鳴門海峡に阿波踊り、爽やかな風味が魅力のカボスが有名な徳島。そんな徳島にも当然お酒を楽しむための酒器が数多くあります。
香川県と並んで比較的面積の狭いエリアではあるものの、その充実度は目を見張ります。
※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
目次
大谷焼 陶器 ジョッキ
徳島の陶器の酒器・大谷焼 陶器 ジョッキ
徳島の北東にある大麻町地区で焼かれている陶器が大谷焼です。作られ始めたのは今から240年前、豊後(現・大分県)の焼き物、細工師だった納田文右衛門が同地で焼き物を披露し、地元の庄屋であった森是助が窯を作ったのが始まりといわれています。
製法の特徴は寝ろくろといわれる寝転んで、ろくろを足で蹴りながら廻します。これによって巨大な陶器を製作することを可能としました。さらに徳島名産の藍染めに必要な巨大なかめもこの大谷焼によって作られており、徳島の工芸品の根管を構成する陶器です。
一時期生活スタイルの変化によって衰退した時期もありましたが、近年は小物やこのビールジョッキのような酒器の制作をするなど新しい試みを行っています。もともと藍染めのような大量の液体を入れても耐えられる強靭さを持った大谷焼の技術。ビールジョッキのような頻繁に利用をする酒器として最適です。
藍染めコースター
藍染め発祥の地が贈る藍染コースター
徳島は日本の藍(あい)染めの発祥の地です。元々朝鮮半島からわたってきた技術を日本風の技術に成長させていったのがこの徳島と言われています。
藍は元々タデ藍を使用して天然の染料として利用したもので、日本でアレンジされた深い藍色は、ジャパニーズブルーという異名を持っています。特に徳島の藍色の染料「すくも」は、江戸時代から全国でも有数の品質を誇り、同エリアで盛んに生産されてきました。そのことから「阿波藍」と言われ全国各地で盛んに利用されてきた歴史を持ちます。
この藍染は、単に染めて終わりというわけではなく、深い藍色を出すために何度も染める、絞る、乾燥させるといった工程を繰り返すのが特徴です。阿波藍の中でも特に美しい発色の阿波正藍染は、実に30回もの洗う工程が加わっています。
そんな歴史を持ち、非常に手間がかかる藍染の繊維をコースターにしたものがこの藍染コースターです。お酒の入ったグラスの下に敷けば、透明なお酒とマッチして大変美しい藍色を楽しむことができます。日本の文化を感じることができる魅力的なコースターといえるでしょう。
舞工房 杉コップ
徳島の木工職人が手掛ける!舞工房 杉コップ
徳島は県内に多くの森林があり、その森林から伐採される木材で様々な木器が作られています。この木器で徳島の有名な職人集団の1つとして数えられるのが、この舞工房(まいこうぼう)です。木工職人自ら商品開発に乗り出し、技術の高さを示そう、そんな想いを胸に立ち上げた木材加工のスペシャリストの方々でもあります。
木材の加工に携わる彫刻、家具製造、ろくろ加工、そして塗装に携わっているスペシャリストたちは、あらゆるものを木材で作り出しています。
この杉コップは、舞工房の技術を生かした酒器です。単に杉の木材をコップに加工したのではなく、シンプルでありながら飽きの来ないデザインや塗装、そして使いやすさを意識して加工してあるのが魅力です。
杉の質感や、滑らかな飲み口はお酒をよりスムーズに口の中に運び込み、のど越しの良いビールやハイボールといったお酒はもちろんのこと、焼酎、日本酒といったお酒の良さを、より引き出してくれるはずです。
カミカツビール ペールエールとグラスセット
妻がふるさと納税で頼んでくれた
徳島県上勝町のカミカツビール🍻まずは『モーニングサマー』をいただきました🙇♂️
グラスは以前に徳島の友達からもらった専用グラスです👍
爽やかな香りと奥深い苦味が同居した
いかにもトロピカルな一品👏👏 pic.twitter.com/8WLQiCUgj9— 長門のいろは (@NAGATOnoWA) October 5, 2022
徳島の地ビールとオリジナルグラス・カミカツビール ペールエールとグラスセット
徳島県の中部、県内のほぼ中央にある上勝町(かみかつちょう)、その町で生み出されている地ビールがあります。それがカミカツビールです。
第三セクター企業「いろどり」の「葉っぱビジネス」、樫原の棚田、山びこポイントなど元々起業精神の高い徳島(自営業や会社経営者の人口比率日本トップクラス)にあって特に起業精神の強い町で立ち上げられたプロジェクトでもあります。もともと廃棄されることが多かった同町のゆずの皮、この皮をフレーバーにして作られたクラフトビールという特徴があります。さらにクラフトビールを作る過程でできた麦芽粕は、お菓子やグラノーラなどに再利用するという徹底した廃棄物ゼロを目指したビール造りでも知られています。
そんな上勝町のビールのオリジナルグラスがこの酒器になります。単にロゴがあしらってあるのではなく、カミカツのビール造りの精神「ZEROWASTE」(ゼロ・ウェイスト、無駄・ごみ・浪費 をなくす)や「ORGANIC LIFE」を大きく書いてあるだけでなく、上勝町をそのまま英語に当てた「RIZE&WIN」の文字もあしらってあるのが特徴です。メッセージ性があり、他のアルコールを注いでもクールな印象を与えるグラスといえます。RIZE&WINのグラスで、気分を上げていきましょう。
SHIZQ 鶴 ロックグラス
気がつけばクリスマスまで1ヶ月。
プレゼントに悩むこの時期に、
SHIZQで人気の鶴ロックグラスが入荷しました!杉の保温性を活かした厚めの仕上がり。
たっぷり氷を入れて楽しむお酒のシーンから、
ホッと一息つくコーヒータイムにも◎ギフトにも、今年1年がんばった自分へのご褒美にもどうぞ♪ pic.twitter.com/wxvIQPp5va
— SHIZQ 神山しずく (@SHIZQ1) November 26, 2020
水源守るプロジェクトから生まれた・SHIZQ 鶴 ロックグラス
全国各地で水源の保全運動が叫ばれています。四国の水がめとしての顔を持つ徳島も例外ではありません。そんな徳島の水源を守るプロジェクトとして立ち上げられたのが、SHIZQ 神山しずくというプロジェクトです。
このプロジェクトは、植林といった活動とは、やや趣が異なり、杉材の適切な伐採を主な活動にしています。伐採というと保全につながらないのでは、そう思う方も多いかもしれません。しかし、杉の人工林は山の地表に当たる日光を遮り、地面に生える草木の育成を妨げているのです。そのため、杉を残しつつ適切に伐採し、日光を地表に届ける活動を行い、それによって自然な植生を生み出し、水源の保全につなげていくというコンセプトの活動を行っています。
そんなプロジェクトで伐採された木材を丁寧に加工を行い、様々な製品が生み出されています。その一つがこのロックグラスです。杉材の木目を十分に生かして、それをロックグラスに加工しています。表面の処理も最小限に行っているので杉らしさを十分に感じられるのが魅力といえるロックグラスです。
神山しずくプロジェクト: SHIZQ
藍染杉コースター・藍切子 高台セット
徳島の色を生かした藍染杉コースター・藍切子 高台セット
徳島の藍染めは、先ほども紹介したように同地を代表するカラーです。この技術は決して繊維製品だけでなく、同じく徳島で多く生み出される杉材も染め上げることができます。
そんな技術を利用して杉材に藍染めを施し、コースターとして仕上げたのがこの酒器になります。加えて徳島をイメージする藍色をベースにした切子のガラス酒器をセットにして徳島らしさを表現した酒器を構成しています。この一セットだけでも十分徳島を満喫できるのではないでしょうか。加えてこのグラスに焼酎を入れてかぼすを絞れば徳島を満喫できるでしょう。
大谷焼 元山窯 酒器 ぐい呑
大谷焼は徳島を代表する陶器です。この陶器は、生活用品が多く生み出されており、酒器においても焼き物の酒器を代表するぐい呑みが生産されています。
このぐい呑みでも特にインターネットなどで目にするのが元山窯のものになります。会社組織として、実用性の高い大谷焼を多数製造してるだけでなく、その質感も既製品らしさを感じさせないほどに仕上げています。
気軽に使える大谷焼のぐい呑みで晩酌を楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。きっと毎日の食生活に彩を与えてくれるはずです。
繭窯 フリーカップ
陶芸体験もできる窯元が手掛ける繭窯 フリーカップ
徳島県の北東、徳島市の西に隣接する石井町、この街の小高い高台に窯を構えているのが繭窯(まゆがま)です。一般の人の敷居も低く定期的に陶芸教室も行われている同窯では現代的な感覚で多くの焼き物が作られています。その中にはこのフリーカップのような酒器も多くあり、気軽に買い求めることもできるのが特徴です。
自分で作っても良し、徳島のモダンなプロの酒器を買うも良しのスポットです。
陶芸教室 繭窯
住所:徳島県名西郡石井町石井城ノ内1055
まとめ
藍、杉、大谷焼、この3つを中心に魅力的な酒器が数多くあるのが徳島です。
藍染は何度も繰り返して染めることでジャパニーズブルーとも言われる深い色合いを出し、酒器にもあらゆる場面で行かされています。杉は四国山地の東端にあり、古くから盛んに植林が行われてきた伝統を今も守り続け、山間部は林業も盛んです。その杉を生かした酒器も数多く見ることができ、徳島へ行けば木器の酒器というのもそこまで珍しいものではありません。
大谷焼は、滋賀の信楽焼の技術も取り入れながら、日常の使用にも十分活用できる堅牢な焼き物として現代も酒器に取り入れられています。もちろんそれらから派生した技術も多く酒器に活かされており、それが徳島の酒器の魅力になっているという側面もあります。
もし藍色の酒器を見かけたら徳島をイメージしてみてください。きっと出所を聞けば、その大半が徳島であるはずです。