目次
高知県の地酒の歴史
高知県はとてもお酒好きの都道府県として知られています。高知県が現在も「酒好きの県」であることを示す指標としては、独自の酒文化が発達したことが挙げられます。高知県民の酒好きの歴史は古く、紀貫之の土佐日記には既に土佐人は無類の酒好きという記述があり、1000年を超えています。
安土桃山時代には、お酒好きの多さに辟易した大名、長宗我部元親が禁酒例を出したほどです。江戸時代には高知最古の蔵元が創業し、少なくとも高知県の地酒づくりは江戸時代から行われていたことがうかがえます。
江戸時代にはすでに地酒が高知県の特産品となっており、江戸にまで流通していたことを示しています。明治時代になっても高知県民の酒好き、および高知県の地酒造りは衰えを見せません。自由民権運動で有名な土佐の偉人植木枝盛においては、政府の無謀な酒税増税に抗議して酒税減額建白書を提出するまでになっています。その後、二度の世界大戦を経ても高知県の地酒造りはすたれることがなく、全国清酒品評会で高知県のいくつかの地酒が評価されるまでになっています。
平成においては、高知独自の酵母であるまろやかで華やかな高地酵母が誕生したり、土佐酒アドバイザー制度がスタートするなど、ますます高知県の地酒文化が発展してきています。2015年にはついに高知県の地酒が海外へと広まり、ヨーロッパでの普及活動が本格化しています。
現在においても高知県の地酒造りは衰えるところを知らず、全米日本酒鑑評会で土佐酒がゴールド受賞率全国1位の座を獲得しています。高知県の酒席文化は今でも発展し続けており、高知県民が酒好きというイメージを不動のものにしています。地酒においても、多くのバリエーションの新商品が開発されて、全国各地で普及し続けています。
高知県の有名な地酒の銘柄
米作りが盛んで水もおいしい高知県の地酒の種類は豊富であり、そのバリエーションも豊かです。これぞ日本酒というピリリと辛い「南」、四万十川の源流がもたらす「久礼」は甘みのあるあおりが特徴です。料理を盛り上げる「酔鯨」は食中酒としてかなり高い評価を集めており、高知県民ならず全国で有名な「土佐鶴」は高知県最大の蔵元でつくられています。
超辛口の日本酒として定評のある「船中八策」は、坂本龍馬の政策に由来しており、わかりやすい辛さと爽快な飲み味で支持されています。柔らかさも持ち、女性にも人気な「美丈夫」やその名の通り四万十の恵みを使った「四万十川」など高知県の地酒には数々のものがあり、飲み比べるのも楽しみがあります。
酔鯨
幕末の土佐藩主山内容堂に由来する純米酒
酒の名前は自らを鯨海酔侯と名乗った幕末の土佐藩主の山内容堂にちなみ、素材にこだわった本格的な酒造りを行っています。
仕込み水は仁淀川の良質な伏流水を使い、酒米は高品質の酒造好適米を選び伝統的な製法で本格的な味に仕上げているため人気が高いです。こってりした料理と合うため食中酒としても飲みやすく、程よい酸味と端麗辛口でスッキリとした感じになります。
柑橘系のフレッシュな香りとしっかりしたコクがあり、後味もキリッとしていることが特徴です。酒の味わいは米の旨味を引き出せるように工夫されているため、高知の地酒として定着しています。
酒の名前は幕末の土佐藩主にちなんでつけられた
仕込み水は仁淀川の伏流水を使いスッキリとした味わい
酒米は高品質の酒造好適米を使用
- 酒造
- 酔鯨酒造
- 酒蔵住所
- 高知県高知市長浜566-1
- 電話番号
- 088-841-4080
- 価格帯
- 640円~21600円
- ホームページ
- https://www.suigei-net.com/
高知県にある酔鯨酒造株式会社で造られている日本酒が酔鯨です。 dencross 酔鯨は、お米にこだわって造られている日本酒です。全国各地から酒米を取り寄せてそれぞれのお酒には同一品種のお米だけを使い、そのお米の旨味が十分に引き出されるように仕込みをしています。 商品ごとに使...
南 特別純米 出羽燦々
山田錦や雄町でなく出羽燦々を使った土佐の酒
近年は山田錦や雄町を使った高級日本酒や県固有の酒造好適米を使った酒蔵が多い傾向があります。酒造組合で好適米の共通ラベルを作って売り出している県もかなりあります。
しかしこの南 特別純米は出羽燦々を使っているのが特徴です。穏やかな香り、複雑で甘口の味わいを醸し出すことでご存知の方も多いと思います。
日本酒度的には辛口の部類に入るのですが、精米度を60%に抑えたことで辛味の後にくる甘味と酸味、苦味と雑味が絡みあうのを感じることができます。
複雑な味わいで思ったよりも辛くないと感じる方が多いはずです。300石の小さな酒蔵のこだわりを感じられる1本です。
山田錦でも雄町でも朝日でもなく出羽燦々
九州や四国の酒造好適米でもなく出羽燦々
馴染みの薄い米で作られた酒を嗜む酒悦の刻
- 酒造
- 南酒造有限会社
- 酒蔵住所
- 高知県安田町安田1875
- 電話番号
- 0887-38-6811
- 価格帯
- 1800ml 2872円
司牡丹
400年以上の歴史を持つ土佐の銘酒
司牡丹酒造は慶長8年の1603年に創業し、400年以上にわたって地元に定着しています。坂本龍馬も愛飲するなど地元を代表する銘柄としても知られ、端麗辛口でも余韻が続いてあとを引くことが特徴です。
仕込み水は仁淀川水系の軟水を使い、まろやかで芳醇な味わいがあるため飲み飽きしなくて鰹のたたきなどにも合います。使用する酒米は兵庫県産の山田錦を仕入れていましたが、蔵元がある佐川町で栽培をするようになりました。
SAKE COMPETITIONや全国新酒鑑評会などでも受賞し、 高知の地酒としても最高級の評価を受けています。
坂本龍馬も愛した最高級の評価を受けた地酒
酒米は山田錦を使用し産地にこだわっている
仕込み水は仁淀川系の軟水を使用
- 酒造
- 司牡丹酒造
- 酒蔵住所
- 高知県高岡郡佐川町甲1299
- 電話番号
- 0889-22-1211
- 価格帯
- 1028円~21600円
亀泉
キレのある喉ごしを楽しめる「亀泉」
「亀泉」は過去から受け継がれてきた大切な文化である日本酒を後世へ繋いでいかなくてはならないという理念を掲げる亀泉酒造が造るお酒です。
名前に「泉」の文字が付くお酒は全国的に多くあります。「泉」というのは、地中から水が湧き出す水源のこと。日本酒造りと水は切り離すことができない関係です。よいお酒を造るには、良質の水の確保が必要になります。全国的な酒処と呼ばれる地は、押しなべて良質の水が確保できるところにあります。多くの場合、良質の水は地下深くから湧き出る泉の水を用いました。そのため、「泉」の文字を銘に使用したお酒が多くなったと考えられます。高知県土佐市で醸造される「亀泉」も、「泉」の持つお酒のひとつです。
使用している酵母は高知県工業技術センターで開発されたものであり、吟の夢・風鳴子・土佐錦など積極的に地元高知県産の米が使用されています。
口に含むとさっぱりとした酸味があり、丁度良い甘みとキレのある喉ごしを味わうことができます。メロンなどを想起させるフルーティーな香りが特徴でもあるお酒です。
メロンなどを想起させるフルーティーな香り
酵母は高知県工業技術センター発の最新のものを使用
キレのある喉ごしが特徴。油っぽい料理にもおすすめ
- 酒造
- 亀泉酒造
- 酒蔵住所
- 高知県土佐市出間2123-1
- 電話番号
- 088-854-0811
- 価格帯
- 1400円~11000円
- ホームページ
- http://www.kameizumi.co.jp/
「亀泉(かめいずみ)」は高知県土佐市に蔵を構える亀泉酒造の醸す日本酒です。 酒蔵の歴史は古くてその始まりは120年以上も前、日本酒好きの有志11名が酒造りをしようと集まったことにありました。 dencross 1897年(明治30年)、11名の日本酒好き達が「自分たちのお酒...
久礼
地元に密着する少量生産の限定酒
蔵元は土佐のカツオの一本釣りとして知られる中土佐町久礼にあり、天明元年の1781年に創業して100年以上の歴史があります。仕込み水は四万十川源流の地下湧水を使い、酒米は酒造好適米の高知県産の吟の夢を使うなどこだわっています。
味わいは米本来のフルーティーな香りと奥深いコクがあり、少量生産の限定酒として注目度が高いです。精米歩合は50%でアルコール度数は16.6度と飲みやすく、酒の名前に蔵元がある地名を使っています。
中土佐町久礼はカツオなど魚料理が有名な場所で、辛口に仕上げているためおいしく飲みやすいです。
地元の地名を酒の名前にするなどこだわっている
少量生産の限定酒で素材にこだわって仕上げている
酒米は高知県産吟の夢を使い旨味を引き出している
- 酒造
- 西岡酒造店
- 酒蔵住所
- 高知県高岡郡中土佐町久礼6154
- 電話番号
- 0889-52-4526
- 価格帯
- 1240円~4311円
- ホームページ
- http://www.jyunpei.co.jp/
久礼(くれ)は高知で生まれた地酒の銘柄です。江戸時代から続く伝統ある酒造で作られた日本酒は、素材選びにもこだわっており地元の方はもちろん全国の日本酒好きの方に長年愛され続けています。 ここではそんな「久礼」が気になるという方に向けて、その歴史や味わいの特徴についてご紹介しています。美味しい日本酒を...
美丈夫
水にこだわり造られる「美丈夫」
濵川商店が造る「美丈夫」は今や土佐のメジャーブランドの一つ。原料となる米には「最高の米で最高の日本酒を造りたい」との思いで兵庫県産山田錦を使用し、水には奈半利川の良質な国内屈指の超軟水である伏流水を採用しています。
濵川商店は酒造りにおいて重要な微生物の活動も、使用する米がその個性を十分に発揮するのも銘水あってこそだと考えており美丈夫は使用する水にもこだわりを持って造られているのです。
原材料の7割である水に妥協することのないこだわりを持って造られる美丈夫は端正でありながらもやさしい感触のある酒質が特徴です。
使用する水にこだわり超軟水のものを採用
米にもこだわり兵庫県産山田錦を使用
端正でありながらもやさしい酒質が特徴
- 酒造
- 濵川商店
- 酒蔵住所
- 高知県安芸郡田野町2150
- 電話番号
- 0887-38-2004
- 価格帯
- 1000円~20000円
- ホームページ
- http://bijofu.jp/
美しく、強く、そして優しいをモットーに掲げた、「美丈夫」というお酒の銘柄があります。びじょうふと読み、高知県の土佐で生まれたいわゆる地酒の一つです。 高知県のおすすめ日本酒ランキングなどを見ると、必ずと言っていいほどこの銘柄が記されています。ここではそんな美丈夫という銘柄について、詳しく解説してい...
土佐しらぎく
氷温貯蔵で寝かせた白ワインのような日本酒
土佐しらぎくの氷温貯蔵 純米大吟醸です。春に搾った純米大吟醸を氷温で貯蔵して熟成させたもので、タンク1本分しか仕込んでいないのと貯蔵場所に限りがあるのでやはり本数限定の逸品になります。
山田錦を35%ではなく6割しか削らなかったことにも酒蔵のこだわりを感じることができます。
「土佐しらゆき」は、名前の通り高知県のお酒です。由来は初代の名前からだとか。初代仙頭菊太郎の菊の字より白菊と名付けたそうです。
高知県には、県の開発した酒米「吟の夢」のほか、「山田錦」、「八反錦」、「雄町」、「しずく媛」といった酒米を使用、それぞれの酒米の個性を生かしたお酒を仕込みラインナップしています。
仙頭酒造場の酒造りのコンセプトは「フレッシュ&ジューシー」。誰にでも飲みやすいお酒を目指しています。
吟醸香は山田錦特有の華やかな香りですが、飲んだ一口の口あたりのまろやかさが氷温熟成と5%精米に幅を聞かせた故でしょうか、その差異が他のプレミアム大吟醸との違いを産み出しているのでしょう。個人的には涼冷えで味わいたい純米大吟醸です。
環境
「土佐しらぎく」は高知県の仙頭(せんとう)酒造の醸す日本酒です。仙頭酒造があるのは高知県の南東部に位置する安芸郡芸西村で、高知市からは東へ30kmほど行った場所になります。この辺りは農業が盛んな土地で、高知龍馬空港からは車で20分ほどで着きます。
酒蔵から南へ7分ほど歩いたところにあるのが「土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線」の無人駅「和食駅」で、そのまま駅を抜けてまっすぐ進むと、目の前には太平洋が現れます。仙頭酒造は南は広大な太平洋に抱かれ、北には四国山地に囲まれた、そんな緑豊かな自然に恵まれた土地にあるのです。
アルコール度が若干低く精米度と合わせてスッキリ飲める1本
フルーティーな吟醸香が氷温貯蔵でさらに進化
タンク1本分しか取れない希少性
- 酒造
- 有限会社仙頭酒造場
- 酒蔵住所
- 高知県安芸郡芸西村和食甲1551
- 電話番号
- 0887-33-2611
- 価格帯
- 720ml ¥3,050 1800ml ¥6,000(共に税別)
創業は1903年(明治36年)で、既に110年以上の歴史がある酒蔵になります。日本酒以外にも、焼酎やリキュールの製造・販売も行っています。 その仙頭酒造で創業当時から造り続けているのが、「土佐しらぎく」になります。酒名の「しらぎく」は初代蔵元の名前にちなんで命名されています。 den...
土佐鶴
全国新酒鑑評会で最多の受賞歴を誇る純米酒
蔵元は室戸岬に近い高知県東部にあり、県内最大の規模を誇り清流の安田川がすぐ近くを流れています。仕込み水は蔵元にある井戸から汲み上げ、硬水でミネラルがバランス良く含まれていることが特徴です。
全国新酒鑑評会で43回と最多の受賞歴があり、土佐の銘酒として高い評価を受けています。酒米は山田錦を使い高知県産から兵庫県産まで目的に合わせて幅広く使用し、大吟醸で極限の30%まで磨くことで本格的な味わいに仕上げていることが特徴です。
酒造りは江戸時代の1773年に始まるなど歴史があり、淡麗で旨い辛口になるように仕上げています。
全国新酒鑑評会で最多の受賞歴を誇る
山田錦を精米歩合30%に磨いて本格的な味に仕上げている
仕込み水は硬水でミネラルがバランス良く含まれている
- 酒造
- 土佐鶴酒造
- 酒蔵住所
- 高知県安芸郡安田町安田1586
- 電話番号
- 0887-38-6511
- 価格帯
- 1030円~16998円
- ホームページ
- http://www.tosatsuru.co.jp/
船中八策
坂本龍馬の起草した新国家構想が由来の生酒
司牡丹酒造は400年以上の歴史を持ち、船中八策は坂本龍馬が明治維新の大綱として起草した新国家構想のことです。仕込み水は仁淀川系の湧水を使い、酒米は良質な山田錦などを原料に選んでいます。
酒の味わいは超辛口で切れ味抜群で、高知の豪快な料理と合うように仕上げていることが特徴です。船中八策と司牡丹は坂本龍馬にちなむお酒として注目され、高知の地酒として定番になりお土産としても選ばれています。
酒の特徴は生酒で辛口のため本格的な米や水などの旨さを味わえ、数々の賞を受賞した実績もあるため料理と一緒に飲むと格別です。
酒の名前は坂本龍馬の明治維新の新国家構想にちなむ
仁淀川水系の湧水と良質な山田錦で作った本格的な生酒
超辛口で切れ味抜群で土佐の料理に合う
- 酒造
- 司牡丹酒造
- 酒蔵住所
- 高知県高岡郡佐川町甲1299
- 電話番号
- 0889-22-1211
- 価格帯
- 1410円~
栗焼酎 ダバダ火振
ダンボーも飲んでるダバダ火振り
今や大人気で品薄状態が続くダバダ火振りです。栗を50%使用、麦25%、米麹25%で仕込み低温で蒸留したものですが、本当に50%なのか?と疑うほど栗の香りを感じることができるでしょう。
次に飲んだ瞬間に、あ!これうまい!と素で言ってしまうようなストレートな甘味があるお酒です。高知でも入手困難になっているのが理解できるストレートな旨さがあります。
栗焼酎が本当に旨いか疑心暗鬼な時は、ダバダ火振りのケーキを注文するといいでしょう。ケーキにたっぷりと栗焼酎が含まれているのに加えて100mlのダバダ火振りがついてきます。裏技を使ってダバダ火振りの旨さを体感することをお薦めします。
栗焼酎、知名度No.1ダバダ火振り
今や入手困難な旨さの栗焼酎、栗50%
ダバダ火振りはスイーツでも活躍
- 酒造
- 株式会社無手無冠
- 酒蔵住所
- 高知県高岡郡四万十町大正452
- 電話番号
- 0880-27-0316
- 価格帯
- 1800ml 2390円 公式では品薄で別途応相談
テレビドラマで大人気の「半沢直樹」ですが、原作の小説には半沢直樹が焼酎を飲むシーンが度々登場します。「半沢直樹」シリーズの最新作の作中、半沢直樹が飲んでいる焼酎の銘柄がしっかりと書かれています。「ダバダ火振」。 「ダバダ火振」は実在する焼酎です。 dencross 四万十ブ...
四万十ミステリアスリザーブ 栗焼酎原酒
最強の栗焼酎の原酒をたっぷりと味わう
ダバダ火振りを越える栗焼酎といえば、やはり四万十ミステリアスリザーブでしょう。ダバダでは50%の比率だった栗が75%までに上昇、栗と米・米麹のみで作った栗焼酎です。
熟成にかける時間は40010時間、約4年7ヶ月にも及びます。値段も18リットルで40010円ととことん栗焼酎と四万十に拘った逸品です。毎年限定500瓶のみの限定販売になり、無手無冠の地下トンネル貯蔵庫で40010時間が経過するまで眠りにつきます。
なかなか入手困難な品ですが、オーナーを検討される方優先でボトル、壺での販売があるので利用してみるのもいいでしょう。また四万十大正銘柄の古酒から試すのもお薦めです。
毎年500瓶限定のプレミアム栗焼酎
40010四万十時間経過するまで我慢すべし
利き酒ボトル、瓶も少量ながら有り
- 酒造
- 株式会社無手無冠
- 酒蔵住所
- 高知県高岡郡四万十町大正452
- 電話番号
- 0880-27-0316
- 価格帯
- 限定価格 40,010円(税別)
- 通販
文佳人
土佐藩執政の野中兼山の娘にちなんだ純米吟醸酒
酒の名前の由来は土佐藩執政の野中兼山の娘で「お婉さん」と呼ばれた女性で、その献身的な生涯をたたえ「文の佳人」という意味です。酒米は非公開ですが本格的な味わいで、雄町のような感じになります。
酒の味わいは食中酒として飲みやすく、甘みと後味のサッパリ感が共存していることが特徴です。無濾過のためにごり酒ですが甘口系でスッキリしているため、さわやかな味わいになるため冷やしても熱燗でも旨味が出てきます。
酒造りは少量仕込みのため本格的な旨味になり、無濾過で赤身の刺身や揚げ物など地元の皿鉢料理との相性が良いです。
土佐藩執政の野中兼山の娘にちなんで名付けられた
さわやかで冷やしても熱燗でもおいしく飲める
無濾過でにごり酒ですが甘口系でサッパリしている
- 酒造
- アリサワ
- 酒蔵住所
- 高知県香美市土佐山田町西本町1-4-1
- 電話番号
- 088-752-3177
- 価格帯
- 720ml 1,728円前後 1.8L 3,564円前後
- 通販
まるはりヌーボー
まず嫌いな人はいないだろう和風リキュール
梨生産歴80年の高知県針木で収穫されたばかりの新高梨ブランド『まるはり』の果汁を贅沢に絞って作った清酒がまるはりヌーボーです。例年10月下旬から数量限定販売されているリキュールです。
梨のお酒は珍しい部類に入るのですが、開栓した時の香りは穏やかです。ただ口に含んでから鼻腔に抜けていく香りと口に広がる甘味は独特のものがあります。
甘味の中に梨独特の瑞々しさも感じることができます。アルコール度も低いですので、ストレート、サイダー割り、果実酒、リキュールでは定番になってきていますがシャーベットで味わうのもお薦めです。
珍しい梨果汁50%の激旨リキュール
例年解禁は10月下旬、限定販売
飲んでも食べても、梨のフレッシュさが味わえる逸品
- 酒造
- 高木酒造
- 酒蔵住所
- 高知県香南市赤岡町443
- 電話番号
- 0887-55-1800
- 価格帯
- 500ml 1458円
- ホームページ
- http://www.toyonoume.com/
- 通販
安芸虎
フランスで評価された安芸市の地酒
蔵元は安芸市赤野にあり、太平洋に面した自然豊かな場所にあります。IWC純米酒部門ブロンズ賞やフランスのKura Master 純米部門でプラチナ賞に輝き、国内だけでなく海外でも認められているため人気が高いです。
酒米は酒造好適米の山田錦を使って精米歩合80%で仕上げ、濃いめの味の料理との相性が良くて食中酒としておいしく味わえます。
飲み方は冷やでも熱燗でもおいしくなりますが、温度を上げると本格的な米の旨味を味わえて良いものです。仕込み水は本格的な酒の味わいを出せるように良質のものを使い、昔ながらの製法を用いて仕上げています。
国内だけでなく国外からも評価されている
酒米は酒造好適米の山田錦を使用
精米歩合80%でもおいしく飲める
- 酒造
- 有光酒造場
- 酒蔵住所
- 高知県安芸市赤野甲38-1
- 電話番号
- 0887-33-2117
- 価格帯
- 658円~10800円
- 通販
純米大吟醸 龍奏
龍神が奏でる酒としての純米大吟醸
地元高知県の酒造好適米である吟の夢を40%まで磨きあげて作られたのが純米大吟醸 龍奏です。平成6年に吟醸蔵の真上に竜巻がきて以来、その吟醸蔵で作る酒は全国新酒鑑評会で金賞を取るようになったという逸話があります。
蔵に酒好きの龍神が宿ったのではというエピソードから産まれたのが龍奏です。そしてこの龍奏は高知県の酒造好適米の吟の夢を100%使い、高知県酵母を使って作られた拘りの逸品です。
山田錦や雄町を使わず、流行の18系酵母も使わずに純米酒大賞を獲得したところに価値があると言えます。純米大吟醸らしく常温から涼冷えで飲むのが香りも味も楽しめてお薦めです。
高知県の酒米に拘って作られた純米大吟醸
純米酒大賞2013受賞の純米大吟醸
流行の米、酵母を使っていない1本、試してみる価値有
- 酒造
- 高木酒造
- 酒蔵住所
- 高知県香南市赤岡町443
- 電話番号
- 0887-55-1800
- 価格帯
- 720ml 4320円
- 通販
桂月
小説の阪急電車にも登場した土佐の地酒
高知県出身の作家の有川浩氏の小説の阪急電車に登場するなどユニークな土佐の地酒で、酒の名前の由来は文人の大町桂月にちなんでいます。
桂月館は大町桂月を偲んで作られて大正時代に建てられ、内部には作品などが展示されています。酒米は高知県産の酒造好適米のアキツホを精米歩合65%で仕上げ、まろやかな口当たりでほんのりとした深みのある味わいです。
辛口で料理とも相性が良くて好みに合わせて温度を変えてもおいしく飲め、アルコール度数は15度でスッキリします。桂月は高知市にある桂浜にもちなんでいるため、土佐の地酒としても定着していることが特徴です。
小説の阪急電車に出るなどユニークな地酒
酒米は高知県産の酒造好適米のアキツホを使用
酒の名前は文人の大町桂月にちなんで付けられた
- 酒造
- 土佐酒造
- 酒蔵住所
- 高知県土佐郡土佐町田井418
- 電話番号
- 0887-82-0504
- 価格帯
- 853円~10000円
- 通販
美潮 純米吟醸 雄町 吟の夢
2014年に始まったばかりの新銘柄美潮
醸造責任者 仙頭竜太氏が土佐の美しい自然の中、酒を育てることをコンセプトに2014年から立ち上げた新ブランドが美潮です。現在は二種類がラインナップされており、高級酒米の雄町を100%と高知県の酒造好適米である吟の夢を100%使ったものがあります。
どちらも精米度は50%ですので、両方同時に試してみるのが粋な飲み方でしょう。1つは雄町ならではのやや控えめの吟醸香とフルーティーな味わいの中に滾る野性味を感じられるでしょう。
吟の夢は華やかな吟醸香が対照的で、飲んだ時の味わいもキリッとした爽快感のある仕上がりになっています。味の雄町、香りの吟の夢の印象で、飲み比べ必須な銘柄といえます。
雄町100%と吟の夢100%どちらをチョイス
美しい自然の中、酒を育てるコンセプト
美潮、名前そのものに華やかさを感じる純米吟醸
- 酒造
- 有限会社仙頭酒造場
- 酒蔵住所
- 高知県安芸郡芸西村和食甲1551番地
- 電話番号
- 0887-33-2611
- 価格帯
- 720ml 1750円 1800ml 3500円
- 通販
瀧嵐
初心者にも飲みやすい地元に根付いた生酒
高知酒造は昭和19年に戦局が厳しくなったころに清酒製造業は半数がなくなって統合し、瀧嵐が主に製造されました。戦後は水質が悪化していましたが水質が良い仁淀川に出会い、蔵元をいの町に移転させています。
酒米は高知県産の風鳴子を使用するなどこだわり、辛口ですがスッキリとした飲みごたえです。酒の名前の瀧嵐の由来は吉井勇の短歌の一部として使われ、清流の仁淀川の水を使って本格的な旨味を引き出しています。
酒の特徴は戦時中など混乱の時期を乗り越え、苦難の末に出会った仁淀川の水を使っておいしく飲めるように作られているため人気が高いです。
清流の仁淀川の水を使って仕上げている
初心者にも飲みやすい生酒として人気がある
酒米は高知県産の風鳴子を使うなどこだわっている
- 酒造
- 高知酒造
- 酒蔵住所
- 高知県吾川郡いの町勝賀瀬780-2
- 電話番号
- 088-897-0314
- 価格帯
- 513円~3240円
- 通販
慎太郎
地元の志士にちなんで付けられた純米酒
慎太郎の名前は地元出身の志士である中岡慎太郎で、ふるさとを愛して地元住民の飢餓を救うために海辺と農地を奔走していました。
坂本龍馬とともに活躍しましたが結局は京都で亡くなって帰郷せずに終わりましたが、その功績を酒として表現するために作られたことが特徴です。仕込み水は奈半利川の伏流水を使うなど本格的な米の旨味を引き出し、酒米は兵庫県産の酒造好適米の山田錦を使用しています。
慎太郎は明治維新の立役者として坂本龍馬とともに活躍し、ふるさとの海のようにピュアな味わいになるように仕上げて乾杯するために最適な味わいです。
地元の志士である中岡慎太郎にちなんで付けられた
仕込み水は奈半利川の伏流水でピュアな味わいに仕上げている
酒米は酒造好適米の兵庫県産山田錦を使用
- 酒造
- 浜川商店
- 酒蔵住所
- 高知県安芸郡田野町新町2150-1
- 電話番号
- 0887-38-2004
- 価格帯
- 1242円~16000円
- ホームページ
- http://www.bijofu.jp/
- 通販
名将銘酒47撰 戦国のアルカディア 坂本龍馬
人選、ラベルともに異彩を放つ坂本龍馬
松本零士氏の名将銘酒47選戦国のアルカディアシリーズの第3弾です。高知県は酒豪伝説のある長宗我部元親ではなく、坂本龍馬がモチーフです。
デスラー総統に似た坂本龍馬のインパクトが衝撃的で思わず手に取ってしまう方も多いでしょう。龍馬をモチーフにラベルをデザインした酒は多いのですが、顔が青い龍馬が異彩を放っているのは間違いないです。
肝心の味は精米歩合55%で米の良さを実感できる仕上がりになっています。最初のひとくちで辛味を感じたあとに酸味と苦味が追いかけてきて、辛口の濃厚さを打ち消しているような印象です。
余談ですが今のところ高知だけ戦国武将じゃないのが却ってレアになっているそうです。
松本零士の書く独特の坂本デスラー龍馬
ファン垂涎のコレクションアイテム
パッケージ同様に中身もインパクトある味わい
- 酒造
- 酔鯨酒造
- 酒蔵住所
- 高知県高知市長浜566?1
- 電話番号
- 088-841-4080
- 価格帯
- 720ml 1500円
- ホームページ
- https://www.suigei-net.com/
まとめ
高知県民というと無類の酒好きとして知られており、土佐日記にはすでに酒席を楽しむ人が出てきたくらいです。米作りが盛んなことときれいな清流があることから高知県あ江戸時代には既に日本酒の一大生産地として知られており、現在でも数々の地酒が作られています。
高知県の地酒の種類は豊富であり、土佐鶴や船中八策など、県外の人でも聞いたことがあるような地酒がたくさんあります。おつまみとしてはカツオの内臓である酒盗は土佐藩の大名、山内氏からつけられたように高知県の産物、皿鉢料理など特産品の料理とともに味わわれてきました。高知県の日本酒は、どちらかというと辛口のものが多く、その芳醇な香りが特徴です。また、爽快な飲み口でさまざまな料理にもマッチするので高知県民の地酒の消費量は自然と多くなってしまいます。