秋田県の酒器9選。楢岡焼などお酒にあうグラス・骨董品の紹介

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酒器

秋田といえば秋田美人をイメージする方も多いのではないでしょうか。少ない日照時間と適度な湿度から、美人が多く出るとも言われています。そんな秋田は食べ物や水も素晴らしい味わいで有名です。お米も水もおいしければ、当然美味しいお酒があるのも事実。美味しいお酒にはそれを注ぐ酒器もあります。

おつまみライターランニングフリージー
ランニングフリージー
今回は秋田の酒器をテーマに数多くの酒器をご紹介していきます。豊かな自然によって生み出された工芸品から作られる酒器の数々を是非ご覧ください。

※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール

川連蒔絵のグラス

ガラスに描かれた美しい蒔絵
秋田県南部に位置する湯沢市の川連地区で古くから伝わる技術が川連蒔絵です。川連地区は奥羽山脈の豊かな自然によって林業が盛んな地域でもあり、蒔絵は様々な木工技術から生まれた技術でもあります。原型となる技術は鎌倉時代にまで遡るとされており、主に木器に描かれてきました。
そんな蒔絵の技術を生かして木ではなくガラスに描いたのがこの酒器です。グラスの底面にシンプルながらも温かみのあるデザインを描き、お酒を覗き込むたびにほっこりとした気分にさせてくれます。お酒を注いで眺めながら、癒されてみるのも良いかもしれません。
 

川連漆器のぐい呑み


伝統の漆器技術を生かしたぐい呑み
川連漆器は、川連蒔絵につながりの深い漆器です。
鎌倉時代にこの地を納めていた小野寺氏が奥羽山脈でえられる豊富な木材と漆を利用した家臣の内職にしたのが始まりといわれています。もともと武具に漆を塗ることを主とした技術でしたが、徐々に漆器づくりが行われていきました。江戸時代には全国に出荷されるようになり、藩の保護のもと発展を遂げてきました。
特徴としては下地を丈夫にするために炭粉を使うことが挙げられ、この点が強度を出して実用性を高くしています。
使い勝手がよく、丈夫なので漆器でも陶磁器のように普段使いに適した酒器に仕上がっているといえるでしょう。毎晩のお供に使ってみるのもおすすめです。

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楢岡焼の酒器

なまこ釉が印象的な酒器
秋田県の南東部に位置する大仙市では楢岡焼と呼ばれる焼き物が焼かれています。江戸時代に福島の相馬焼の陶工がもたらしたとされています。
謎の多い焼き物で、その発祥は諸説ありますが、少なくとも100年以上の歴史を持つ陶器です。当初はオリーブ色の茶器などを製造していました。しかし、徐々に日用品の製造にシフトするようになり、明治期には現在の特徴であるなまこ釉と呼ばれる作風になりました。
このなまこ釉は、独特の群青色の鮮やかな色合いが特徴で、海にいるなまこのような質感からこの名がついています。
楢岡焼は、酒器の製造も盛んで徳利、ぐい呑みはもちろん、ビールなどを注ぐタンブラーも作られています。魅力的な群青色の酒器でお酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

おおだて陶芸工房の青磁酒器

秋田の新しい陶磁器の流れ
秋田には伝統的な陶器がたくさんあります。しかし、そんな中でも秋田に新しい流れをもたらす動きも見られるのも事実です今回紹介するおおだて陶芸工房鳳凰窯もその一つです。
おおだて陶芸工房 鳳凰窯
主宰している陶芸家の紀史氏は、紀州徳川家の御用窯の流れを汲む五代目阪上瑞雲氏に師事し、秋田の大館で2014年に工房を開窯しました。
中国に源流を持つ青磁を中心に作陶を行い、秋田を中心に評判を得ています。
この酒器は、紀史氏が手掛ける片口とぐい呑みです。青磁の青で竹の青をイメージした酒器は、面白みがあり、お酒の場をより楽しませてくれます。
 

阿仁焼のおちょこ

水がめのような風合いの酒器
秋田の北部にある北秋田市の阿仁地区で焼かれている陶器です。
そのルーツは意外にも江戸時代の発明家として知られる平賀源内。江戸時代に老中田沼意次の命によって秋田にあった銅山、阿仁銅山の増産のために派遣されたのが始まりとされています。
銅山の地質調査を行っていた源内は、調査中に良質の陶土を発見し、秋田へ陶器の指導のために派遣されていた陶工に焼かせたことがきっかけです。
水がめなど強度を要求される陶器に向いた特徴を持ち、全体的に黒っぽく、白や青の釉薬の模様が入っています。
このおちょこは、典型的な阿仁焼とは少し異なった趣を持ち、水がめをミニチュア化したようなユニークさもあります。秋田の民芸の雰囲気を感じながらお酒を頂いてみてはいかがでしょうか。

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秋田杉樽桶工法のカップ


秋田杉を使った伝統工芸が光る酒器
秋田は奥羽山脈の自然によって林業も盛んです。特に秋田杉はブランド木材として全国的にも知られています。この秋田杉は建材だけでなく多くの工芸品の素材にもなっているのが特徴で、樽桶のような工芸品にも用いられています。
このカップは秋田杉の木目の美しさを表現するため、最低限の透明塗装のみで仕上げてあります。
さらに杉の白太(幹の外側の部分)と赤身(中心部分)を組み合わせて紅白を表現しているのが特徴です。
加えて竹を下部に取り付けることでお酒を注いだ時の持ちやすさなど実用性も意識しています。秋田杉の風合いを存分に感じながらお酒を楽しんでみましょう。

 

秋田杉のくりぬきカップ


秋田杉の香りも楽しめるカップ
秋田杉をそのままくりぬいてカップにした酒器です。
シンプルにくりぬいたデザインのカップは、飽きの来ない形であるとともに秋田杉の香りを存分に楽しめるのが特徴と言えます。

もともと質の高い杉材で有名な秋田杉の香りとお酒との相性は、素晴らしくお酒を楽しむフレーバーのような存在になってくれます。35ccのぐい呑みサイズなので、日本酒を注いでいただきましょう。

 

新屋ガラス工房のグラス

公立のガラス工房が生み出す酒器
新屋ガラス工房は、秋田の公立美術大学の関連施設として秋田市が運営する工房です。ここでは秋田の新しいモノづくりの拠点を目指して美術大学の学生やアーティストが活動できる場所や市民が工芸品に親しめる交流の場所として整備されています。
秋田市新屋ガラス工房
このような目的で設立された新屋ガラス工房は、若いガラス作家が秋田での独立を目指しています。紹介した酒器も将来の独立を目指して作られたグラスです。未来の有名作家をイメージしながら、若手作家のグラスを手に取ってみてはいかがでしょうか。
 

桜皮細工のぐい呑み


嫁入り道具にも用いられた工芸技術
秋田東部にある角館で作られている工芸品に桜皮細工、別名樺細工があります。
山桜の樹皮を用いて作られる伝統工芸品で、みちのくの小京都といわれる角館で江戸時代から作られています。一般的な桜とは異なり、山桜は花だけでなく葉も同時に芽吹くことから縁起の良い木とされています。そのような理由から桜皮細工は嫁入り道具として、様々な工芸品が作られてきました。
このようにハレの日を彩る工芸品をぐい呑みにしたのがこの酒器です。内部に樹脂のプレートを入れて耐久性を増しつつ、表面はサクラの樹皮が美しいぐい呑みに仕上がっています。

 

まとめ

秋田は様々な民芸品や伝統工芸品にあふれた場所であり酒どころです。そのため、今回紹介した酒器も陶器、磁器、ガラス器、そして漆器や樹皮の細工まで様々なものを挙げることができました。
もちろんこれらは一部であり、秋田県をくまなく探せば魅力的な酒器がまだまだ出てきます。もし秋田の酒器に興味があれば今回紹介した酒器はもちろん、自分でも探してみる価値は十分あるでしょう。きっと思いもよらない意外な酒器を見つけられるでしょう。

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