富士山麓

ウイスキー「富士山麓」シグニチャーブレンド・18年の特徴と人気の3つの理由

富士山麓(ふじさんろく)は、日本の洋酒メーカーであるキリンディスティラリーが製造しているウイスキーの銘柄の一つです。販売は麒麟麦酒株式会社およびキリン株式会社が行っています。
その名のとおり富士山のふもとにて作られており、美味しい水と涼しい気候というウイスキーづくりにぴったりな環境から生まれた飲みやすいブレンデットウイスキーです。
ここでは「富士山麓が気になっている!」という方のために、その味わいや特徴についてまとめています。ウイスキー選びの参考にしてみてください。

「富士山麓」の特徴

富士山麓が初めて発売されたのは2005年のことです。
当時ウイスキーブームはやや下火になっており、キリンは打開策のために新たな顔となるウイスキーの製造を計画しました。ウイスキー本来の香りと味わいを持つ本格的なものを低価格で作るということを目標に完成されたのが、最初のモデル「富士山麓 樽熟50°」です。その後2006年に改良が加えられ、「富士山麓 樽熟原酒50°」としてリニューアル発売されました。

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香りはフルーツの甘さの中からピート香も感じられ、上品で芳醇です。加水が抑えられておりアルコール度数は50度と高めですが、刺激は強すぎず滑らかな舌触りで口当たりが良いです。
発売当時は1000円ほどの安価で購入ができ、それでいて美味しいとウイスキー好きの方の中で好まれていました。しかし近年では国内外での爆発的なウイスキーブームにより原酒の確保が困難となり、2019年3月をもって終売となってしまいました。そのため、親しみやすいウイスキーからやや希少価値のあるウイスキーへと位置づけが変化してきています。

「富士山麓」のポイントはグレーンウイスキーにあり

富士山麓は複数のモルト酒やグレーン酒をブレンドした「ブレンデットウイスキー」です。
モルト酒とは大麦麦芽100%を使用して作られたウイスキー原酒で、グレーン酒はトウモロコシや小麦などの穀類と麦芽を原料として作られているものになります。
ブレンデットウイスキーは通常モルト酒がメインとなることが多いのですが、富士山麓はグレーン酒造りにもこだわっているところが大きなポイントです。
富士山麓が作られているのは「富士御殿場蒸溜所」です。ここで、ベースとなるモルト酒はもちろん、3種類ものグレーン酒を作り分けており、これらを腕のあるブレンダーがこだわりぬいたバランスでブレンドしています。質の良いグレーン酒が加わることで、富士山麓には柔らかさや深みが生まれているのです。
3種類のグレーン酒はそれぞれ以下の様な特徴を持ちます。

  • ライトタイプ:スッキリとした飲み口で、ブレンドした時に全体をまとめてくれる役割を持っています。
  • ミドルタイプ:フルーティさとカラメル、パンケーキのような甘さが特徴です。バランスが良く、ブレンドの要となるのはもちろんグレーンのみでも活躍できるほどの味わいです。
  • ヘビータイプ: アメリカのバーボン製造に使われるダブラー蒸留器を用いて作られており、重厚で濃厚、華やかな原酒です。

「富士御殿場蒸溜所」について

富士御殿場蒸溜所は静岡県の御殿場市に位置するキリンディスティラリーの蒸溜所です。世界中でも見ても珍しい、モルト酒とグレーン酒の両方を製造している蒸溜所になります。

1973年の蒸溜所設立以来、「ロバートブラウン」「ボストンクラブ」などの安価で評判の高いウイスキーを数々製造してきました。
富士の伏流水や自然の豊かな恵みを受けて作られた原酒を、小樽熟成によってしっかりと香りづけしています。効率よりも味を求めて手間をかけて作られた原酒は、味・香りともに高い品質となっています。
富士御殿場蒸溜所では蒸溜所見学ツアーを行っており、ウイスキーの製造過程や試飲などを楽しんでいただけます。ここでしか買えない限定品の取り扱いもあるので、興味を持たれた方は申し込んでみると良いでしょう。
富士御殿場蒸溜所(静岡)キリンの工場見学

「富士山麓」が人気である3つの理由

富士山麓は現在とても人気のあるウイスキーです。味が良いのはもちろんのこと、ブームに火が付いたのには以下の様な背景があります。

1.フランスを筆頭とした、海外での大流行

日本のウイスキーはジャパニーズ・ウイスキーと呼ばれ、世界5大ウイスキーの一つにもなるほど国外での人気が高いです。特に「富士山麓」はフランスでの人気が高く、高級酒の販売代理店社長がわざわざ蒸溜所を訪れ輸入を決意したこともありました。
フランスではカクテルベースに使われたり、日本酒と併せて提供されたりすることも多いです。

2.ハイボールブームからの国内ウイスキー人気

富士山麓は海外のみならず国内人気も高い銘柄です。
もともと知る人ぞ知るというイメージだった富士山麓ですが、近年国内でハイボールが大流行したことに伴ってウイスキーに興味を持つ方が増加しました。高級ウイスキーに比べると挑戦しやすい価格帯も魅力的で、幅広い方から愛されるウイスキーとなりました。

3.マスターブレンダー田中城太氏の受賞

3つ目の人気の理由として、麒麟麦酒株式会社のマスターブレンダーである田中城太氏が、アイコンズ・オブ・ウイスキー(IOW)2017にて世界最優秀であるマスターディスティラー/マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことが挙げられます。
IOWは英国パラグラフ・パブリッシング社が主催するコンテストで、世界のウイスキー業界に貢献を果たした蒸溜所や人物について表彰するものです。そこで田中氏が表彰されることにより、深く関わっていた「富士山麓」ブランドの確固たる地位が確立されました。

「富士山麓」のラインナップをご紹介

富士山麓 樽熟原酒 50°

富士山麓 樽熟原酒50度
富士山麓シリーズのレギュラーボトルです。安価かつ飲みやすい口あたりでウイスキー初心者の方からも愛される1本です。
青りんご、マスカットといったフルーツの甘さが香り、グレーン酒由来の華やかさも加わっています。通常のウイスキーよりも加水が抑えられているため、アルコール度が高くコクを感じる味わいです。加水するとやや酸味が加わり引き締まった味になります。
終売に伴い価値が上昇し、現在は定価1,300円ほどに対し4000円前後で取り引きされています。

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富士山麓 シグニチャーブレンド

富士山麓 シグニチャーブレンド
田中城太氏によって手掛けられた、2017年4月に発売されたシリーズです。当初は蒸溜所やオンラインのみの限定販売とされており、2018年から一般にも販売されるようになりました。
熟成年数ではなく、樽ごとの熟成度合いをチェックしもっとも時期が良いものと判断された原酒をブレンドしたウイスキーです。メロン、青りんご、洋ナシ、バニラの華やかな味わいを感じられ、余韻はオークが長く続きます。上記のボトルと比べるとまろやかな円熟味が増しています。
元々は樽熟原酒 50°に比べ定価が上回る上位ランクの位置づけでしたが、現在では一番手に入りやすく親しみやすいボトルとなっています。定価は5,500円で、ちょっとした贈り物にもぴったりです。

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富士山麓 シングルモルト18年

富士山麓 シングルモルト18年
上記で富士山麓はブレンデットウイスキーと説明しましたが、こちらのシリーズはモルト酒のみを使用した“シングルモルトウイスキー”です。
酒齢18年以上のモルト酒のみを使用しており、熟したメロンや洋ナシのフルーツ香が凝縮されています。かすかにピートも感じられ、一口飲むと柔らかな口当たりとともに贅沢な樽香が広がります。余韻はオークとドライなピートが長く続きます。
こちらはレギュラーボトルとは異なり、コルク栓やパッケージなどにもこだわった高級志向で作られたものになります。2015年に終売し現在ではとても貴重で、7万円ほどの価格がつけられています。

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富士山麓 ブレンデッド18年

富士山麓 ブレンデッド18年
こちらは酒齢18年以上まで熟成されたモルト酒・グレーン酒を掛け合わせたものです。熟成した分力強さが増しており、香りや余韻の奥行きが楽しめます。富士山麓らしいフルーツ香はそのままに、濃縮したジャムのような濃厚な甘みとヨード感を感じられます。こちらも3~4万円ほどで取り引きされるなど、大変人気の高い1本となっています。

富士山麓のおいしい飲み方

ハイボール
アルコール度の高い富士山麓は、「ハイボール」にして飲むのがおすすめです。味わいがまろやかで炭酸との相性が良く、メイン料理や油分の高いおつまみを合わせても楽しめます。

フルーツのような甘さが特徴的なウイスキーなので、レモンやライムを絞ってさっぱりと飲むのもおすすめです。
また柔らかな口当たりで飲みやすいので、アルコールに強い方はストレートやロックで飲むのも良いです。アルコール度は高いですが刺激は意外と少なく、少しずつ口に含むことで味の広がりを楽しめます。挑戦しやすい価格帯のウイスキーなので、いろいろな飲み方を試しながら比べてみるのもいいかもしれません。

まとめ

国産ウイスキーの中でも手にとりやすく飲みやすい「富士山麓」は、日常の食事からちょっとした贈り物と幅広いシーンにおすすめ出来るウイスキーです。人気上昇で在庫がすべてなくなってしまう前に、是非飲んでみてください。

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