武田信玄に富士山、それにぶどうや地鶏。観光資源や農畜産業が盛んな県として知られているのが山梨県です。この山梨県には当然お酒に合うおつまみがたくさん知られています。
※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
お肉系
甲府鳥もつ煮
もったいないの精神が生んだ名品!甲府鳥もつ煮
甲府鳥もつ煮、ワイン🍷に合うのかな🤔 pic.twitter.com/kKawkYSntC
— 旅モンジャー (@akamonjar) August 9, 2020
甲府鳥もつ煮は、鳥のレバーや砂肝、ハツ(心臓)の他、生まれる前の卵であるキンカン(外見が柑桔のキンカンに似ている)を醤油ベースの甘ダレで煮込んだ料理です。もともと甲府市内のお蕎麦屋さん、「奥藤(おくとう)本店」というお店で肉屋から捨てる鳥の部位を利用できないか相談されたことから発明されました。当時昭和25年と、まだまだ物不足で生活が厳しかった山梨県において安くてうまいものをという目標を掲げ、苦労して誕生した料理です。その苦労が報われ、瞬く間に県内の飲食店に広がり山梨名物としての地位を築き上げました。そんな甲府鳥もつ煮でお酒を楽しめば、70年近く山梨で名物として君臨している理由が分かるはずです。ごはんにも合うので締めのおかずに食べてもいいかもしれません。
濃い味付けはご飯にも、当然お酒にも良い相棒として大活躍してくれます。ちなみに平成22(2010)年には「第5回 B-1グランプリin厚木」で優勝した逸品でもあるので、名実ともに山梨県内を代表する料理の一つと言えるのではないでしょうか。
甲州ワインビーフのステーキ
ワインの原料で育った高級牛の贅沢ステーキ!甲州ワインビーフのステーキ
山梨はブドウの生産量が日本一であり、当然ブドウを使ったワインの生産も盛んに行われています。このワインの製造中に発生するワインの絞った粕を飼料に混ぜて育成された牛が甲州ワインビーフなのです。これだけでもお酒との親和性が高いのですが、このワインの原料を使うことで肉質が柔らかくなり、ポリフェノールを含んだ健康的な牛肉になると言われています。そんな甲州ワインビーフをワインで贅沢に焼き上げてステーキにすれば、お酒がどんどん進む素晴らしいおつまみになります。食べやすくカットして、熱々のうちにお酒と楽しみましょう。
桜肉(馬肉)の煮込み
隠れた馬肉の産地!桜肉の煮込み
山梨湯村の名店菊水の桜肉の煮込み、柔らかフワフワの鶏の生姜焼き、最強出汁巻!!!!!!!! pic.twitter.com/gdBOFDXimN
— タマキング【日本のあんちゃん】 (@TAMAKING_STRONG) May 23, 2018
山梨の大名と言えば、武田信玄です。その武田信玄の強大な軍事力を支えたのが馬、時代は経っても山梨と馬との縁は切れることがなく、現在も熊本や福島、長野とともに馬肉文化が盛んです。そんな山梨県ならではの馬肉料理がこの桜肉の煮込みになります。馬肉をしょうゆベースのたれで煮込んで、しっかり味をしみ込ませるこの料理は一口食べればすぐにお酒を飲みたくなる料理です。
ちなみにこの桜肉の煮込み以外にも馬のもつ煮と言う料理もあります。刺身などをイメージする馬肉料理ですが、こういった料理もあるので試してみてはいかがでしょうか。
煮卵
山梨は一味違う!煮卵
煮卵と聞くとどこにでもあるありふれた料理というイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。しかし、山梨の煮卵は一味違います。山梨県富士吉田の隠れた名物として知られているおつまみなのです。特徴は深い味わいとあっさりとした風味、店舗によってはつぎ足し続けた、たれを使ってこだわりの味を醸し出しています。小中学校などの学校行事でもお弁当に必ず入っている料理でもあり、家庭にも浸透している料理でもあるのです。また、この煮卵の煮汁を使ってこんにゃくやイカなどを煮て食べることもあり、これらもお酒に合うおつまみとして最適と言えます。煮卵自体絶妙な半熟加減で、一つ食べるとまた一つ、箸を伸ばしたくなる不思議な魅力を持っている料理でもあります。
お野菜系
甲州小梅漬
カリカリした食感が楽しい!甲州小梅漬
梅というと和歌山などが有名ですが、山梨も小梅をつかった漬物が名物です。それが甲州小梅漬、山梨県は小梅の生産量日本一の産地という実績があり、当然それを生かしたお漬物を名物にしています。心地よい歯ごたえから「カリカリ漬」の別名もあり、お酒と一緒に楽しめばきっとどんどん杯数が増えていくのではないでしょうか。爽やかな風味とつまみやすい小型のサイズはお酒に合うおつまみとしての資質は十分です。
せいだのたまじ
甘みのあるたれがおつまみに最適!せいだのたまじ
業務スーパーで小イモをゲットしたので、今日のおかずは山梨のせいだのたまじ。
レシピググると失敗するのに感覚でテキトーに作るとおいしいんだよな…
ググるのやめよう… pic.twitter.com/WVBybxL7nW— けーな (@mm_vanilla_gt) June 8, 2020
せいだのたまじは、ジャガイモをみそと砂糖で煮て炒めた料理です。この暗号のような言葉をまず解説していくと、「せいだ」は武士の中井清太夫の名から、たまじとは小粒のジャガイモのことを言います。幕府が直接統治していた甲府には代官が置かれていました。その当時の代官、中井清太夫が全国で起こった大飢饉の対策として統治している山梨県内でジャガイモの栽培を奨励したのです。その政策が功を奏して山梨は飢饉を乗り切ることができました。その感謝としてジャガイモのことをセイダイモ(清太芋)と呼んだそうです。そして時が流れ、せいだをジャガイモというようになりました。このような逸話を思いつつ、みそと砂糖でとろみのついた小粒のジャガイモをお酒と飲むのもおいしさとともに、昔の苦労をしのばせてくれます。
大月おつけだんご
桃太郎伝説が生んだ料理!大月おつけだんご
登山終了。山梨の大月名物おつけだんご。うまかった。#山梨県#おつけだんご pic.twitter.com/seLPsF49Yb
— 石子 (@145ishiko) December 30, 2018
大月おつけだんごは、みそや醤油、塩などさまざな味付けのある汁に山梨県の旬の野菜をたっぷり入れ、小麦の団子を加えた野菜たっぷりのだんご汁です。具材が多く、汁というよりは具材でお酒をつまむというスタイルが適しています。そんな大月おつけだんごですが、桃太郎伝説にちなんだという説があります。桃太郎というと岡山ですが、山梨では古くから桃太郎の発祥の地という説があるのです。その証拠に大月市の近隣には桃倉山(現在の百蔵山)、犬目、鳥沢、猿橋、さらに「鬼の隠れ岩」(正式名:新宮洞窟)と言った地名が残っています。そんな意外なエピソードを話のネタにお酒と大月おつけだんごを楽しむのもいいのではないでしょうか。
山梨県の食の文化や郷土料理について
山梨県というとぶどうや太麺のにこみうどんである、かぼちゃのほうとうが有名です。しかし、山梨には今回紹介したように個性的な郷土料理やB級グルメ、さらにはブランドの農畜産物を使った料理が少なくありません。それらはお酒に合うおつまみとしても適しており、おいしいお酒を飲む為の素晴らしい相棒です。内陸の県という特徴の為、海鮮系のおつまみは非常に少ないのですが、今回詳しく触れないものの醤油などの煮汁で煮詰めた鮑の煮貝(あわびのにがい)などの加工品もおつまみとして合います。
そんな特徴をもつ山梨県のお酒にあうおつまみですが、次からは別のアプローチとしてお菓子などの甘味系のおつまみをまとめました。
その他・お菓子系
信玄餅
信玄公の名前を冠した山梨名物!信玄餅
山梨名物の代名詞になっている信玄餅ですが、お酒にも合います。求肥と餅米で作った餅に黒蜜やきな粉をまぶしてお酒の合間につまめばきっとお酒も楽しめるのではないでしょうか。もともと武田信玄が非常食として用いた砂糖をまぶした餅という諸説があり思いをはせながらお酒を頂いてみてはいかがでしょうか。
くろ玉
シンプルながら奥深い味!くろ玉
くろ玉は、あんこを玉状にしてようかんでコーティーングしたお菓子です。このシンプルな構造のお菓子ですが、甘みのバランスやキレイな球状にする為の技術など、他ではなかなか真似できないノウハウが生かされた和菓子でもあります。食べやすいサイズなので、お酒のおつまみにもなるお菓子です。さらに最近ではキャラメルをコーティーングしたキャラ玉も販売されていますから、これも洋酒などにあうおつまみです。
ソフト紅梅
洋菓子と梅のコラボ!ソフト紅梅
山梨県の地酒の特徴 山梨県といえば富士山が南側に位置し北側には南アルプスの山々が連なる地域で、果物の名産地として有名ですがワインだけでなく日本酒も人気です。 山梨県の地酒はワインとは違って米を原料にして作られ、ほうとうなどの料理とも合うように作られています。県内は山々に囲まれた盆地にあり海がなく...
まとめ
山梨県は、富士山や八ヶ岳、そして東西には南アルプスや奥秩父などを抱える内陸の県です。しかもその面積の8割が山という特殊な地形を持っています。そんな背景を持つ山梨県ですが、豊富な農畜産物を生かした魅力的なおつまみがたくさんあります。水もおいしいことから魅力的なワインやウィスキーなどの洋酒も有名です。そんな山梨のおつまみとこれらの洋酒でお酒を楽しむのもいいかもしれません。