ワインにはヴィンテージ物や年代物がありますよね。
とても特別なお酒という感じがします。ヴィンテージ物や年代物はレアなお酒なので高級なイメージがあります。
実際はヴィンテージワインだから高級というわけではないのですが、その時にしか造れないワイン、同じ味は無いということは確かなので特別であることには変わりません。
実は日本酒にもヴィンテージワインと同じような特別なものがあります。それが古酒と呼ばれているものです。
古酒とは一体どのようなお酒なのでしょうか。早速ご紹介します。
目次
日本酒の古酒(長期熟成酒)とは?
日本酒の古酒と呼ばれているものは、長期間熟成させて造られたものになります。
長期間熟成させることで完成してすぐの日本酒と異なる色や味、香りを楽しむことができます。
古酒と呼ぶための定義が決まっていて、満3年以上熟成させていなければいけません。
さらに糖類などを添加していない清酒に限定されています。
厳密な定義ではありませんが、これにほぼ該当するものが古酒と呼ばれていると言えるでしょう。
古酒の熟成期間は酒蔵によって異なることが多く、何十年も熟成させているものもあると言われています。熟成期間が長いものはより特別な感じがありますね。
古酒は飲むことができるまで時間がかかっているということが分かります。
「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」とは?
ところで皆さんは日本酒の味を表現するために使われている4つの分類名をご存知でしょうか。
日本酒を沢山扱っているお店に行かれたことがある人は見たことがあるかもしれません。
古酒を飲む際にはこれらの分類方法も知っていたほうがより日本酒を楽しめますのでここでご紹介します。
日本酒を「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」というように大きく4つの種類に分類しています。
それぞれの特徴をご紹介します。
薫酒(くんしゅ)
薫酒は、軽やかな味わいで冷やして飲むと美味しく飲める日本酒です。フルーティーな香りを楽しめて日本酒が苦手な人や日本酒初心者の人も飲みやすくなっています。すっきりした中にも甘さを感じられるお酒が好きな人におすすめです。
薫酒のお酒
爽酒(そうしゅ)
爽酒は辛口のお酒です。キリっとしまった味がある日本酒でこちらも冷やして飲むと美味しいと言われています。
爽酒のお酒
醇酒(じゅんしゅ)
醇酒はコクのある味わいのお酒です。温めて飲むとより美味しく飲むことができます。
日本酒造りで使われたお米のうま味もしっかり感じることができます。
醇酒のお酒
熟酒(じゅくしゅ)
熟酒は独特の香りやうま味があるお酒です。味が濃厚で口の中に残ります。温めるとさらに濃厚な味わいになります。
熟酒のお酒
古酒(長期熟成酒)の魅力
古酒の中でも熟成古酒はさらに熟成が進んでいる日本酒になります。しかし熟成古酒という表示はされておらず、熟成古酒と勘違いして熟成酒と記載されているものや長期熟成と記載されている日本酒を購入してしまうこともあるようです。これらの表示がすべて熟成古酒とは限らないと言われていますので熟成古酒を購入したい時は、購入前に熟成古酒なのかどうか確認するようにしましょう。
熟成古酒の最大の魅力は味わい
熟成古酒の最大の魅力はその味わいにあります。
熟成させたことで、日本酒の甘みや酸味といった味がバランスよくなります。まろやかな口当たりになり、口の中で日本酒を堪能できるのです。
日本酒独特のキリっとした味わいに甘みのある香りも熟成させることでより感じやすくなります。
熟成古酒は二日酔いしにくい
熟成古酒の魅力はそれだけではありません。実は熟成古酒は二日酔いしにくいと言われています。
その理由はアルコールと水の結合が熟成期間中に進んでいるからと言われています。
そのため体内で分解されやすくなり二日酔いしにくいそうです。
二日酔いしにくいとはいえ飲み過ぎには注意してくださいね。
当サイトはお酒をテーマに扱っていることから健康と飲みすぎによる害悪についてもしっかりと理解した上で適量を守り楽しく地酒ライフを楽しんで頂きたいと考えております。また飲酒による運転も絶対に駄目なので当事者はもとよりお酒を一緒に飲んだ方への運転も絶対に控えるようにお伝えください。二日酔いどころか交通事故...
熟成古酒は見た目も美しい
熟成古酒は味や香りが良くなるだけでなく、見た目も美しくなっています。
色を見ると分かりますがどのように熟成させたのかで色が異なってきます。
熟成古酒を購入した際には、色を楽しむためにガラスの酒器に入れてみてくださいね。
長期熟成の期間
古酒はどれくらいの期間熟成させたのかによって大きく3つのタイプに分類されています。
ここでは熟成タイプ別の特徴をご紹介します。
熟成タイプは大きく分けて3タイプ
濃熟タイプ
常温で熟成させている本醸造酒や純米酒で熟成年数が経つにつれて色や香り、味が変化していき個性的な味わいになります。
中間タイプ
中間タイプは低温熟成と常温熟成を併用し熟成しています。低温から常温へ、または常温から低温へというように貯蔵方法を変えて熟成させています。
本醸造酒や純米酒、吟醸酒、大吟醸酒があります。濃熟タイプと淡熟タイプの良い部分が出てくる日本酒です。
淡熟タイプ
淡熟タイプは低温熟成しています。吟醸酒、大吟醸酒があります。日本酒独特の苦みが出ていて香りがとても良い日本酒です。味わい深い日本酒となります。
熟成による味わいの変化
日本酒は熟成させることで新酒とは異なる味に変化するものなので、どのように味が変化していくのかとても興味深いですよね。
新酒との大きな違いとして色と香りが異なると言われています。
熟成期間が長くなるほど香りは強くなりますので、日本酒初心者の場合や日本酒の強い香りが苦手という人は、熟成年数が浅いもののほうが飲みやすく感じられるかもしれません。
熟成年度が長いものは果物が熟しているような香りが強く出ています。
甘くて濃厚な香りなのですが好き嫌いは分かれるでしょう。
お酒の色は琥珀色に変化していきます。輝くような色合いはとても美しく飲む前に日本酒をしばらく眺めていたくなるのではないでしょうか。
温度の違いによる味わいの変化
古酒を味わう際には、温度も変化させると味に深みが出てきます。
日本酒の種類により冷酒で飲んだほうが美味しいのか、熱燗にしたほうが美味しいのか、常温でも美味しいのかは異なってきます。
また、どの温度で飲んでも美味しいという古酒もあり、そのような場合は自分好みの温度を探して飲んでみるのがおすすめです。
一般的には淡熟タイプは冷たく冷やして飲むと美味しい、濃熟タイプと中間タイプは常温で美味しいと言われています。
熱燗にすれば香りがより強く出ます。熱燗のおすすめ温度は40度くらいです。
ぬるめにするのがおすすめです。それぞれの古酒に合うお料理と一緒に楽しんでみてください。
お酒を飲むときに欠かせないのがおつまみです。美味しいおつまみと合わせれば、いつものお酒がより美味しく感じられるようになるでしょう。 ※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール お酒におつまみを合わせるコツ おつまみとお酒には相性があります。もちろん自分が好きな食べ物を選ぶ...
おすすめの古酒(長期熟成酒)
ここではおすすめの古酒をご紹介します。
達磨正宗 十年古酒
香港で開催されたTTSA(日本酒コンクール)で優勝した有名な古酒です。
数百種類もの清酒の中から見事1位を獲得しました。
10年以上熟成させていて甘い香りと余韻がしっかり楽しめる古酒です。
温度によって味が変わるのでその変化も楽しめます。
梅乃宿 平成三年度醸造古酒
純米酒や本醸造酒を常温(15~25゜C程度)で熟成させたものです。
香りはまろやかで濃厚なお酒になります。ブランデーのような不思議な味を楽しめ日本酒と梅酒と紹興酒を混ぜたようなお酒です。
まとめ
いかがでしたか。日本酒の古酒についてご紹介しました。
古酒の魅力、伝わったでしょうか。古酒は江戸時代から飲まれていたという歴史のある日本酒です。ぜひあなた好みの日本酒を見つけてくださいね。