日本のウイスキーはここ10年ほどで人気が非常に高まっています。日本産のウイスキーは「ジャパニーズウイスキー」と呼ばれ、世界5大ウイスキーの一つとして認識されています。実際に世界的なコンクールで日本のウイスキーが表彰されることも多く、お酒のプロからみても価値の高いものだと評価されていることがわかります。
また国内では近年のハイボールブームや、連続テレビ小説「マッサン」にてウイスキーとその周辺を取り巻く出来事がテーマに取り上げられたことで、国産ウイスキーが爆発的な人気を集めるようになりました。その一方で急激な人気による原酒不足も相次ぎ、なかなか手に入らない銘柄も増えてきています。

目次
国産ウイスキーはどれぐらい高騰しているのか?
国産ウイスキーはここ10年で非常に価値が上がっています。中でも「サントリー」や「ニッカウヰスキー」などの大手が作る高級ウイスキー、さらにその中でも熟成年度の高い“ヴィンテージもの”は特にその傾向が強いです。
たとえばサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎25年」は、元々の定価が12万5,000円だったのに対し80万円ほどの金額で取引されています。山崎25年が高騰化した理由としては、人気によって原酒不足となったためシリーズそのものが終売となってしまい希少価値が爆上がりしたためです。比較的簡単に手に入った10年前と比較すると、およそ6〜7倍もの金額で取引されていることがわかります。
他にも終売となってしまったウイスキーはたくさんあります。終売となったウイスキーはどれも大きく値段が上がっていて、たとえばサントリーのブレンデッドウイスキー「響30年」は定価12万5,000円に対しおよそ50万円ほど、白州25年も同程度の金額で取引されていることがわかっています。ニッカウヰスキーの余市20年は発売当初は2万円ほどで売られていたものの、終売となった今では約10倍の20万円以上の価格で取引されています。
ウイスキー投資でオークションの落札額もすごい
国産ウイスキーの中でもハイクラスのものは、買取市場だけでなくオークションでの落札額も高まっています。たとえば「イチローズモルト」の限定品であるカードシリーズの54本セットは、2019年に開催された香港のオークションにておよそ9750万円という超高価格で落札されています。
香港「イチローズモルト」54本セット9750万円で落札
日本産ウイスキー54本 “過去最高額”1億円で落札 https://t.co/cPsglgkD1f
はて🤔
アジアの女性収集家😆— hito (@ADK_D_hito1128) August 18, 2019
このシリーズはもともと10年間かけて徐々に販売された限定品で、定価は1本8,000円~13,000円程度のものでした。それが今では1本あたり180万円ほどの金額まで跳ね上がっていることから、ジャパニーズウイスキーの人気の高さが伺えます。
香港「山崎50年」1本3250万円で落札
同様に「山崎50年」もオークションにて一本3250万円という超高額の値がつけられています。
香港のオークションで山崎50年が3250万で落札されたってまじ?笑
限定150本だったとはいえ当初は100万だったよな?
これ持ってる人絶対売る人増えるな‥‥
どんな金持ちだよ‥‥そもそも100万ですら買っても飲みたくない笑 pic.twitter.com/LMXbv8t0UJ— ふじもん (@773loveFujimon) January 31, 2018
このようなオークションに出されるのはいずれも数量限定で発売されたボトルであり、現在では手に入らないためプレミアがついていることがわかります。
値上がりしそうな国産ウイスキー9選
国産ウイスキーのすごいところは、ただ値段が上がったのではなく今もなお高騰し続けているという点です。そもそもウイスキーは製造するのに熟成期間を要するため、人気だからといって簡単に販売数を増やすことができるわけではありません。長期熟成が必要なヴィンテージものは特にその傾向が強く、今もなお販売停止または終売となったままのブランドが多いです。
したがって国産ウイスキーは2021年もさらに高騰化が加速することが予想されます。高騰化しそうな銘柄とその特徴を以下にまとめています。
山崎25年
※山崎25年Amazonの新品価格相場
2011年 | 105,000円 |
2012年 | 105,000円 |
2013年 | 148,000円 |
2014年 | 152,230円 |
2015年 | 360,000円 |
2016年 | 360,000円 |
2017年 | 468,000円 |
2018年 | 780,000円 |
2019年 | 799,900円 |
2020年 | 820,000円 |
2021年 | 799,900円 |
響30年
世界的なコンテストで多くの受賞経験がある有名ウイスキーでもあります。酒齢表記のない「響ジャパニーズハーモニー」のほか、表記のある「響12年」「響17年」「響21年」「響30年」などのシリーズがあります。
※響30年(ギフトBox入り)Amazonの新品価格相場
2011年 | 100,000円 |
2012年 | 118,000円 |
2013年 | 168,000円 |
2014年 | 172,800円 |
2015年 | 288,000円 |
2016年 | 360,582円 |
2017年 | 386,000円 |
2018年 | 650,000円 |
2019年 | 527,000円 |
2020年 | 527,000円 |
2021年 | 437,800円 |
白州25年
ノンエイジのほか「白州10年」「白州12年」「白州18年」「白州25年」などのボトルがありましたが、シリーズのほとんどが人気のため終売または休売となってしまっているのが現状です。
※白州25年Amazonの新品価格相場
2011年 | 100,000円 |
2012年 | 105,000円 |
2013年 | ※品切れ等により販売なし |
2014年 | 148,000円 |
2015年 | 219,043円 |
2016年 | 293,413円 |
2017年 | 318,000円 |
2018年 | 500,000円 |
2019年 | 460,000円 |
2020年 | 500,000円 |
2021年 | 488,880円 |
竹鶴12年
NHKドラマ「マッサン」の影響を受け人気が爆上がりした銘柄でもあり、現在ではノンエイジ品である「竹鶴ピュアモルト」以外は全て終売状態、入手困難な状況が続いています。
※竹鶴12年ピュアモルトAmazonの新品価格相場
2011年 | 2,265円 |
2012年 | 2,300円 |
2013年 | 2,298円 |
2014年 | 2,248円 |
2015年 | 10,000円 |
2016年 | 12,980円 |
2017年 | 15,480円 |
2018年 | 29,900円 |
2019年 | 22,800円 |
2020年 | 59,800円 |
2021年 | 36,800円 |
余市15年
かつては「余市10年」「余市12年」「余市15年」「余市20年」などさまざまなラインナップが揃っていたものの、現在では終売となり現行品はノンエイジのみとなっています。
※余市15年Amazonの新品価格相場
2011年 | 16,500円 |
2012年 | 16,500円 |
2013年 | 16,500円 |
2014年 | 16,500円 |
2015年 | 46,700円 |
2016年 | 50,652円 |
2017年 | 58,492円 |
2018年 | 78,796円 |
2019年 | 95,000円 |
2020年 | 106,000円 |
2021年 | ¥110,000円 |
宮城峡10年
かつては10年、12年、15年などの年代物が販売されていましたが、今は終売となりノンエイジのみが販売されています。
※宮城峡10年Amazonの新品価格相場
2011年 | 9,016円 |
2012年 | 9,687円 |
2013年 | 4,495円 |
2014年 | 5,400円 |
2015年 | 16,980円 |
2016年 | 17,172円 |
2017年 | 29,991円 |
2018年 | 57,196円 |
2019年 | 53,989円 |
2020年 | 54,989円 |
2021年 | 54,989円 |
イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ
イチローズモルトはシリーズによって色が変わるオシャレなラベルが特徴で、プレゼントや贈答品としても人気が高いです。海外の品評会での入賞経験も多く、品薄状態が続いています。
※イチローズモルト ミズナラウッドリザーブAmazonの新品価格相場
2018年 | 20,000円 |
2019年 | 17,500円 |
2020年 | 18,017円 |
2021年 | 13,200円 |
富士山麓樽熟50°
ベーシックモデルの「富士山麓樽熟50°」のほか、「富士山麓Sighnature Blend」や年代表記のある「富士山麓シングルモルト18年」などのシリーズがあります。
※富士山麓樽熟50°Amazonの新品価格相場
2016年 | 798円 |
2017年 | 4,980円 |
2018年 | 7,980円 |
2019年 | 9,980円 |
2020年 | 8,700円 |
2021年 | 7,880円 |
マツイピュアモルトウイスキー「倉吉18年」
世界的な品評会で受賞した経験や、さまざまなメディアに掲載されたこともあります。
上記で挙げたウイスキーのように終売となっているわけではないので現在は定価でも入手しやすいですが、人気上昇中のためこれから高騰化する可能性があります。
※マツイピュアモルトウイスキー「倉吉18年」Amazonの新品価格相場
2018年 | 12,960円 |
2019年 | 12,960円 |
2020年 | 12,283円 |
2021年 | 13,200円 |
ウイスキーが高騰して買取額もすごい
これまで紹介したとおり、日本産のウイスキーは価格が非常に高騰しています。しかしこれだけ高騰しても買いたがる根強いファンが多いので、今後も人気はしばらく衰えないでしょう。
販売価格が高騰している分、買取専門店での査定額も跳ね上がっています。特に終売となってしまった希少価値の高いシリーズや、年代物のラベルの商品、そして数量・期間限定で販売されていたものなどは、定価よりも高い価格で売れることがあります。

まとめと今後の予測
ウイスキーの高騰の主な原因は、原酒不足による終売です。そのため今人気があるからといって、すぐに再販されるわけではありません。したがって、しばらくの間は今のように値段が高騰する傾向が続くと予想できます。
ちなみにこれだけ急激に価格が跳ね上がっているウイスキーは、飲むために買うのではなく投資目的で購入する方もいます。世界からも買取の需要があるので、売りに出すにも絶好の機会だと言えるでしょう。