冬が近づくと「ボジョレーヌーヴォー解禁」というフレーズを色々なところで見かけます。なぜボジョレーヌーヴォーには解禁日が設定されているのでしょうか。
今回は人気ワインとして名高いボジョレーヌーヴォーについて、解禁日や歴史について詳しく解説したいと思います。またボジョレーヌーヴォーの味わいや種類についても述べていますので、ぜひチェックしてみてください。
※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール
目次
ボジョレーヌーヴォーとは?その歴史について!
ボジョレーはフランス・ブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区という場所のことです。そこではガメイ種と呼ばれる、ワインに適したぶどうが毎年収穫されます。
ヌーヴォーとはフランス語で「新しいもの」という意味を持ちます。すなわちボジョレーヌーヴォーは、ボジョレー地区で作られる新しいお酒のことを意味しています。
もともとボジョレーヌーヴォーは現地の人々が収穫祭で祝うために作られていたお酒でした。9月の収穫の時期に採れた新鮮な葡萄を2ヶ月という短期間で仕込むことで、フレッシュで果実の味を感じられるお酒が出来上がります。爽やかな味わいが人気を集め、地元からフランス全土、さらには全世界へと人気が広まっていきました。
解禁日はいつ?なぜ決められているの?
ボジョレーヌーヴォーの解禁日は11月第3木曜日午前0時と定められています。
解禁日が設定された理由としては、ワイナリー同士が早くワインを出荷しようと争いを始めてしまい、その結果質の悪いワインが出回ってしまったためです。このような混乱を避けるため、フランス政府が1967年にその年の新しいワイン、つまりボジョレーヌーヴォーの解禁日を設定しました。
実は最初に設定されていた際は、解禁日は11月11日でした、その後は15日と、歴史の中で解禁日が何度か調整されました。現在は日付ではなく曜日で指定されていますが、これは日付で指定してしまうと日曜日など休みである場合があり、流通業者やレストランがその日に販売できないためです。
なお日本は時差の関係上、フランスよりも午前0時が8時間早く訪れます。すなわち、本場よりも8時間早くボジョレーヌーヴォーを楽しめる土地でもあるのです。
ボジョレーヌーヴォーには種類がある?
ボジョレーでは上記で述べたガメイ種の赤ワインを中心に、さまざまなワインが作られています。大まかに分類すると以下のような種類があり、下に行くにつれてランクが上がります。
1.ボジョレー
一般的によく親しまれているボジョレーワインのことで、ボジョレー地区で作られたガメイ種を使用したワインはこの名を名乗ることができます。手頃な価格帯とフレッシュで飲みやすいのが魅力です。
2.ボジョレー・ヴィラージュ
ボジョレー地区の中でも、AOC(原産地統制呼称)により定められた、優れた39の村で作られるものだけがこの名を名乗れます。通常のボジョレーよりもコクがあり、その分値段も高くなります。
3.クリュ・デュ・ボジョレー
ボジョレー地区の中でも特に良質な葡萄を生産するクリュからできたものを、クリュ・デュ・ボジョレーと呼びます。クリュとは畑のことです。
ボジョレーヌーヴォーはどんな味?注目される秘密について
ボジョレーヌーヴォーは上記でも述べたとおり、収穫されたばかりの葡萄を素早く仕込み作られたワインです。そのため果実感が強く、フレッシュさが魅力です。軽い飲み口で大変飲みやすく、誰でも気軽に飲めるというのがポイントです。
獲れる葡萄の味がそのままワインの味に反映されるため、収穫される畑や年度によって味わいが異なります。そのためボジョレーを飲めばその年の葡萄の出来栄えやこれから熟成されるワインの質がわかるとも言われており、飲みやすいだけでなくワイン愛好家からも大きな注目を集めているワインです。
コロナの影響で解禁日に変化はあるのか?
2020年は全世界で大きくコロナウイルスの影響を受けてしまいました。そこでボジョレーヌーヴォーの解禁日はずれてしまうのではないか、と心配した方も少なくないでしょう。
結論から述べると、2020年もボジョレーヌーヴォーはきちんと解禁されます。例年通り11月の第3木曜日に解禁されるため、今年は11月19日(木)から楽しむことができます。
キャッチコピーが面白い!
ボジョレーヌーヴォーには毎年ユニークなキャッチコピーがつけられます。例えば2019年は「バランスのとれた味で、適度な量と品質の高いワイン」というキャッチコピーが付けられていました。
10年に1度の当たり年!や、今世紀最大の味!などと言われていた年もあり、その年の葡萄の出来栄えによってキャッチコピーは変化していきます。2020年は未だキャッチコピーが発表されていませんが、ボジョレーヌーヴォーに興味がある方はぜひキャッチコピーもあわせてチェックしてみてくださいね。
ボジョレーヌーヴォーに合う料理やおつまみは?
ボジョレーヌーヴォーはフレッシュでみずみずしい味わいが特徴です。料理やおつまみに合わせる場合には、やや軽めのものがおすすめです。
特に人気があるのはマリネなどのシーフードです。そのほかローストビーフや生ハムなど、ややさっぱりとした肉料理とも相性が良いです。さらには和食の味付けとも合うと言われています。ぜひ合わせてみてください。
2020年ボジョレーヌーヴォーおすすめ9選
1.ジョルジョ・デュブッフ ボジョレー・ヌーボー2020
2.モメサン ボジョレー・ヌーボー2020
フレッシュな酸味の中に果実の香りをしっかりと感じられる1本です。ラベルデザインが毎年おしゃれで、2020年は「自然への目覚め」をテーマにした華やかなラベルです。ワインオープナーが不要のスクリューキャップを採用しており、自宅でも気軽に楽しみやすいです。3.ルイ・テット ボジョレー・ヌーボー・ヴィラージュ2020
いちごミルクやブルーベリージャム、さらには華を思わせる、華やかな香りが特徴のボトルです。酸味やスパイシーさにほんのりと甘い果実味が混ざった、鮮やかな飲み口のボジョレー・ヴィラージュです。4.アンリ・フェッシュ ボジョレー・ヌーボー2020
5.ピエール・ポネル ボジョレー・ヌーボー2020
6.ジョルジュ・デュブッフ ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー2020
7.ドミニク・ローラン ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー2020
世界の愛好家から愛されているボジョレー・ヴィラージュです。樹齢30年以上の古樹を使い、天然酵母のみで醸造されるというこだわりを持ってできた1本です。よくあるボジョレーに比べ、圧倒的に豊かで芳醇な飲み心地です。8.ジョルジュ・デュ・ブッフ ボジョレー・ヌーヴォーロゼ2020
飲むと優しい香りが広がり、余韻をしっかりと感じられます。冷やして飲むのもおすすめです。
9.ハローキティ ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー2020
見た目に可愛いのはもちろんですが、味もきちんと本格派です。
解禁されるボジョレーヌーボーをチェックしよう!
フレッシュな葡萄を使って作られるボジョレーヌーボーは、毎年味わいが異なります。その時にしか飲めない味わいを堪能できるチャンスですので、ぜひチェックしてみてください。レストランやお店はもちろんですが、今年はネット通販で自宅で楽しむのもおすすめです。大切な人にギフトとして渡すのもいいですね。