村祐

村祐(新潟の日本酒)亀口取り・紺瑠璃・茜ラベル・花越路の特徴や美味しい飲み方を分析

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日本酒生産量が日本一多いのは、灘五郷を擁する兵庫県ですが、その後ろを猛追している府県があります。一つは、伏見を擁する京都府。もうひとつは、新潟県です。何といっても、米の生産量と酒蔵の数では日本一を誇る県。日本酒の生産量も多くなるのも頷けます。

日本酒、気になる事調べものライターdencross
dencross
新潟県の日本酒といえば、淡麗辛口のイメージですが、近年は多用な酒造りが行われており、一口では紹介できないほどです。

※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール

「淡い」ではなく「甘い」お酒

「村祐」というお酒があります。「新潟の酒は美味しいが淡麗辛口ばかりじゃないの」という評価に一石を投じたお酒です。「村祐」の特徴は、「淡くスッキリ、キレのあるお酒」が主流の新潟のお酒にあって、まったくことなる酒質、クリアで上品な甘さのお酒。そうまるで和三盆のような淡く上品でいてしっかりとした甘さを纏ったお酒なのです。

「村祐」の醸造元「村祐酒造」

美田
村祐酒造は、新潟県の中部、小須戸町(現在の新潟市秋葉区小須戸)に戦後間もない1948年(昭和23年)の創業しました。酒蔵としては新しい部類に入りますが、それでも70年以上の歴史を積み上げた酒蔵です。また一方で、最新の設備も導入するという、進取の気風に溢れる一面もあり、その気風が「村祐」の醸造に一役買っている面もあります。
村祐酒造は年間生産量が200石と、非常に小さな規模の酒蔵ですが、新潟県産の米を使用し、冬季醸造によって製造される「花越路」と、平成14年に誕生した新たな味わいのお酒「村祐」という2つのブランドを製造しています。
日本酒の製造に重要なものに水があります。村祐酒造では、敷地内に井戸を掘るのではなく、約2Km離れた山中に横井戸を掘り、そこから採水したものを蔵へ引き入れ、殺菌処理をはじめ、衛生基準に則り、完璧に処理した安全で衛生的な水を仕込みの水として日本酒製造に使用しています。

決して平坦ではなかった道

今や人気を博すお酒「村祐」と「花越路」の2つのブランドを製造する酒蔵となっていますが、ここまでにはさまざま苦労がありました。あるとき、杜氏の方が病気で引退されました。その後、しばらく杜氏を置かない酒蔵となってしまいました。その影響で、2年間ほど酒蔵を休業するという経営危機に見舞われました。その後、22歳で現社長で3代目の村山健輔氏が蔵に入りました。杜氏を置かずに、社長自らが日本酒製造を取り仕切り日本酒醸すスタイルを確立。ちなみに、氏が蔵に入り最初に醸造したお酒が全国新酒鑑評会金賞を受賞するという栄誉に浴すことになり、氏の求める日本酒を醸し、個性的なラインナップ築きあげていく事になりました。

あえて「甘口」のお酒を目指す

新潟の日本酒は一般的に淡麗辛口の味わいです。たしかに、淡麗辛口の日本酒は晩酌や和食のおともにはベストマッチするものが多いのも事実です。新潟の良水とお米で醸造された日本酒は、地酒ブームにのって全国で人気になりました。一部には人気が出過ぎて偽物まで出回る銘柄もありました。今日の魚沼産コシヒカリのようです。
そんな時代に、新潟のお酒は淡麗辛口一本でいいのかと疑問に感じた蔵人がたくさんいました。

村山健輔氏もその一人。そこで氏は、あえて甘口のお酒を開発しました。淡麗辛口一辺倒だった新潟の日本酒業界に新風を送り込んだのです。見事に市場に受け入れられ、その評価は着実に上がっていきました。まさに、淡麗辛口だけが越後の酒じゃないと、新潟の日本酒の幅を広げた先駆者といえるでしょう。

淡麗辛口一辺倒に風穴を開けた一本、「村祐」

淡麗辛口一辺倒に風穴を開けた一本
個性的で和三盆の甘さをイメージして醸造されるという「村祐」はどんな味わいなのでしょうか。

村祐 亀口取り 常盤ラベル 無濾過生原酒

「村祐 亀口取り 常盤ラベル 無濾過生原酒」は文字通り、亀口よりそのまま出来立てのお酒を無濾過で瓶詰した商品。亀口取りとは、醪に圧力を加えず上槽し、亀口から滴り落ちる出来立てのお酒を一滴づつ瓶に詰めた一本です。当然新酒なのでガス感が適度にある微発泡性。キリッと雪冷え辺りに冷やして愉しむのがおすすめです。
グラスに注ぐとフッと立ち上がるフルーティな華やかな香り、口に含むと上質の白ワインのような上質な甘さがしっかりと鮮やかに広がりますが、そのあとを追いかえるように酸味がやってきます。単純な甘さではなく、米の旨みに下支えされた上質で雑味のない甘さ。そこへこれまた上質な酸味が見事にマッチし、喉奥へそっと消えて行くさまはお米のアイスワインのよう。微かなガス感がさらに華やかな味わいにしてくれます。食前酒にも最適。魚介類とあわせても十分なポテンシャルがあるお酒でしょう。

村祐 紺瑠璃ラベル 純米吟醸生酒

村祐 紺瑠璃ラベル 純米吟醸生酒」は、吟醸酒の一本。こちらも生酒です。グラスに注ぐと立ち上がる甘酸っぱい吟醸香はそこまで派手ではありません。これまた、クリアで柔らかい口あたりは上質の白ワインのようです。すっと米の旨みの詰まった甘さが口一杯に広がっていきます。
舌の上をさらさら流れながら爽やかな酸味と調和して喉奥へと消えてゆきますが、最後に微かな苦み立ち上がり、あと口をキリッと引き締めてくれます。単純な甘酸っぱい日本酒ではなく、複雑な甘さと爽快な酸味に微かな苦みと重層的な味わいが愉しめるお酒になっています。冷やして愉しむほか、常温が定番ですが、燗酒にしても新しい表情をあらわすお酒かもしれません。飛び切り燗や熱燗にするのは無粋なはなし。日向燗あたりでジワーッと楽しんでみてはどうでしょう。

村祐 茜ラベル 特別純米 無濾過本生酒

村祐 茜ラベル 特別純米 無濾過本生酒」は、吟醸酒ではない純米酒。「村祐」は大抵白ワインのような味わいと評価されますが、こちらは少々ことなります。たしかに、白ワインのようなとなりますが、口あたりはしっかり日本酒の風情。米の旨みに酸味と甘みしっかり乗った甘酸っぱい爽快な味わい。喉越しも軽く優しい酸味が最後を締める感じの味わい。晩酌や食事のおともにも丁度いい感じのお酒です。酸味がやや勝っている感じがあるので、味の濃い肴でも余計な雑味をしっかり洗い流してくれる感じなので、肴も進むお酒ではないでしょうか。

「村祐」は、他にも季節限定酒や数量限定酒がラインナップされています。そのいずれもが、和三盆の甘さをイメージして醸されたお酒です。淡麗辛口一辺倒の新潟産日本酒に、甘さをメインの味づくりにすえた日本酒をせ醸造して風穴をあけ、新潟の日本酒の可能性を広げたお酒と評価されています。しかし、村祐酒造は年間200石の小規模な酒蔵。なかでも「村祐」シリーズ40石余りと、本当に少量しか製造されていません。気になる方は、取扱いのある酒屋さんを見付けて入手してください。見付けたら即ゲットではないと難しいお酒もあるので注意が必要です。

村祐酒造では「村祐」だけではなく、「花越路」というお酒も醸造しています。むしろこちらのお酒が蔵伝統の銘柄です。「花越路」もいろいろな商品がラインナップされています。

花越路 特醸

花越路 特醸
花越路 特醸 1.8L(Yahoo!ショッピング)
花越路 特醸」は、「花越路」シリーズのスタンダートに位置づけられる商品。吟醸酒ではありませんが、ほんのりと香る吟醸香とほのかな甘さが米の旨みと調和し、キレのあるあと味が爽快な一本です。毎日の晩酌にもピッタリ。常温から飛び切り燗まで、さまざまな温度帯で、しっかりと愉しめる堅実な味わいのお酒です。

「花越路」シリーズには、大吟醸や吟醸酒もラインナップされており、それぞれには「村祐」とはことなる味わいと魅力があります。しかし、全部で200石しか生産されていませんので、やはり多くは流通していません。ネットなどで取寄せることが簡単な時代になりましたが、ここはやはりスキーなどで新潟の雪景色を眺めながら愉しむのもいいのではないでしょうか。

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