長良川の清流に世界遺産の飛騨高山。海はありませんが、豊かな自然や伝統的な文化にあふれたエリアと言えるのが今回紹介する岐阜県です。
※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
この記事を読めば岐阜県にあるお酒に合うおつまみを知ることができます。それではお肉系のおつまみから紹介しましょう。
お肉系
けいちゃん
濃い味付けにお酒が進む!けいちゃん
けいちゃんは、岐阜県北部にある飛騨エリアで食べられている鶏肉の焼肉のような料理です。鶏肉をみそや塩、あるいは醤油で漬け込んでキャベツや玉ねぎなどの野菜と鉄板で焼いて食べます。
何となくジンギスカンに似ていますが、実はもともとジンギスカンの羊を鶏肉に置き換えて生まれたという経緯を持っています。飛騨エリアは北海道などのように羊の育成が試みられた時代がありました。そしてジンギスカンのような料理も生まれ、一時期食べられていたのです。しかし、次第に羊の育成は廃れてしまい、ジンギスカンのノウハウを生かした鶏料理に変化していきました。そうして生まれたのが、けいちゃんです。
ジンギスカンがお酒に合うように、けいちゃんも濃い味付けと香ばしいタレの焼ける匂いでお酒がどんどん進みます。フライパンで焼いて炒め物のようにして食べることもでき、気軽にジンギスカンのような雰囲気が楽しめる料理でもあるのです。
飛騨高山バーガー
飛騨牛を使用したパテがおいしい!飛騨高山バーガー
高山バーガーいただきます pic.twitter.com/L2f2thEOQW
— yuu🎎 (@i_cecream2012) March 21, 2016
岐阜県が誇る肉と言えば、飛騨牛です。ブランド牛の先駆けとして近隣の近江牛などとともにブランド化に成功しました。名前だけではなく繊細な霜降り肉の味わいは実力も十分。そんな飛騨牛をひき肉にしてパンにはさんで食べる料理が飛騨高山バーガーです。どのお店でも飛騨牛の濃厚な肉汁がジューシーなバーガーに仕上がっており、おつまみにしても相性が良い料理と言えます。ビールやチューハイなど炭酸の効いた爽やかなお酒と一緒に楽しめる気軽な飛騨牛料理です。手軽にブランド牛の飛騨牛を楽しみたい方は飛騨高山バーガーから試してみるのがおすすめと言えます。
飛騨牛朴(ほお)葉焼き
朴葉の香りと飛騨牛の旨味・飛騨牛の朴(ほお)葉焼き
先ほど紹介した飛騨牛を朴葉というホオノキの葉の上に乗せてみそなどで味付けした焼いた料理です。ホオノキは高さが30メートルを超えることもある大きな木の種類で葉の大きさもそれに比例し大きな葉をつけます。その上、ある程度の硬さもあり、お皿のように使うこともできる葉です。
そんな朴葉の上に飛騨牛を乗せ、みそなどで味付けし、炭火でゆっくり焼きながら食べます。これだけ聞きけばお酒に合わないと感じる方はほとんどいないのではないでしょうか。実際に焼いてみると、飛騨牛やみそが焼けて旨味を感じる音とともに朴葉の香ばしさも相まって五感で旨さを感じさせるのです。そんな旨味を感じながらお酒とともに飛騨牛を存分に楽しみましょう。
明宝のプレスハム
コンビニにも置いてある岐阜のソウルフード!明宝のプレスハム
岐阜で肉というと飛騨牛が先行しがちです。しかし、岐阜は牛以外にも豚の畜産にも力を入れており、明宝地方では特にそれが盛んです。その豚を100%使って圧縮しプレスハムにしたのが明宝のプレスハムになります。
旨味あふれるスパイスの香りが食欲をそそり、現地ではコンビニに並ぶほどなじみある食品です。さらにおつまみになるように細くスティック状にしたものも販売され、名実ともに岐阜の気軽なおつまみになっています。
お野菜系
朴葉味噌
朴葉の香る野菜のみそ焼き!朴葉味噌
飛騨牛の朴葉焼きを紹介しましたが、こちらは野菜をメインに据えたおつまみです。もともとこの朴葉焼きがオリジナルで、キノコや野菜などを食べやすく切って味噌をメインにして焼いた料理になります。
伝統に裏打ちされ、洗練された料理として完成した朴葉味噌は、おかずとしても最適な料理です。おかずになるということは当然お酒のおつまみとしても最適な料理と言えます。
そんな朴葉焼きをつまみながらお酒で流し込めばきっと岐阜のおつまみのすばらしさを実感できるのはないでしょうか。
漬物ステーキ
漬物を焼く?漬物ステーキ
漬物ステーキは、漬物を炒めて卵でとじた料理です。もともと岐阜では伝統的に漬物を焼いて食べることが食習慣として行われてきました。なぜなら内陸にあり、高い山々に囲まれた極寒の岐阜では漬物が凍ることは日常茶飯事でした。それを解凍するという意味から加熱が行われ、こういった他の地方では見られないユニークな食べ方がされてきたのです。
もともと同じく岐阜名物の赤カブの漬物で行われてきましたが、近年では白菜など一般的にイメージされる漬物がステーキの主流になってきています。
各務原(かかみがはら)キムチ
岐阜はキムチの名産地!各務原(かかみがはら)キムチ
我らが各務原キムチ❗️笑
岐阜のキムチといえばコレ♬
キムチと岩下の新生姜と大葉でさっぱりめのおつまみです^ ^
今日もお疲れさまでした💕 pic.twitter.com/xti97MjkDj— ひとみん🍶日本酒❤️岐阜 (@hitominsakenoma) June 3, 2020
岐阜の南部、美濃地方にある各務原(かかみがはら)はキムチが名物です。キムチが名物になったのは韓国の春川(チュンチョン)市との姉妹都市交流がきっかけで町を挙げてキムチづくりが行われるようになりました。
特徴は春川市のキムチの特徴を色濃く受け継いでいること、現地の名物であるニンジンと松の実を多めに入れており、他の地域にはない歯ごたえと風味のあるキムチに仕上げられています。
キムチ自体おつまみとしてよく用いられますから、当然各務原キムチもお酒によく合います。
岐阜県の食の文化や郷土料理について
岐阜県は内陸の県として発達してきた経緯から、食文化も海鮮によらない料理が特に進化しました。肉類は飛騨牛や豚が盛んに育成され、かつては羊も育成されるなど畜産も強い県です。
加えて寒く厳しい環境でも耐えられる野菜栽培も行われたり、凍った漬物を解凍するために漬物を焼く習慣があるなど調理方法も工夫されてきました。
このように他県には見られない特徴を持った食文化が醸成されてきた岐阜県は魅力的なおつまみも多くあります。ここまで紹介してきたおつまみからもそういった印象を受けたのではないでしょうか。そんな岐阜のお酒に合うおつまみ、今度は趣向を変えてお菓子を紹介していきます。お菓子もお酒に合うものが多く、そのうちのいくつかをまとめました。
その他・お菓子系
岐阜のからすみ
ボラの卵じゃない?岐阜のからすみ
お酒に合うおつまみと言えば、ボラの卵であるからすみを連想する方もいるはずです。しかし、岐阜ではからすみと言えばお菓子のからすみを言います。
このからすみは米粉や上白糖を練って黒砂糖やクルミを加えて蒸したお菓子です。岐阜ではからすみが獲れず、せめてお菓子で形だけでも似せて作ろう、そんな発想から生まれたお菓子でもあります。つまり、ボラのからすみとは無縁ではありません。そういった意味でもお酒にも無縁ではないのです。昔の人が必死で考えた知恵に思いをはせながらお酒を頂いてみてはいかがでしょうか。
豆板(まめ板)
岐阜では縁起物!豆板
豆板はピーナッツなどを砕き、水あめでつなげて板状にしたお菓子です。食感がよく、程よい甘さからお酒にもよく合います。
実は、この豆板、岐阜では縁起物です。岐阜の方言で健康な状態を意味する言葉に「まめ」という言葉があるからです。「まめでやりなよ(健康に生活してね)」という使われ方を古来から頻繁に使われてきました。そんな縁起物でお酒をどうぞ。
てっぽう焼
形が鉄砲?てっぽう焼
「てっぽう焼」という餅菓子をスーパーで買って食べました
岐阜県大垣市の「みつや」というお店の製品です
初めて食べました
美味しかったです😃
片面にうっすら焼き色がある柔らかめのお餅の中に粒餡が入っています
餡は少し甘めです
形は細長くて大きくなく、食べやすいです🙂
3個食べました(^^) pic.twitter.com/6DBT6mQjKC— たき (@suzuran_taki) December 25, 2018
てっぽう焼きは甘い餅を長細くして中にあんこが入ったお菓子です。
岐阜と言えば織田信長の拠点だった場所、さらに織田信長と言えば鉄砲、やや強引なつなげ方ですが岐阜と鉄砲は無縁とは言い切れません。そんな由縁があるかは定かではないのですが、岐阜にはてっぽう焼きがあります。食べやすく程よい甘さはお酒との相性もいいおつまみにもなります。
岐阜県の地域の特色 岐阜県といえば山に囲まれた場所にあり、山間部は標高が高くて寒冷地が多くて酒造りに向いている地域です。南部の平野部は揖斐川や長良川、木曽川などの川が流れ、酒米や酒造りに向いている伏流水などがあります。県内の酒蔵は幅広いエリアにあり山地になると気温が低く雪が積もりやすく、平地になれ...
まとめ
岐阜は山々の厳しい環境や様々な文化から多くの料理が生み出されてきました。今回その中でもお酒に合うおつまみをいくつかピックアップし魅力的なおつまみを紹介しました。新幹線で通り過ぎてしまう方もいるかもしれませんが、一度途中下車してお酒とともにこれらのおつまみを楽しんでみてはいかがでしょうか。