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残草蓬莱・昇龍蓬莱(神奈川の日本酒)緑ラベル・出羽燦々・生もと純米吟醸の特徴や美味しい飲み方を分析

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神奈川県にある老舗酒蔵の醸す純米酒「残草蓬莱」と「昇竜蓬莱」
残草蓬莱」と「昇龍蓬莱」、何ですか、中華料理屋の壁に貼ってあるお品書きのような4文字熟語。実は、日本酒の名前なのです。「そんなことも知らんのか」と、日本酒愛好家からお叱りを受けるかもしれませんが、まだまだ知る人ぞ知るというブランド。

日本酒、気になる事調べものライターdencross
dencross
いろいろと調べてみて驚きました。そこでな一度目にすると印象に残るお酒、「残草蓬莱」と「昇龍蓬莱」をご紹介しましょう。

※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール

神奈川県で造られています

宮ヶ瀬ダム
「残草蓬莱・昇龍蓬莱」はともに、大矢孝酒造という酒蔵が醸造しています。
大矢孝酒造は、神奈川県愛甲郡愛川町にあります。そう、港町横浜や横須賀、相模湾の海原が打ち寄せける湘南海岸など、海のイメージがある神奈川県です。

東京国税局のHPによると、神奈川県には13もの酒蔵が今でも日本酒を醸造しています。「残草蓬莱・昇龍蓬莱」を醸造する大矢孝酒造もその一つです。たしかに、西の港町神戸には灘五郷という日本酒の一大産地があるのですから、港町横浜のある神奈川県に酒蔵があっても何の不思議はないのですが、何かイメージが湧きませんでした。
日本酒の醸造に必要なのは、良水と良米。実は神奈川にはこの二つが揃っているのです。
良水は、丹沢山系に降った雨が時間を掛けて流れ出す相模川水系があることからもわかるように、丹沢山地からの伏流水が豊かな土地です。良米の方も、日本最大の関東平野で生産された米を利用できるので、古くから日本酒造りが行われてきた土地でした。
神奈川の日本酒造りの歴史は古く、鎌倉時代の文献に記載されています。以後、さまざまな出来事がありましたが、脈々と日本酒造りが継承されてきました。

大矢孝酒造

「残草蓬莱」と「昇龍蓬莱」を醸造する大矢孝酒造は、神奈川県の北東部、厚木市や相模原市に挟まれるように隣接する愛川町にあります。愛川町は、周囲を山に囲まれた盆地状の土地のため、冬場は県内でも一番冷え込むため、日本酒の製造に適した気候。消費地である大きな都市の近郊ながら、緑は多く残り風光明媚な環境。丹沢山系の豊かで清冽な伏流水と、日本酒造りの環境としてはなかなか恵まれています。
大矢孝酒造は、文政13年(1830年)のこの地で創業、190年の歴史を積み重ねた老舗の酒蔵です。歴史を語るように、現在の地へ移り住んだ蔵主の御先祖が植樹した2本の欅は、樹齢が450年以上と推定され、酒蔵の入り口を守るように生い茂ってり、今では酒蔵の目印のようになっています。現在の蔵主で8代目となります。その8代目が起ち上げられたブランドが、「残草蓬莱・昇龍蓬莱」なのです。
現在、大矢孝酒造では「残草蓬莱」と「昇龍蓬莱」のふたつの銘柄を製造。それぞれの銘柄にも複数のバリエーションがラインナップされています。

「残草蓬莱」

「残草蓬莱」と書いて「ざるそうほうらい」読みます。特に、「残草」を「ざるそう」と読むのはなかなか難しいのではないでしょうか。「残草」とは、酒蔵のある場所の地名だそうで、かつては「小字残草」だったからとのこと。「蓬莱」とは、仙人が住まう蓬莱山から。ちなみに愛川町というところは難読地名が多い所らしく、「海底」と書いて「おぞこ」と読むところもあるそうです。
残草蓬莱
さて、「残草蓬莱」ですが、現在はほぼ全量を純米酒で構成しているブランドになっていますが、創業より造り続けてきたブランドでもあります。8代目の就任後、純米酒の方向へ舵を切り、商品の魅了が上がりました。あとで触れる「昇竜蓬莱」も純米酒のブランドですが、二つのブランドの違いは、醸造法の違いだそうです。
「残草蓬莱」は速醸酛で醸造したお酒。速醸酛は明治時代末期に開発された手法。お酒のもとの酒母を造る際、乳酸を添加する方法のこと。この方法により、酒母造りの期間が大幅に短縮されるため、速醸法といわれています。現在の酒造りでは主流の方法といっても過言ではありません。速醸法で醸したお酒は、一般的に香りが立ち、軽い口あたりのスッキリとした味わいに仕上がることが多いといいます。

残草蓬莱 純米 緑ラベル

残草蓬莱」の中でもスタンダートに位置づけられる「残草蓬莱 純米 緑ラベル」は、60%までお米を磨いて仕込んだ一本。柑橘を思わせる香は派手ではなく落ち着いた感じ。口に含むと、柑橘系の香りが軽く鼻腔へ抜けていきます。
口の中には、やはり柑橘を思わせる軽妙な酸味が米の旨みと甘みと調和して、さらさらと喉奥へ消えて行きます。酸がしっかりとしているので、あと味は爽やかでスッキリとした味わいです。食事のおともにするお酒としても優秀。酸と甘みと旨みバランスのよい味わいと、爽やかにキレのあるドライな味わいは、料理の味わいを引き立ててくれるでしょう。常温や冷やしてのほか、燗酒でも愉しむのもあり。人肌燗や日向燗といったぬるめから、上燗熱燗といった温度まで、ことなる表情が愉しめることでしょう。

残草蓬莱 純米吟醸 出羽燦々

残草蓬莱 純米吟醸 出羽燦々」は純米吟醸で、酒米を出羽燦々に限定して仕込まれたお酒。出羽燦々を50%まで磨き上げて仕込んでいます。グラスに注いで立ち上がる香りは華美なものではなく、むしろ落ち着いた面もち。こちらも柑橘系の香りで、スッと胸のすく感じが心地よい香りです。
口に含むと、しっかりとした米の旨みと優しい甘み、そして酸がググッとやってきます。バランス良い甘さと酸っぱさが滑らかに流れ、余韻を引きながらスーッと喉奥へ消えて行きます。純米吟醸でありがちな、鈍重な味わいではなく、どちらかというと軽めの口あたりにしっかりとした味、最後は余韻を残してきれいにキレていくという感じです。ことらも晩酌に丁度いいお酒。花冷えや雪冷えまでキリット冷やして暑い夏に冷たくした冷奴などを肴に愉しむのも一興ですが、あえて燗にするとまた違ったお酒の表情が見れて、これまた愉しいと思います。
「残草蓬莱」には、さらに大吟醸酒や季節限定酒も用意されています。そのいずれもが速醸法で醸されています。

「昇竜蓬莱」

昇竜蓬莱
速醸法で醸される「残草蓬莱」に対して「昇竜蓬莱」は、生酛造りという方法で醸造されています。生酛造りは江戸時代から続く伝統的な醸造法。時間と手間が掛りますが、旨みや酸がしっかりと乗った、それでいてキレのあるお酒ができ上がるといわれています。

昇龍蓬莱 純米

昇龍蓬莱 生もと純米 山田錦75 ヒトナツ越え 30BY 720ml
昇龍蓬莱 純米(生もとブレンド)」は「昇竜蓬莱」シリーズのスタンダート位置づけられる商品。こちらのお酒は「生酛ブレンド」の名の通り、蔵主自ら出荷時期にあわせて1~3年熟成させたお酒をブレンドしています。
口に含むと、生酛造りらしく力強いしっかりとした米の旨みと甘み、そして爽やかで心地よい酸がバランスよく溢れてゆきます。熟成酒がブレンドされているからか、丸みのあるまろやかさと落ち着きのある味わいになっています。派手ではなく、しっかり美味しい日本酒で、晩酌や食事のおともにも丁度良い味わいです。常温で美味しいですが、やはり燗にすると真価を発揮するお酒です。ぬる燗から飛び切り燗まで、いづれの温度でもしっかり美味しいお酒です。肴と好みで温度をお選びください。

昇龍蓬莱 生もと純米吟醸 ひやおろし

昇龍蓬莱 生もと純米吟醸 ひやおろし「山田錦」・・・辛口師匠、勘弁してくださいよ。」と、とんでもなく長い名前のお酒です。電話で注文するときや納品書や請求書の品名欄が小さいときはどするのかしらと、ちょっと心配になるレベルのながさです。しかし、名前とは関係なく超辛口に仕上がった美味しいお酒です。
口に含むと米の旨みがしっかりと広がりますが、同時にスカッとするような爽やかで力強う酸がやってきます。旨味と酸が喧嘩するわけではなく、隠れた甘さとあいまって見事にバランスよくまとまった味わいに。あと味は超辛口の名の通りカラッとしたドライな感じがスコーンとキレのよさを引き出している感じがします。淡麗辛口をお嘆きの辛口派の諸兄には是非ともい試しいただきたい一本です。夏限定のお酒ですので、販売時期にご注意ください。

最後に

「残草蓬莱」と「昇竜蓬莱」はともに魅力あるお酒がラインナップされているシリーズです。しかし、製造する大矢孝酒造は小規模ば酒蔵のため多くの数量を製造することはできません。またその製造量の7割は酒蔵のある神奈川県で消費されているため、他県では益々見掛けることはありせん。近年はネットで気軽に注文する事が可能になりましたが、やはり数量がすくないのと、期間限定で期間を逃してしまうのとで、入手が困難かもしれません。また、一升瓶は購入後保管が大変と気軽に注文する事に二の足を踏む場合もあるでしょう。蔵元のHPでは、気軽買える販売店や提供する飲食店も紹介されているようですので、興味はある方は一度アクセスしてください。

昇龍蓬莱 生もと純米 山田錦75 ヒトナツ越え 30BY 720ml

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