鹿児島は九州でも有数の焼酎どころとして知られています。言い換えれば、それだけ多くの蔵元があることを意味しているのです。
そんな多くの蔵元のある中、実力派の焼酎として知られているのが高良酒造(こうらしゅぞう)から出ている八幡(はちまん)ろかせずです。

気になる値段などについてもまとめましたので、これを読めばきっと八幡 ろかせずのことを多く理解できるのではないでしょうか。
それでは八幡 ろかせずの特徴からお話ししていきます。
※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
「八幡 ろかせず」の特徴
八幡 ろかせずの特徴は、一言で表すと濃厚な味わいの芋焼酎ということです。
地元でとれるコガネセンガン(黄金千貫)という品種のサツマイモで作られているのがこの濃厚な味わいの特徴と言えます。味わいについては後述しますが、この八幡 ろかせずに使われるコガネセンガンについて簡単に説明していきましょう。
もともと九州で生み出されたこのサツマイモは、地元のサツマイモ品種と東南アジアの品種、さらにアメリカから導入した品種を組み合わせた品種です。
でんぷんを多く含み、この特徴が焼酎の味わいを高めています。
ちなみにスーパーでよく目にする紅あづまなどの親となる品種です。当初はでんぷんを取り出す目的で生み出されたコガネセンガン、このでんぷんの多さは質の高い食品加工の用途にも適しこれによって多くの有名な焼酎を生み出してきました。
そんなコガネセンガンを使い更に無濾過のまま出荷したのがこの焼酎です。
多くの焼酎は、蒸留したばかりの焼酎の原酒に入っている油分や微細なカスなどを取り除くために冷却を行った後に濾過を行います。この濾過を行うことで見た目の良い澄んだ焼酎が出来上がるのです。ただ、見た目や安定した品質の焼酎ができる反面、芋焼酎の持つ豊かな香りや強い味わいも取り除かれてしまうという弱点を持っています。
そんな弱点を良しとせず、焼酎本来の味わいを感じてもらうためにあえて無濾過のまま出荷しているのが特徴です。
酒造の特徴について
八幡 ろかせずを製造する高良酒造は、鹿児島県南九州市川辺町(かわなべちょう)にある蔵元です。
この蔵元の近くには名水百選にも選定されている名水、清水の湧水が湧き出ていることでも知られています。この水の特徴は姶良カルデラのシラス台地を通ってい湧き出ているという点があり、お酒を造るのに適したミネラルが豊富な水です。そんな水を贅沢に使っているのが高良酒造の特徴で、当然良い水を使い高い技術で焼酎を作れば、高いクオリティの焼酎ができます。
そんな名水が蔵の裏山から豊富に湧き出ており、それを使って家族たった四人と数人の従業員で作り出しているのです。
また原料にもこだわりを持っており、新鮮なコガネセンガンだけを使用するためその日仕込む分の芋しか仕入れを行いません。さらに仕込みは、少量生産にこだわり昔ながらのカメで仕込んだ「かめしこみ」を採用しています。
こうした素晴らしい湧水と新鮮な原料を利用して優れた焼酎を生み出す、家族経営の少量生産を行う蔵元というのが高良酒造の特徴と言えるのではないでしょうか。ちなみに焼酎作りに欠かせないサツマイモの下処理は地元の老練なシニアが担っており、地元の活性化にも貢献しています。
酒造の歴史
高良酒造の歴史は、鹿児島の蔵元でも比較的古く明治40年(1907年)創業です。裏手にある飯倉山から何百年も前からこんこんと湧き出る清水を引いて、それを利用した酒作りを始めました。
その後は高良家が代々家業として伝統を守り続け、現在の杜氏高良武信さんが高良酒造を継ぐに至ります。この間、家業として行っている高良酒造の業務を法人化し、高良酒造有限会社として組織化しました。高良武信さんは大学の醸造学部を卒業し、高良酒造の伝統に対して科学的な要素も導入するに至ります。しかし、科学的と言っても安易にかめしこみを廃止し金属のタンクにすると言ったことや製造の機械化を徹底的に行うのではなく、人の手でどれだけ品質の高いものにするかにこだわっているのが特徴です。伝統的な製法を用いてより品質の高い焼酎を安定した品質で提供することを現在も実践している蔵元と言えるのです。
八幡 ろかせずの味わい
八幡 ろかせずの味わいについても紹介していきましょう。
味わいは甘みと濃厚さが前面に出たものです。
甘みはまさに十三里の芋を連想させます。
昔話に出てくる栗(九里)より(四里)甘いという言葉のような印象で、しっかりとした甘みがありながら和菓子のような優しくトゲのない甘さを感じさせてくれる焼酎に仕上がっています。
濃厚さもしっかりとしている印象です。
芋焼酎の中にはむぎ焼酎のようなサッパリ感を出している銘柄もありますが、この八幡 ろかせずは対照的な味わいです。
重厚感のある味わいで、含んだ先から喉越しの余韻まで存在感を示してくれます。他の焼酎がうすいと感じるような方でも芋感を感じることができるハードパンチャーという印象です。もちろん甘ったるく濃厚すぎてキツイというわけではありません。それらの特徴を持ちながら、一杯、また一杯とスムーズに飲めるように高いレベルで作られている焼酎です。
こういった特徴を持っているのも無濾過であること、カメによってしっかりと丸みを帯びるまで仕込まれていること、そして新鮮なコガネセンガンとミネラルの多い湧水を贅沢に使っていることが理由と言えます。
おいしい飲み方(ロック・お湯割りなど)
八幡 ろかせずの美味しい飲み方は、どの点を重視するかによって異なります。
つまり、どんな飲み方でも美味しいのです。
例えば、重厚な味わいを愉しみたいのであればロックです。徐々に氷が溶けて加水されていくのを楽しみながらおいしく味わえます。
芋の甘い香りを楽しみたいのであればお湯割りがオススメです。お湯を加えることで一気に甘い香りが花開きます。
もちろん、どんどん飲みたいのであれば適度に加水して水割りにしても味が負けずにしっかり残りますから美味しくいただけます。
八幡 ろかせずの値段について
八幡ろかせずの値段は、定価が1800mlで3,300円(税込)です。
しかし、少量生産ということもあって需要にこたえきれていないため、若干のプレミアがつくことがあり、6,000円以上で取引されることも珍しくありません。
これもこの製品の魅力によるところが大きいのではないでしょうか。
定価購入の方法と発売日
八幡 ろかせずを定価購入する方法は、発売日に地元の酒店やそれらの酒店が運営するネット販売のお店で購入するという方法が挙げられます。
発売日は毎年同日ではなく、3月の下旬ごろが多い傾向です。
この時期にこれらの酒店へ行ったり、運営するネット販売のお店へアクセスすれば定価で購入することができます。
直接蔵元では購入できないので注意してください。
合う料理やおつまみ
八幡 ろかせずに合う料理やおつまみを紹介していきましょう。
やはり鹿児島の焼酎だけあり、つけあげ(さつま揚げ)、さつまいも入りかき揚げ(がね)など油の強い料理と合います。
まとめ
八幡 ろかせずは、高良酒造の伝統的な製法を用いて無濾過で販売されている芋焼酎です。とても濃厚な味わいで、一気に甘みが広がるのが特徴のお酒でもあります。
そんな八幡 ろかせずは入手が困難で、プレミア価格がついていることも珍しくありません。