長陽福娘

長陽福娘(山口萩の日本酒)佳撰・長州浪漫・辛口純米の特徴や美味しい飲み方を分析

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日本酒、気になる事調べものライターdencross
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長陽福娘」は、幕末の志士を多く輩出したことでも知られる、山口県の城下町、萩市にある岩崎酒造が醸造している日本酒です。

※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール

岩崎酒造

明治34年(1901年)、初代岩崎小左衛門が萩の地に酒蔵を開きました。来年2021年で創業120年を迎える創業岩崎酒造は、現在の蔵主で4代目を数えます。年間製造量は70キロリットル、石高で表すと約390石、一升瓶換算で2万本強という小規模な酒蔵です。現在の製造銘柄は、「長陽福娘」のほかに、「萩毛利」と「はぎ」があります。
平成2年の全国新酒鑑評会金賞ほか、平成11年12年13年と3年連続金賞を受賞するばど、醸造するお酒の品質は折り紙つきです。
高品質の日本酒ですが、取扱店の大半は萩市内のお店。そのため、萩市周辺を中心に山口県内でほとんどが消費され、県外へはあまり出ていません。それゆえ、一部の日本酒愛好家や日本酒専門店などでしか知名度はありませんでした。

萩で醸される酒

指月公園
岩崎酒造がある山口県萩市は、日本海に面し長州藩毛利家のおひざ元として発展してきた町。夏みかんが実る土塀が続き、城下町の趣を残す街並みは観光客にも人気があります。
萩市の中心部にあたる旧市内は、阿武川河口に発達した三角の上に建設されています。岩崎酒造も、阿武川河口デルタの真ん中あたり、田町商店街のアーケードに面して場所にあります。
阿武川上流部は阿武火山群という溶岩地層のあるエリア。溶岩の大地中を時間をかけて磨き上げられた清冽な伏流水を、酒蔵の敷地の中にある井戸より汲みあげ酒造り用いています。
また、日本酒醸造に使用する酒米も主に山口県産米を使用、昔から変わらぬ製法で造られる日本酒は、まさに萩の地酒といっても過言ではないでしょう。

手間を惜しまない仕込み工程

岩崎酒造では「小仕込 総米630キロ」、という仕込みを行っているといいます。つまり、一度にたくさんの酒米を仕込むのではなく、小分けにして仕込んでいく方法です。小分けにすることで、品質管理は容易になり、より高品質の日本酒の製造が可能になります。反面、いくら小規模な酒蔵であっても、630キロづつ仕込み行うことは大変な手間を伴うことになります。岩崎酒造の場合、タンクひとつからできる日本酒は、一升瓶で600~700本といいます。小さい酒蔵とはいえ、2万本程度の生産量を考えると、何度仕込み作業を行うのか、その手間は尋常ではありません。
そのかわり享受するのは、高品質の日本酒です。その酒質の高さは、県知事賞をはじめ全国新酒鑑評会金賞を幾度も受賞していることからレベルの高さが伺えます。

萩の伝統的な味わい

萩の街は一方は日本海に面し、残りの三方は山に囲まれた土地。かつては交通の便が悪く、天災などで簡単に交通が遮断されたそう。現在では、山陰本線のをはじめ国道やバイパスなどが通り、以前より格段に交通の便がよくなっています。
海と山がある萩は、むかしから海の幸と山の幸に恵まれた土地でもありました。特に、日本海の魚介類は種類も豊富で新鮮なため、普段より食卓に上がってきました。

そのため、萩の地のお醤油や日本酒は、濃厚で甘口にものが好まれました。萩の街で育まれた岩崎酒造のお酒も少し甘く、お米本来のおいしさを感じるお酒を醸していました。しかし、人の嗜好は変化にともない、辛口の傾向へ合わせた味わいに変化してきています。ですが、根幹のお米のおいしさと甘さを感じる部分は変わらない、旨い日本酒造りを目指しています。

幕末志士を輩出した城下町萩のお酒「長陽福娘」4選

幕末志士を輩出した城下町萩のお酒
「長陽福娘」は、岩崎酒造の主力銘柄のお酒。ちなみに名前の由来は、初代が創業当時、岩崎家に女の子が続けて誕生。子どもが福々しい良い子に育ってほしいとの願いをこめて名付けられたそうです。
スタンダートな佳撰から純米大吟醸まで幅広くラインナップしています。

長陽福娘 佳撰

長陽福娘 佳撰
もっともスタンダートな「長陽福娘 佳撰」は特定名称酒でも純米酒でもない、ごく普通の日本酒。ほとんどが萩と周辺で消費されているため県外へは出回っていないでしょう。お酒の通販サイトでも、取扱いはまずないでしょう。萩の地元の人のお酒です。旅行などで萩へ赴いたときに愉しんでください。
価格はリーズナブルなのになかなかお酒、味わいは口あたり優しく、ほんのり甘口。クドさはなく、きっと昔から萩の人々に愛された味わいでしょう。日本海の魚介類とあわせて燗で愉しみたいお酒です。

長陽福娘 純米 長州浪漫

純米 長州浪漫
長陽福娘 純米 長州浪漫」は、幻の山口県産酒米「穀良都」で仕込んだお酒。酒米「穀良都」は、明治22年に山口県で誕生、優秀な防長米として西日本だけでなく朝鮮半島でも広く栽培された品種。昭和天皇即位の折には献穀米となりました。戦後、新しい品種が台頭、栽培に手間の掛る「穀良都」は次第に作付面積を減らし、いつしか失われた幻の品種になりました。
「先祖がつくった米をつくってみたい」との思いから、再び日の目をみることになった「穀良都」。県農林総合技術センターと県産業技術センターで共同研究から、酒米に最適な品種と分かり、県内の日本酒の酒蔵有志が集り商品化がされました。それが「長州浪漫」です。「長陽福娘 長州浪漫」も「穀良都」を仕込んでつくられました。クリアブルーのクールな瓶に味わいのあり文字で「長州浪漫」と書かれたラベル。味わいは、米の旨みが豊かにありながらサッパリとしたキレのある辛口な味わい。幻の米の深く豊かな旨みもクドくなくキレるので、食事のおともにも丁度よいお酒です。常温から燗酒まで幅広い温度で愉しめるお酒です。

長陽福娘 山廃仕込み特別純米

長陽福娘 山廃仕込み特別純米」は、山口県産の酒米「山田錦」を60%まで磨き上げ、山廃仕込みで仕込んだ一本です。山廃仕込みのお酒は酸度が高めで、骨太なお酒になりがち。こちらのお酒も酸度も高めですが、口あたりから柔らかく、米の旨みがしっかりとしているので、酸をあまり意識することなく滑らかにするすると流れ、最後のキレのある爽やかな味わいになっています。キレのある味わいで、食事のおともや晩酌にも最適の一本。燗にしてよし、冷やでもよしの一品です。

長陽福娘 直汲み 辛口純米 山田錦 無濾過生原酒

長陽福娘 直汲み 辛口純米 山田錦 無濾過生原酒」と少々長い名前のことらは、季節限定出荷のお酒です。もっとも、どのお酒も製造量が少ないため、全て限定品みたいなものですが。さてこちらのお酒は。山口県産「山田錦」を60%まで磨き上げて仕込んだものを、タンクより直接瓶詰した一本です。
無濾過生原酒で直汲みですのでガス感があり、口に含むとシュワっとしたあとピリッと舌に心地よい刺激が伝わります。しっかりとした米の甘みを感じつつ豊かな旨みが広がりますが、しっかりとした酸がうまく調和して、最後にはスパーンとしたキレがやってきます。後口はサッパリとして爽やかなに消えていきます。辛口なが最初の旨みと甘みと後のキレと酸が見事に嵌った美味しいお酒です。生原酒なので、キリット雪冷え、軽く花冷えや凉冷えで愉しむのが一般的。スッキリするので、肴は特に選びませんが、淡白なものから、割と濃厚なものまで広く対応できる懐の広いお酒だと思います。

ここまで、「長陽福娘」のラインナップより4つほど紹介しました。しかし、「長陽福娘」にはさらにさまざまな商品がラインナップされています。そのいづれもが、手間を惜しまず丹精込めて造られたことが感じられる酒質になっています。「長陽福娘」は、その大半は萩市を中心とした山口県内で消費され県外へ出回っていません。また、生産規模も小さな酒蔵のため、製造量も少ないため、簡単に入手できない商品もあります。幕末浪漫を求めて萩へ旅した折には是非とも酒蔵に立ち寄っていただき、試飲のうえお買い求めいただきたいものばかりです。
萩は遠い方、「長州は敵、でも飲みたい」という会津の方は通販サイトをご利用ください。その味わいに驚かれる事でしょう。

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