サントリーは国内のウイスキー市場でもっとも大手といわれています。そしてサントリーのなかでも特に高級なウイスキーとして人気を集めているのが「山崎」という銘柄のウイスキーです。
サントリーの山崎蒸溜所で造られるモルト原酒のみを使用したシングルモルトウイスキー山崎は、濃厚な甘みと深い味わいで非常に華やかです。いわゆる高級ウイスキーの位置づけで、世界的なウイスキーのガイドブック「ウイスキー・バイブル」のなかで世界最高のウイスキーに選ばれたほどです。
※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール
目次
山崎蒸溜所の歴史。日本で最初のジャパニーズウイスキー
「山崎」を造っているのは、京都郊外にあるサントリーの山崎蒸溜所です。
この蒸溜所ができたのは1923年のことで、サントリーの創業者かつ初代マスターブレンダーである鳥井信治郎氏によって日本初のウイスキーづくりが行われました。
最初に造られていたのは「白札」と呼ばれるウイスキーでした。その後、大きな人気の誇る角瓶などのブランドが誕生し、サントリーのウイスキーは日本国内で大きな人気を集めることとなります。ただしこれらのウイスキーはどれも原酒をブレンドさせて造られる“ブレンデット・ウイスキー”で、いわゆる単一の蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーは、この時代にはまだ世界中でもコアな愛好家だけの飲み物でした。
そんなシングルモルトウイスキーを国内で初めて商品化したのが、1984年に誕生した「山崎12年」です。
2003年に「山崎12年」がISCの金賞を受賞。そこから世界的人気に
1980年代~1990年代にはあくまでも国内でのみ人気だったウイスキーが、2000年以降になり世界的にも注目を集めることとなります。その大きな理由となったのが、2003年に世界的に有名な酒類コンペティションであるインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)にて、山崎12年がジャパニーズウイスキー初の金賞を受賞したことが挙げられます。
それまではウイスキーというとスコットランドやアイルランド産のものが人気でしたが、2003年の受賞をきっかけに世界中でジャパニーズウイスキーに注目が集まるようになります。さらにはハイボールブームなども後押しとなり、ジャパニーズウイスキーは2010年ごろから爆発的に売れるようになりました。
終売による高騰化が続き、投資目的でのウイスキー購入も
爆発的に売れるようになったサントリーの「山崎」シリーズですが、じつはウイスキーは急激に売れるようになったからといって、いきなり生産数を増やすことが出来るわけではありません。なぜならウイスキーづくりには熟成などに時間がかかるため、仕込みから完成までに長い期間を必要とするためです。
そして急激に売れるようになってしまった山崎のウイスキーは、残念ながら原酒不足で終売が相次いでしまいます。
山崎10年は原酒不足ですでに終売
たとえば山崎10年は2013年にすでに終売となっていて、そのほか現行のボトルも生産数が限られていてほぼ出荷されていません。その分プレミアが付き市場価格が何倍にも膨れ上がるという結果となりました。
山崎55年はオークションで1本8500万円で落札
2020年の香港でのオークションで「山崎55年」は、1本8500万円もの価格がつきました。山崎55年はもともとの価格は330万円だったため、30倍近い価値が生まれていることがわかります。
そして2022年6月17日にも米ニューヨークで競売にかけられ60万ドル(約8100万円)で落札されました。
そしてこれだけウイスキーが高騰化したことにより、飲むためではなく「投資目的」や「コレクション目的」でウイスキーを購入する方も増えてきています。こうしたウイスキー市場の大きな変化が、山崎の価格上昇に大きな影響を与えています。ウイスキー山崎55年 8100万円落札#Yahooニュースhttps://t.co/zdAWOepIhO
ヤマザキさんが8100万ギルで落札。
— まっぴー (@oniquutan) June 18, 2022
お酒買取業者の買取価格も超高騰
下記の金額は販売価格ではなくなんとウイスキーの買取金額になります。国産ウイスキーが暴騰しておりお酒買取業者の買取金額もものすごいことになっています。


1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
4.7 ★★★★☆ |
4.5 ★★★★☆ |
4.3 ★★★★☆ |
3.9 ★★★☆☆ |
3.7 ★★★☆☆ |
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値上がりしそうな山崎ウイスキー7選
※価格予想は直感で予想しておりますので価格を保証するものではありません。投資目的などで損額がでたなどと言われても責任は負えませんのであくまでもご参考程度にご確認ください。
山崎 55年
山崎55年は300万が8500万かぁ
でも好きな人は飲んじゃうんだよね
昔山崎50年を飲んだのはひたすら自慢していこうhttps://t.co/6m0WgfjlWv— ジャッカル♪ (@jackallABEL) May 14, 2021
2020年に抽選方式で100本のみ販売された記念ボトルです。1964年の東京オリンピック前後に造られたという原酒をブレンドし、2020年東京オリンピックを記念し発売されたという希少な1本です。
通常販売されている商品ではないため価格推移は不明ですが、もともとの販売額が税込で330万円であったのに対し、2020年に香港で行われたオークションではなんと8500万円を超える値段がつけられています。
オークションでこれほどまでにジャパニーズウイスキーに高価格が付くことは初めてで、今後のオークションでの価格の基準となると言われています。
ミズナラ樽で長期熟成したその味わいは、ウッディーで今までにはない長い余韻が特徴だと言われています。一口でいいから飲んでみたい、超貴重な1本と言えるでしょう。

20万通以上の応募がありメーカーとしては転売目的ではなく本当のウイスキー愛好家に届けたいという思いから購入条件として「作文3テーマ各400文字提出」という条件まで付けられました。
※山崎55年オークションでの参考価格
元値 | 330万円 |
2020年(香港ボナムズオークション) | 約8515万円 |
山崎25年
山崎25年は現行品のなかでもっともヴィンテージかつ高級なボトルです。年間生産数が1200本と限られていて、通常で手に入れるのは非常に困難です。もともとの販売額は125,000円ですが、通販などで購入しようとすると数十万円にのぼることもあります。
※山崎25年Amazonの価格相場推移
2011年 | 105,000円 |
2012年 | 105,000円 |
2013年 | 148,000円 |
2014年 | 152,230円 |
2015年 | 360,000円 |
2016年 | 360,000円 |
2017年 | 468,000円 |
2018年 | 780,000円 |
2019年 | 799,900円 |
2020年 | 820,000円 |
2021年 | 1,470,000円 |
2022年 | 1,800,000円 |
2023年末予想 | 2,000,000円 |
山崎18年
特別なシーンや記念品として贈られることも多く、年々人気が高まっているため今後も高騰することが予想されます。自宅に眠っている方はラッキーと言えるでしょう。
※山崎18年Amazonの価格相場推移
2011年 | 19,000円 |
2012年 | 18,580円 |
2013年 | 18,170円 |
2014年 | 19,440円 |
2015年 | 39,000円 |
2016年 | 48,960円 |
2017年 | 60,000円 |
2018年 | 97,800円 |
2019年 | 75,500円 |
2020年 | 90,000円 |
2021年 | 127,800円 |
2022年 | 121,000円 |
2023年末予想 | 150,000円 |
山崎リミテッドエディション2015
発売年度によってラベルの外観も異なり、コレクター人気の高いボトルとなっています。2015年版のものには山崎蒸溜所のポットスチルが描かれています。
発売年度が定められた限定品であるため、時がたつほど希少価値が高まり高騰化していくことが予想されます。
※山崎リミテッドエディション2015年Amazonの価格相場推移
2015年 | 16,580円 |
2016年 | 17,100円 |
2017年 | 26,000円 |
2018年 | 74,800円 |
2019年 | 65,000円 |
2020年 | 78,800円 |
2021年 | 258,000円 |
2022年末 | 246,000円 |
2023年末予想 | 275,000円 |
山崎10年
熟成年数でいうと山崎12年よりも若いものになりますが、山崎10年は2013年3月末にすでに出荷停止となっていて、その分希少価値が高まり現在では山崎12年よりも高い値段で売られていることが多いです。
コレクターやファン人気も高いため、買取専門店では高額で買い取ってもらえる可能性が非常に高いです。
※山崎10年Amazonの価格相場推移
2017年 | 19,700円 |
2018年 | 28,800円 |
2019年 | 34,500円 |
2020年 | 49,800円 |
2021年 | 75,000円 |
2022年 | 90,000円 |
2023年末予想 | 100,000円 |
山崎12年
シングルモルトでしっかりとした個性がありながらも、バランスに優れており飲みやすいのが特徴です。繊細で複雑、味に深みがあり、国内はもちろん海外からの評価も高いボトルになります。
※山崎12年Amazonの価格相場推移
2011年 | 5,980円 |
2012年 | 6,239円 |
2013年 | 6,180円 |
2014年 | 9,500円 |
2015年 | 14,800円 |
2016年 | 12,500円 |
2017年 | 18,000円 |
2018年 | 27,000円 |
2019年 | 18,500円 |
2020年 | 24,000円 |
2021年 | 26,960円 |
2022年 | 27,500円 |
2023年末予想 | 30,000円 |
シングルモルトウイスキー山崎(ノンエイジ)
「熟成年数が味わいの全てを決めるものではない」という考えの元完成されたこのシリーズは、使用する原酒の自由度が高まる分ヴィンテージのボトルとはまた違った味わいを楽しむことができます。
近年のジャパニーズウイスキー人気で高騰化が進んでいて、定価の何倍もの価格で取り引きされています。
※シングルモルトウイスキー山崎Amazonの価格相場推移
2013年 | 2,980円 |
2014年 | 3,250円 |
2015年 | 4,000円 |
2016年 | 7,400円 |
2017年 | 8,089円 |
2018年 | 10,499円 |
2019年 | 8,500円 |
2020年 | 9,700円 |
2021年 | 11,000円 |
2022年 | 13,200円 |
2023年末予想 | 14,500円 |
高騰化した「山崎」は買取専門店での需要も高い
ここまで山崎の値段がいかに跳ね上がっているかを解説してきましたがいかがでしたか。あまりの価格の上がり具合に驚いたという方も多いのではないでしょうか。
ジャパニーズウイスキーがここまで価格上昇したのは、ほんの5~6年のことです。長年ウイスキーに親しみがある方にとっては、驚くべき事態とも言えるでしょう。
もしかしたらウイスキーが好きな方のなかには、自宅に山崎のボトルを大切にとっておいた方もいるかもしれません。そのほかギフトなどでもらったけれど、飲まずに保管していたという方もいるのではないでしょうか。
まとめ
2015年ごろより急激な値上がりを見せたジャパニーズウイスキー、サントリーの「山崎」はその代表格でもあります。国産ウイスキーの人気は継続中なので、これからさらに値段が高まることが予想されます。
買取に出すのであれば今がチャンスです。今後も価格変化していく可能性が高いので、ウイスキー市場の動向をチェックしてみてください。