九州北部、玄界灘を臨み、南部には日本有数の内海である有明海を持つのが佐賀県です。
そんな佐賀県は、熊本県や長崎県、鹿児島県など九州各地を結ぶ交通の要衝としても発展してきました。そういった経緯もあり、魅力的な食文化が醸成されておつまみも多くのものが生み出されたのです。

※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
海鮮系
呼子イカの活き造り
玄界灘の新鮮なイカ!呼子いかの活きづくり
玄界灘はイカの産地として知られています。特に玄界灘に面した唐津市呼子は日本でも有数の知名度があるエリアです。
そんな呼子のイカを素早く活きづくりにしたものが呼子いかの活きづくり、新鮮な透明感のあるイカを食べるとその甘さやフレッシュさで今までのイカの刺身の概念が変わるのではないでしょうか。もちろんお酒との相性も抜群です。残った身は天ぷらにして、最後の最後まで楽しめるのも特徴と言えます。
松浦漬
佐賀の珍味!松浦漬け
佐賀の珍味、松浦漬をいただいた。
これは日本酒が飲みたくなるヤツやけど我慢である。 #ツイッター晩酌部 #とにかく呑み隊 京都支部 #とにかく呑もうよ倶楽部 pic.twitter.com/L3IaAw0n7r— ƝЄƦƠ@Ƒ800Ʀ (@F800rNero) January 24, 2019
漬け物を連想するこの松浦漬けですが、実は刻んだクジラの軟骨(うわあごのかぶら骨)の粕漬のことです。単に軟骨を漬けたのではなく、きちんと脂肪を抜くなどの下処理を行って酒粕のうまみがしみ込みやすいように処理を行っているのも特徴と言えます。
産地は先ほど紹介した呼子、この町は江戸時代に捕鯨の町としても栄え解体の際に残った軟骨を使って地元民が加工して食べたことが松浦漬けの発祥です。そんな歴史をイメージしながら、酒粕の利いた珍味で一杯飲むのはいかがでしょうか。
ムツゴロウの蒲焼
有明海の恵みを焼いていただく!ムツゴロウのかば焼き
【むつごろう蒲焼】佐賀県の郷土料理。有明海の珍味の代表格であるムツゴロウを蒲焼にしたもの。ユニークな外見とは裏腹に、淡白な白身に甘辛のタレがじっくり絡んで味は絶品。作り方… https://t.co/OAayb5CcCp pic.twitter.com/87yebhYBJM
— 日本めぐり (@knowlocal) April 28, 2020
日本有数の内海である有明海は広大な干潟を持つ海でもあります。そんな環境を縦横無尽に駆け回っている魚がハゼ科のムツゴロウです。
目が飛び出て独特な姿をしていますが、肉は柔らかく脂肪が多いことからうまみの多い魚と言えます。これを鰻のようにかば焼きにすれば、ムツゴロウのうまみが存分に楽しめるおつまみに変わること間違いありません。すぐに鮮度が落ちてしまうために他県では食べることが難しい料理ですから、佐賀に行ったら一度は試してみたい味覚です。
かけ和え
ハレの日にいただく魚介類と野菜の酢味噌和え!かけ和え
遅くなりましたが、今日のお通しは佐賀名物『かけ和え』です😋青魚のEPAを取りましょう🐟 pic.twitter.com/sfgokTCqOd
— 九州うまかもん屋【裏】さるく (@Kyushu_saruku) May 19, 2015
酢味噌あえと言うと多くのエリアでは野菜単独で食べられることが多いのですが、佐賀県ではアジ、サバといった青魚を刺身にしたり酢でしめたものを野菜と共にいただきます。
野菜と魚の組み合わせ、しかも酢味噌あえと言う料理は意外と珍しい料理です。佐賀県では昔から祭りや収穫をはじめとしたハレの日に作られることが多くめでたい料理です。そんな料理で乾杯するのも良いかも知れません。
お肉系
旨唐佐賀牛
お土産にも最適なオリジナル商品!旨唐佐賀牛
九州でも有数のプレミア牛が佐賀牛です。この佐賀牛を唐辛子や野菜ペーストを中心に様々な食品で調合した調味料で絡めてそぼろ状にした製品が旨唐佐賀牛です。
牛のそぼろとは異なる味わいでお酒も進みやすい食品になっており、アンテナショップフェスティバルで優勝したオリジナル商品でもあります。また、より肉の質感を高めたプレミアムも存在し、それもお酒にぴったりの味わいです。
伊万里牛ハンバーグ
佐賀牛に並ぶプレミアム牛のハンバーグ!伊万里牛ハンバーグ
佐賀県伊万里市で飼育された黒毛和牛、伊万里牛をつかったハンバーグです。一見佐賀牛の一部のように見なされがちですが、全く別のブランドとして売り出されています。端的に言えばJAの管轄が異なることが大きな違いであり、伊万里エリアの和牛は伊万里牛、それ以外は佐賀牛と呼ばれ、共にハイブランド牛として知られているのです。
そんな伊万里牛を贅沢にハンバーグにすれば、お酒が進むこと間違いなし、きっと一味違うハンバーグをお酒と一緒に楽しめるのではないでしょうか。
みつせ鶏どぶ漬から揚げ
とりトロが旨い唐揚げ!みつせ鶏 どぶ漬から揚げ
佐賀県は牛以外にもブランド鶏として赤鶏のみつせ鶏を売り出しています。そんなみつせ鶏の希少部位のとりトロを使って唐揚げにし、甘辛い絶妙なたれにくぐらせたのがみつせ鶏のどぶ漬から揚げです。
唐揚げだけでも十分お酒が進むのにたれで旨味が増した希少部位を使い、そしてその鶏は佐賀県のブランド鶏、これだけの条件がそろえばお酒が進まないわけがありません。
佐賀県の食の文化や郷土料理について
九州の北部、佐賀県は玄界灘と有明海と言う二つの海に囲まれ、古くから海産物を中心に食文化の発展を遂げてきました。そして、内陸部ではブランド牛の佐賀牛や伊万里牛などを育成し、みつせ鶏なども知られるようになり、それらを使った料理も生み出された県です。
そんな佐賀県は個性的な郷土料理も多く、特にクジラを使った料理や有明海のムツゴロウやワラスボなどのユニークな魚を使った料理も存在します。他の都道府県同様に佐賀県も独自の食文化が確立し、それに伴ってお酒に合うおつまみも多く見られるのです。もちろんこれら以外にも野菜や菓子と言ったものも食文化として存在します。
ここからは他の切り口として菓子や野菜を使ったおつまみを紹介しましょう。
お菓子や野菜
松露饅頭
つまみでも食べられる洋風饅頭・松露饅頭
松露饅頭(しょうろまんじゅう)は、あんこをカステラの生地で作った小さな饅頭です。松露とは高級キノコのことで、佐賀県唐津の名所、虹の松原に生えているキノコを言います。
その松露をイメージして作ったのがこのお菓子です。甘さも控えめでサッパリとしており、サイズもほどほどなことからおつまみにも適しています。
ゆでだご
伝統のお菓子もおつまみで!ゆでだご
佐賀の郷土料理「ゆでだご」のできあがり。 pic.twitter.com/ONBf1X9xeF
— 須藤 泰樹 (@trek2531) July 5, 2017
ゆでだごは、ゆで卵(たまご)や、ゆで蛸(だこ)と混同しそうな名前ですが、ゆでた生地にあんこを入れて平たく伸ばしたお菓子です。
佐賀県では古くから食べられているものであり、生地をゆでたものを使うのがユニ―クと言えます。ちなみに生地は小麦粉と白玉粉を混ぜたもの、もちもちとした感じがお酒のおつまみにも向いていますから、おやつ以外にも楽しめる郷土料理のお菓子です。
にいもじ
佐賀の地野菜を使ったスッキリおつまみ・にいもじ
佐賀の郷土料理 にいもじ
みずいも(和食屋さんではズイキと呼ぶ)を酢と砂糖で炊いた家庭料理、
サクサクした食感と甘酸っぱさが、夏の逸品という感じ。 pic.twitter.com/yFD51KQ8oB
— シナダタカシ@理を料る人 (@takashinada) August 22, 2019
にいもじはサトイモの酢のものです。厳密には佐賀の地野菜であるみずいもと言うサトイモの一種を使っているのが特徴です。
酢のものとして食べやすく拍子木状に切ってあるため、お酒のおつまみにもなります。地元では、「ずいき」とも呼ばれており、生のみずいものほか干したみずいもを戻して使う酢のものです。
ポイントは、しっかり冷やすことで元々サッパリした、にいもじが更に爽やかな味わいになり、お酒の酢のもの枠を独占するようなおいしさを体験できます。
佐賀では夏の風物詩として、家庭でも飲食店でもよく見られるおつまみです。
まとめ
佐賀県は海の幸や畜産物をはじめとして様々な料理が存在します。これらはいずれも魅力的なおつまみです。もちろんそれら以外にもお菓子や野菜など隠れたものもある県です。
おつまみではありませんが、小高く盛ったライスの上にローストビーフとたっぷりの野菜を盛り付たシシリアンライスやとろみのあるとんこつと生卵を落としたのが特徴の佐賀ラーメン、餅のような柔らかさを持ちながらプリンのような光沢と溶けるような滑らかな食感の呉豆腐(ごどうふ)など紹介しきれないほど多彩で独自の食文化もあるのです。
そんな佐賀県で一度食事やお酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。自分に合うおつまみにきっと会えるはずです。