱燗と言っても温度によってその呼び方も変わりますが、日本酒の味、薫り、口当たりも変化します。
今回は家でできる美味しい熱燗の入れ方やその種類、温度に合う日本酒の銘柄を紹介していきます。

おいしい熱燗のあっため方、作りかた

家で作る熱燗のメリットはなんといっても好きな銘柄を好きな温度で呑めるということでしょう。
日本酒を揃えて、うるさい店でありがちなのが“お燗”を嫌がる店、これは日本全国で多々あり経験した方も多いんではないでしょうか?
また店で飲んだ時に“この酒はもうちょっと熱く(冷たく)して飲んだ方が好みなのに…と思ったことがある方も多いでしょう。
「好きな銘柄の好きな飲み方を探る。」これが家での燗酒の魅力だと言えます。

家で日本酒を燗するのはさほど難しくありません。
ポイントはサッと徳利を温めることです。
 

一般的なお鍋を使った湯煎方法

一般的なお鍋を使った湯煎方法
流れとしてはまず徳利に九分程度日本酒を注ぎます。
昨今は便利になったものでサランラップ等で徳利の口を防いでおくと酒の香りが揮発せずにすみます。
鍋に水を張り徳利が半分ほど浸かるように水量調整をしたら、鍋に火をかけましょう。
沸騰したところで火をとめ徳利をつけて温めます。
ポイントは短時間で燗をすることです。
長い時間温めるとアルコールが飛んでしまい、せっかくの風味が台無しになってしまうので注意が必要です。

日本酒が徳利の口まで上がってきたら、徳利を取り出し底を触ってみましょう。
やや熱いくらいがちょうどいい燗だと言われますが、これはあくまでも目安です。
当然徳利の底の厚みによって感覚は違ってきます。
一般的なお鍋を使った湯煎方法
ここで燗酒を極めようと思う方に便利なのが、キッチン温度計です。
非接触タイプ、赤外線タイプなどの種類もあり、2,000円もせずに購入できますので一考してみてもいいでしょう。

 

燗酒は電子レンジでも大丈夫?

電子レンジで日本酒をあたためるのはあまりオススメしません。
理由としては温度が急激にあがってしまうこと、そして突沸現象が起きてしまう可能性があるからです。
また徳利はの上部と下部で温度差が発生します。
このため20秒程度レンジにかけたら、一度かき混ぜるなりして中の温度を一定にすることが必要です。
これは突沸を防ぐためにもやっておくといいでしょう。
お酒一合で家庭用の電子レンジでしたら40秒程度の加熱で人肌燗程度に仕上がります。
 

燗の温度と香り・味わい

お燗の種類は常温より上で飲むことを想定されており、30度以上から5度刻みで名前が変わっていきます。
また5度の幅は意外に大きく飲んだ印象も変わってくることが多いため、こまめに自分の好みを確かめてみるといいでしょう。

温度

香り・味わい

日向燗

30~35度 やや香りがたってくる

人肌燗

35~40度 米の香りが立ち始める

ぬる燗

40~45度 香りがよく出る

上燗

45~50度 キリッと引き締まってる

熱燗

50~55度 キレ味が鋭くなる

飛びきり燗

55度~ 尖った辛口になる

 

日向燗(ひなたかん、30~35度)

体温よりちょっと低めに温めた燗のことを指します。
徳利を持った時に温度の高さがわからないくらいの状態が目安だと言っていいでしょう。
酒本来の味を知るには常温が基本ですが、やや香りがたってくるのが特徴です。
日向燗にオススメなのはなんといっても純米酒本醸造酒
米の旨味をストレートかつゆったりと味わうことができるはずです。
 

日向燗オススメ銘柄

天吹 純米 雄町ひやおろし
天吹酒造合資会社

純米酒、そしてコスモスの花酵母、日向燗でおだやか雄町の旨さと花酵母の香りが絶妙

 

人肌燗(ひとはだかん、35~40度)

体温と同等もしくはやや低い程度で燗したものが人肌燗になり、徳利を触るとほんのり温かいくらいが燗の目安。
米の香りが立ち始めるのが特徴、また麹の香りもじんわりと感じることができます。
 

人肌燗オススメ銘柄

上撰 金冠
大関株式会社

ワンカップ大関の上撰、屋台のお燗の代名詞、カップでも瓶でも安定した旨さあり

 

ぬる燗(40~45度)

体温よりやや高めの燗、香りがよく出ていわゆる芳醇な酒を楽しむことができます。
ここまでは部屋の温度にもよりますが湯気が燗した酒から立ち上らない程度と思ってもらっていいでしょう。
 

ぬる燗オススメ銘柄

八海山 本醸造
八海醸造株式会社

大吟醸と同じように長期低温発酵で醸し出された本醸造。本醸造らしからぬあじわいを燗にして芳醇に

 

上燗(じょうかん、45~50度)

徳利を持った時に温かさをはっきり感じるとともに、注いだ時に酒から湯気がふんわりと立ち上がりますので、ぬる燗と上燗ははっきりと差異を感じることができるはずです。
また香りは芳醇ながらもキリッと引き締まってきます。
純米酒が一番シンプルかつストレートに米の特徴を捉えることができるでしょう。
 

上燗オススメ銘柄

特別純米酒 本格甘口 山田錦 沢の鶴
沢の鶴株式会社

甘口の純米酒を燗で楽しむ贅沢

 

熱燗(50~55度)

いわゆる燗のベーシック、飲み屋でお燗を頼むとこの温度帯で出てきます。
徳利から湯気がでてきますし、上の温度になると徳力も持つと熱い場合もチラホラ散見します。
お猪口を口に近づけると、香りをかなりシャープに感じ取れ、キレ味が鋭くなってきます。
精米時にそこそこ磨いてある日本酒だと辛さがかなり際立ってくると言えるでしょう。
 

熱燗オススメ銘柄

達磨正宗 十年古酒
合資会社白木恒助商店

温度帯によって様々な顔を見せる古酒をまずはオーソドックスな熱燗で!!

 

飛びきり燗(55度~)

ここまでくると徳力をもつ指がかなり熱い状態になってきます。
香りはより強くなり、いわゆる尖った辛口の印象を覚えることが強いでしょう。
熱燗、飛びきり燗は辛口を楽しむことができますが、さらにすっきりさせたいのならば本醸造アルコールを加えた本醸造酒がオススメです。
本醸造アルコールはかなりの辛口でそれを添加した本醸造酒はスッキリした味わいが魅力です。
そのポテンシャルを熱燗、飛びきり燗で引き出すのがオススメの飲み方です。
 

飛びきり燗オススメ銘柄

特別本醸造 久保田 百寿
朝日酒造株式会社

ふくよかな特別本醸造を飛びきり燗であえて引き締めて味わう

 

燗酒と合う食べ物とは?

おでん
燗酒と合う食べ物の代表作と言えば、やはり温かい食べ物屋は外せません。
おでんや鍋物はもとよりロールキャベツなど和洋問わず共通です。
また味の濃い食べ物も燗酒には抜群の相性です。
基本的に味付けが濃ければ濃いほど上燗以上と合わせやすくなっていきます。
味付けの濃いものを食べ、次の一品を楽しみたい時に、辛口のキレのある燗酒で口と舌をリセットするのに貴重な役割を果たしていると言えるでしょう。
意外な食べ物ではナポリタンなど味付けの濃さと油が麺にまぶされていますから、日本酒の熱燗とベストフィットし、オススメです。
 

家でも燗酒を楽しめる便利な温度計と熱燗器

家で燗酒を楽しむのに便利なのは前述した通り、キッチンサーモメーター温度計です。
昨今では日本酒お燗用の温度計も出ています。
赤外線、非接触型のものが衛生的かつ即タイムラグなく正確に温度が測れ便利です。

また酒たんぽとよばれる「ちろり」もお燗には便利なアイテムです。
漫画でおでん屋台で「オヤジ酒!」と頼むと必ず登場してくる取っ手と注ぎ口のついた容器です。
昨今はアルミ等熱電導率が高く、キャンプなどでも使えるよつにお洒落なデザインのものが多く、値段も安価なのが魅力なところでしょう。
 

まとめ

燗には様々な種類があり、温度を変えるだけで味や香りは変化します。
昨今ではお燗専用、前提で味わうことを念頭に置いて作られる日本酒も多々存在します。
まずは燗の種類から覚えて、自宅で好みの銘柄の自分好みのベスト燗を探りあててみるといいでしょう。
「普通に飲んだ時は酸っぱかったのに燗にしたら甘味が!?」
目から鱗が落ちるような新たな日本酒との出会いがあるかもしれません。

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