2020年の春、サントリーのウイスキー「山崎55年」がオークションにて8500万円という超高額で落札されました。山崎55年はサントリーの長い歴史の中でも史上最高酒齢となるヴィンテージのウイスキーで、オリンピックを記念して造られたレアなボトルです。
このようにオークションでは、希少な国産ウイスキーが非常に高価格で落札されることがあります。そしてその価格は、年々上昇する傾向にあります。
どのようなオークションが開催されているのか?
国産ウイスキーが出品される世界的なオークションはいくつかあります。オークションではウイスキーだけを取り扱っているのではなく、レアな美術品など世界的に有名で価値の高いものが出品されます。どれも世界中から注目されるようなオークションであり、ここに出品されることそのものに大きな意味があります。ましてやオークションで高価格がついたときには、それがそのまま世界からの品物に対する評価だと言われることもあるほどです。
世界的に有名なオークションには、以下のようなものがあります。
サザビーズ (Sotheby’s)
Joining our live Spirits auction on 13 March in NYC is this unique bottle of @DusseCognac, bottled in celebration of Shawn “JAY-Z” Carter’s 50th birthday on 4 December 2019. Proceeds will benefit the @ShawnCarterSF, the charity launched by JAY-Z: https://t.co/1TATXWQK4c pic.twitter.com/EiLoVqFYz2
— Sotheby's (@Sothebys) February 25, 2021
ロンドンで創業され、ニューヨークに本部を設置するオークションカンパニーです。世界最古の国際競売会社で、今でもオークションを行なっています。特に美術品や骨董品の出品が多く、ピカソの「パイプを持つ少年」に1億400万ドル(約98億円)の価格がついたり、ムンクの「叫び」が1億1992万ドル(約96億円)で落札されたりしています。
国産ウイスキーではサントリーの山崎50年が約3250万円で落札されたりと、非常に高額で評価されていることがわかります。オークションでの評価は、お酒の味や質だけでなくその希少価値や芸術品としての要素も含めた上で行われます。特に日本の国産ウイスキー=ジャパニーズウイスキーは年々評価額が上がる一方で、サザビーズがオークション前に出す目安の値段よりも、実際には高く売れていることが多いです。
日本のウイスキーはここ10年ほどで人気が非常に高まっています。日本産のウイスキーは「ジャパニーズウイスキー」と呼ばれ、世界5大ウイスキーの一つとして認識されています。実際に世界的なコンクールで日本のウイスキーが表彰されることも多く、お酒のプロからみても価値の高いものだと評価されていることがわかります...
クリスティーズ (Christie’s)
#AuctionUpdate A new #WorldAuctionRecord for Sir Winston Churchill with 'Tower of the Koutoubia Mosque' (1943) selling for £8,285,000. This is the only painting created by Churchill during the Second World War: https://t.co/JCBvGaFShW pic.twitter.com/iZMumvmwp2
— Christie's (@ChristiesInc) March 1, 2021
世界中に支社を持つ有名なオークションで、美術品や骨董品をはじめ本・車・タバコ・お酒・不動産など様々なものを取り扱っています。日本では東京都千代田区にオフィスがあります。
ウイスキーでは世界的に有名なスコッチウイスキー「ザ・マッカラン」のシリーズに約1億7300万円の価格がついたりと、世界最高峰の値段で落札されています。
ボナムス (Bonhams)
A Japanese Whisky #Yamazaki-50 year old is included in our 'Fine & Rare #Wine & #Cognac & #Whisky' sale on Friday. https://t.co/rZIUiTlZPC… pic.twitter.com/KaHlOBCnab
— Bonhams (@bonhams1793) November 16, 2016
1793年に創業された老舗のオークションカンパニーで、ロンドンを中心に11箇所のオークションルームを持っています。またそのほか、ヨーロッパやアメリカの各地でオークションを実施しています。
山崎やイチローズモルトが出品されたことがあり、いずれも非常に高価格で落札されています。
落札される目的は?
オークションでのウイスキーの落札価格は、有名銘柄だと何千万円にものぼります。なぜお酒にここまでの価値がつくのでしょうか。
オークションでウイスキーが落札されるのには、様々な意味があります。お酒そのものの味や質ももちろん評価されていますが、ただ飲むためだけにウイスキーを落札している人はほぼいません。オークションで出品・落札されるウイスキーは、現在では手に入らないような非常にレアなボトルが多いです。
高額で落札された国産ウイスキー
高額で落札されたウイスキーにはどのようなものがあるのでしょうか。銘柄や落札額、ボトルの特徴を紹介していきます。
「山崎55年」1本8500万円で落札
サントリー山崎55年
8500万で落札😱
グラス🍷一杯いくらだろ⁉️ pic.twitter.com/OBzM0wlpTT— hikari ☆(晶)☆ (@hikari27489361) August 29, 2020
先ほども述べたとおり、サントリーがオリンピックを記念して造った山崎のシリーズです。1964年の東京オリンピック前後の原酒をブレンドし、本来なら行われる予定であった2020年の東京オリンピックに合わせて販売されました。2020年の2月より抽選形式で国内の消費者に限定100本で売られていて、その際の価格は税込330万円でした。
これが香港で開催されたボナムズオークションに出品され、なんと約8515万円という定価の25倍以上の価格で落札されています。この価格は今後の基準にもなると言われていて、山崎や国産ウイスキーに対する世界的な評価の高さが伺えます。
ここ10年ほどで「ジャパニーズウイスキー」と呼ばれる日本のウイスキーの価値が高まっているのをご存知でしょうか。もともとウイスキーはスコットランド産のものなどが有名ですが、ここ最近では日本のウイスキーも世界5大ウイスキーの一つに名を連ねるようになり、実際に世界的な鑑評会などでも高い評価を受けています。...
サントリーは国内のウイスキー市場でもっとも大手といわれています。そしてサントリーのなかでも特に高級なウイスキーとして人気を集めているのが「山崎」という銘柄のウイスキーです。 サントリーの山崎蒸溜所で造られるモルト原酒のみを使用したシングルモルトウイスキー山崎は、濃厚な甘みと深い味わいで非常に華やか...
「イチローズモルト」カードシリーズが9750万円で落札
イチローズモルト54本で1億とか頭おかしい
— KUMA🐻🐻 (@kumapu1110) August 17, 2019
1985年から2014年にかけて製造された「イチローズモルト」のカードシリーズで、54本揃ったセットが香港のボナムスオークションにて約9750万円もの価格で落札されました。このカードシリーズは1本1本それぞれが異なる樽で熟成されていて、ラベルもトランプのカードをモチーフとした1本1本が異なるデザインで造られています。現在では、世界で4セットしか残っていないといわれていて、その内の一つがオークションにかけられました。
落札したのはアジアの有名な女性コレクターで、収集目的で購入したと考えられています。イチローズモルトの1本1本のボトルの価値はもちろんですが、54本全て揃っているという点に評価が集まったと見られます。
イチローズモルトは、秩父にある蒸留所で造られるウイスキーです。世界中から注目を集めるジャパニーズウイスキーの銘柄で、常に完売状態となっている幻のウイスキーとも言われています。 そんなイチローズモルトはその希少価値の高さから、しばしば買取専門店の高額買取対象品に名前があがっています。もし自宅に飲まな...
「軽井沢1960年52年熟成」1本4690万円で落札
ジャパニーズウイスキーで最も高い値がついたのは山崎50年…という話はよく訊きますが、この記事が本当だとすると、軽井沢1960年が約4960万円で記録を更新してるみたいですね
「「軽井沢1960年 52年熟成」、パンデミックでも約4690万円の新記録……ロンドン・サザビーズ」https://t.co/MMaKuKZic0— aqua_vitae (@aquavit56500804) April 20, 2020
軽井沢は幻のウイスキーと言われています。かつて軽井沢蒸留所にて造られていた、国産のモルトウイスキーのパイオニア的な存在でしたが、現在では蒸留所そのものが閉鎖となってしまったため生産されていません。
軽井沢1960年はその中でも特にレアなシリーズで、今までに2回だけ販売されたボトルです。1回目は1993年に皇太子徳仁親王のご成婚を祝して販売され、2度目は2011年の蒸留所閉鎖後に販売されました。特にこの2度目に発売されたものは、熟成期間52年という高級品で41本のみの限定販売でした。
この「軽井沢1960年」の52年熟成ボトルのうちの1本が、2020年3月にロンドンで行われたサザビーズオークションにて約4690万円で落札されています。定価は200万円なので、およそ20倍以上の価値がついていることがわかります。
「軽井沢」という名前の国産ウイスキーをご存知でしょうか。このウイスキーは名前のとおり長野県軽井沢にあった蒸留所にて造られていたウイスキーで、日本のシングルモルトの先駆けとも言われている銘柄です。なお、すでに蒸留所は閉鎖しているため、現在では新しく造られていません。 なんとこの「軽井沢」がジャパニー...
高額で落札された世界のウイスキー
「マッカラン1926年」1本1億7300万円で落札
先日つぶやいた「マッカラン 1926 60年 マイケル・ディロン」のオークション。先月末に開催されていました。
落札額はなんと1億7360万円。
つい先日「マッカラン 1926 60年 ヴァレリオ・アダミ」が1億2135万円で落札されたばかりですが、余裕で超えてきましたね。 https://t.co/NYRCBHyvYB
— オーツカ (@BARREL365) December 3, 2018
オークションで高額落札されるのは、何もジャパニーズウイスキーだけではありません。ウイスキーの本場と言われるスコットランドの「スコッチウイスキー」なども、驚くような価格がついています。
マッカランの1926年は、2018年にクリスティーズが開催したオークションにて120万ポンド=約1億7300万円の価格で落札されています。このマッカランはイタリアの有名なアーティストであるヴァレリオ・アダミ氏がラベルをデザインしていて、その証明サインまでが入っています。ウイスキー単体としての価値だけでなく、芸術品のような評価を受けてここまでの価格になっています。
日本酒も高額で落札
「獺祭 最高を超える山田錦2019年優勝米」が1本84万円で落札
日本酒「獺祭」最高84万円で落札、香港のオークション出品でhttps://t.co/Z6eaatC5iR
香港のオークション「サザビーズ香港」に出品されていた、旭酒造の「獺祭」が最高6万2500香港ドル(約84万)で落札された。
— ニコニコニュース (@nico_nico_news) November 10, 2020
オークションにて高額で落札されるのは、実はウイスキーだけではありません。ワインやブランデーなど様々な有名酒がありますが、なんと日本酒もオークションで高額落札されています。
その一つが獺祭で、日本国内でも有名な日本酒の銘柄のひとつです。獺祭のうちの限定版である純米大吟醸酒「獺祭 最高を超える山田錦2019年優勝米」が、サザビーズが開催した2020年の香港オークションにて約84万円の価格で落札されています。
このシリーズは2019年の酒米コンテストの優勝米で限定製造された日本酒で、落札額は日本酒としては最高額です。優勝米であるという点や、製造数が23本しかないという希少価値の高さが評価されこの価格がついたと考えて良いでしょう。
よく磨いたお米と清らかな水が作り出す「獺祭」は、日本全国・老若男女問わずに愛されている日本酒です。あまりお酒に詳しくない方でも、「獺祭なら知っている」という人もいるほどです。 そんな獺祭には、様々なシリーズがあります。デイリーに親しめるものから、中には超高級と言われお祝いの席や贈答品に選ばれるもの...
値段が高騰してお酒買取業者の査定額もすごい
日本のウイスキーはここ10年ほどで人気が非常に高まっています。日本産のウイスキーは「ジャパニーズウイスキー」と呼ばれ、世界5大ウイスキーの一つとして認識されています。実際に世界的なコンクールで日本のウイスキーが表彰されることも多く、お酒のプロからみても価値の高いものだと評価されていることがわかります...
もちろん高価格で売れるのは、ここで挙げた銘柄だけではありません。「宮城峡」や「余市」、「竹鶴」などの国産ウイスキーや、そのほか有名なブランデー、ヴィンテージもののワインも高い値段で買い取ってもらえます。お酒の価値がわからない方は、お酒買取サイトの価格表や問い合わせを利用すれば大まかな値段を知ることができます。
蒸留酒の一つであるウイスキーは、世界各地で愛されている飲み物です。スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーをはじめ、日本のジャパニーズウイスキーも近年では世界トップレベルの人気を集めています。 もともと高級なイメージの強いウイスキーですが、特に近年ではブームも相まって高額買取の対象となることが非...
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
4.7 ★★★★☆ |
4.5 ★★★★☆ |
4.3 ★★★★☆ |
3.9 ★★★☆☆ |
3.7 ★★★☆☆ |
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まとめ
国産ウイスキーを中心に、オークションではさまざまなアルコールが高額で落札されています。その値段は特にここ10年で高騰化していて、中には投資目的で購入する人もいるほどです。
オークションは世界的なお酒の価値の指標になります。オークションで高額落札されているということは、その分市場価格や買取価格もアップします。
国産ウイスキーを中心に、ここ10年で価値の上がったボトルは多いです。もし家に眠っている貴重なお酒をお持ちの方がいれば、まさにラッキーと言えるでしょう。