世界有数のカルデラ(火山の活動によってできた大きな凹地)を誇る阿蘇を有し火の国の別名を持つ熊本県、この阿蘇の活火山によって豊かな自然が生み出されてきました。
そんな熊本のお酒に合うおつまみについてご紹介していきます。
※この記事を書いたライターランニングフリージーのプロフィール
海鮮系
太刀魚の刺身
新鮮な身がたまらない!太刀魚の刺身
太刀魚は名前の通り刀の刀身のような美しい銀色の長細い魚です。ただし、鮮度を保つのが難しく、しかも刺身で頂けるのは海に近いエリアに限られます。
そんな太刀魚も熊本では刺身として食べられ、新鮮な柔らかい身をお酒と一緒に楽しむことができます。塩焼きやムニエル、煮つけや唐揚げにされがちな太刀魚ですが、新鮮なうちにそのまま刺身で味わえるのは熊本ならではです。
このしろ姿寿司
一本を豪快に!このしろ姿寿司
#このしろの姿寿司 を食べたい! シンコ、コハダ、コノシロ❣️ pic.twitter.com/NeGHftT5gD
— 相田富雄@お散歩自転車部 (@aitomio) February 8, 2020
10センチを超えるコハダとも言われている魚、このしろを背開きにし頭や尾びれがついたまま押し寿司にしたものがこのしろ姿寿司です。
このしろ自体も塩と甘酢で締めてあり、旨味が存分に楽しめます。さらに頭や骨も柔らかくなっているため、醤油をつけずにそのままいただくことができてお酒に合うおつまみです。
ガラカブの唐揚げ
豪快に唐揚げ!ガラカブの唐揚げ
玉名より帰りました。写真はGPMでも味のれんで食べられる「ガラカブ」の唐揚げです(ただし、玉名などの県北では「あらかぶ」と呼ばれる。標準語でカサゴ) 頭から尾の先までまるっとバリバリ食べてしまいます pic.twitter.com/AJY2mygkVN
— 大葉⛅ (@DSinthewind) May 30, 2015
ガラカブはアラカブとも言われている魚で、全国的にはカサゴの名前で知られています。そんなガラカブも熊本の不知火海では美味しくいただける魚として親しまれており、特に唐揚げとしてよく食べられている魚です。
見た目がトゲトゲしている魚ですが、身は優しい味わいでお酒との相性も抜群です。お店によっては、わたぬきをしてそのまま豪快に丸ごと唐揚げにしているところもあります。このほか煮つけにしても、刺身にしても、照り焼きにしてもお酒に合ってしまう万能選手です。
しゃく天ぷら
干潟の美味を天ぷらで!しゃく天ぷら
祝 初しゃく天ぷら 食べました
シーズン突入です
7月位までです お早めに!!しゃく の 天ぷら
夏の熊本だけでしか食べられない
身も頭も殻も丸ごといただくエビの仲間https://t.co/NXWuwvHSWb pic.twitter.com/ePOlessjPM— 護国貫徹 バッキー (@backy78) April 28, 2019
しゃくは穴シャコと言われる海老のような外観とヤドカリのような頭を持つ甲殻類です。シャコという名前ですが、全く異なる種類で味わいも海老に近い印象があります。熊本では荒尾、八代などの干潟で漁獲され、熊本以外では流通しないという貴重な食材です。
そんなしゃくを天ぷらにすれば海老とは一味違った甲殻類の旨味を体験できます。当然お酒との相性も抜群の地元グルメです。
お肉系
馬刺し
消費量は日本一!馬刺し
馬刺しと言うと他県(福島、青森、長野など)などでも見られるグルメですが、熊本が知名度や消費量と共に日本一です。かつて熊本を治めていた加藤清正が朝鮮へ出兵した時にに兵糧攻めにあってしまい、飢餓を凌ぐために馬を食べたことが始まりと言われています。その後伝統料理として徐々に平時でも食べられるようになり、名物になるまでに発展しました。
美しい霜降りや鮮やかな赤身、お店によってはレバーも頂けるなど熊本らしい馬刺しの楽しみ方ができるのも魅力、もちろんお酒と一緒に楽しみましょう。
山都ころっけ
地元の幸を生かしたニューフェイス!山都ころっけ
山都ころっけの会さまの馬肉コロッケ!#ロアッソ熊本 スポンサー #roasso pic.twitter.com/0CssLPnGvm
— ウメダユースケ (@sponsoccer) May 31, 2014
地元の食材を生かしたB級ご当地グルメ、そんなコンセプトで開発されたのがこのコロッケです。熊本名産のあか牛をはじめ幻の豚「梅山豚(メイシャントン)」などたっぷりの肉類と熊本名物の椎茸を入れて絶妙な味わいに仕上げたこだわりコロッケです。
食材を全部は紹介しきれませんが、通常のコロッケとは比較にならない20品目の熊本の食材を入れているのも特徴と言えます。アツアツのコロッケを缶ビールや缶チューハイなどと一緒に頂けばきっと熊本の新しい魅力を感じられるはずです。
赤牛(あかうし)の焼肉
阿蘇の雄大な旨味を楽しむ!あか牛の焼肉
世界最大級のカルデラ、阿蘇では畜産業も盛んです。
そんな中、熊本のブランド牛として知られているのが阿蘇あか牛、スイスのシンメンタール種をルーツに持つこのブランド牛はあっさりとした味わいから焼肉にしても胃もたれしにくいという強みを持っています。お酒に焼肉は美味しいけど、胃が心配という方にも優しい、そして美味しいあか牛の焼肉をお酒と一緒に楽しみましょう。
熊本県の食の文化や郷土料理について
熊本県は阿蘇の活火山をはじめとした火の国というイメージがあります。しかし、名水100選に選ばれた白神水源や轟水源、池山水源、そして菊池水源など4つの場所を擁しているのです。これは富山県と並んで全国第一位の数となっています。
そんな水の国の顔も持つ熊本県は当然食材も豊富で質が高いのです。新鮮で力のある海の幸、山の幸、そしてそれらを地元の調理技術で料理に昇華させる豊かな食文化や郷土料理は決して他の都道府県に負けるとも劣らないと言えます。
次の項目からはこれらの自然から生み出された野菜やお菓子などを紹介していきます。これらの料理やお菓子からも、きっとお酒に合うおつまみを知ることができるのではないでしょうか。
野菜やお菓子
辛子レンコン
熊本名物の代名詞!辛子レンコン
熊本名物と言って最初に連想する方も少なくないのが辛子レンコンです。
もともと熊本城の非常食として堀で栽培していたレンコンに和辛子と味噌を混ぜたものを詰め、麦粉・空豆粉・卵の黄身の衣を漬けて揚げたことが発祥とされています。当時熊本を統治していた細川家の家紋に似ていたことから門外不出の料理として長年知る人ぞ知る料理として存在していました。
その後、辛子レンコンは一般の間でも食べられるようになり、その味わいから瞬く間に名物になったのです。レンコンの歯ごたえとからしの辛味がとてもお酒に合います。
一文字グルグル(ひともじグルグル)
ユニークな名前の野菜料理!一文字グルグル
わけぎを沢山貰ったので、熊本名物「一文字グルグル」作った!! pic.twitter.com/5tdzZ0n4td
— もみぢ (@hagimomiji) April 11, 2020
一文字グルグルは、わけぎを茹でて酢味噌で頂く料理です。方言でわけぎを一文字と言い、それを根元の部分で葉をぐるぐると巻き付けたものが名前の由来です。あっさりとした味わいはお酒にも相性が良く、ユニークな名前で話の種にもなるかもしれません。
元々は熊本藩の倹約令から生まれた料理であり、シンプルながら当時の人の工夫が詰まった料理です。肥後細川藩6代目藩主・細川重賢が安くて旨い酒の肴をという要望で生まれたという逸話もあるくらいお酒にも合うおつまみです。
いきなり団子
気軽に作れる伝統菓子!いきなり団子
いきなり団子は輪切りのさつまいもと小豆餡を餅や小麦粉の生地で包んで蒸したお菓子です。文字通りいきなり(短時間)作れることといきなりの来客でも作れるという言葉から来ているとされています。
そのシンプルさとは対照的にシンプルながらも美味しくいただけ、お酒にも合いやすいお菓子です。このいきなり団子は家庭のみならず菓子店やスーパーでも気軽に売られています。サツマイモの品種を工夫したり、あるいはさつまいもと小倉餡の2層をアレンジして小倉餡の部分を3層にすることでボリュームを増したりして各店や各家庭で工夫されているのも特徴です。
最近ではりんごのコンポート(砂糖煮)やきなこを入れたものなども登場しています。いずれもお酒に合うおつまみとして楽しめるのが魅力的なお菓子です。
熊本県の地酒の歴史 熊本県の地酒の歴史は灰持酒の一種赤酒が熊本で発症した独自のお酒です。これは、熊本の夏は熱く冬は寒いという特性の中、生み出されたお酒でもろ味に木灰を入れることで腐敗を防ぐという工夫がなされたお酒で後に清酒造りに移項する際のいしずえになります。 灰持酒を過熱して殺菌させることで生...
まとめ
火の国熊本県は豊富な水資源によって豊かな海の幸、畜産、野菜などの食材が生み出されています。そんな食材をうまく調理し、お酒に合うおつまみも多くあるのが熊本県です。
今回紹介した以外にも意外な料理に出会えるエリアでもありますから、興味があれば一度訪れてみてはいかがでしょうか。海の幸に山の幸に、いずれの一品料理も、あるいはお菓子もお酒との相性が良いものばかりです。