日本酒は難しいイメージがあるから自分で選ぶ事ができない・・そのように感じている人もいるのではないでしょうか。しかし日本酒は難しいものではありません。
日本酒についているラベルを見ることで、あなたでも飲む前に日本酒の味が想像できるようになってしまうのです。
飲む前にだいたいの味が分かれば選びやすいと思いませんか。
そこで今回は日本酒初心者の人でも日本酒ラベルが読める、ラベルが分かるように日本酒ラベルについてまとめてみました。
ラベルから味を読み解く
日本酒のラベルは表ラベル(胴ラベル)と裏ラベル、肩ラベルがあります。表ラベルは必ずついているラベルです。このラベルが無ければお酒の種類が分かりません。一番大きなラベルで一目で日本酒の名前が分かるようになっています。
裏ラベルも表ラベルと同じように必ずなければいけないものです。このラベルには表ラベルでは表示しきれない細かい情報が記載されています。
ここは特にしっかり読みたい部分です。
肩ラベルはついている日本酒とついていない日本酒があります。つけても良いしつけなくても良いラベルになっています。
このラベルには蔵元名が記載されていることが多いです。
ラベルには色々な情報が詰まっていますので、これを正しく読むことができれば日本酒の味が予想できるのです。
でもラベルを見ただけで本当に味が想像できるのかちょっと不安ですね。
確かに日本酒を飲んだことが無い場合は、味の説明がしにくいかもしれません。
これからさらに詳しくラベルを読むポイントをご説明していきますね。
ラベル表示の読み方のポイント
では実際にラベルを読んでみましょう。
ここでは「酔鯨 純米吟醸 吟麗」のラベルを例にして見ていきます。
表ラベル(胴ラベル)の読み方と意味
酔鯨 純米吟醸 吟麗の表ラベル(胴ラベル)
銘柄名
これが記載されていないと日本酒の名前が分かりません。お酒の名前が有名だとこの部分を見ただけでどんな日本酒なのか分かる人もいます。
ここでは「吟麗酔鯨」と中心部分に大きく記載されています。銘柄がとても分かりやすく表示されていますね。
特定名称酒の種類
特定名称酒とはお酒を造る際のお米の精米歩合や原料の条件を満たしていることを証明する表示です。一定の条件を満たしていなければ表示できません。
分類は主に3つあり、「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」のどれかが記載されています。
こちらの日本酒では「純米吟醸酒」と記載されています。
純米吟醸酒は精米歩合60%以下の米を使用して米麹と水とともにゆっくり低温発酵させて造られたものです。
表示では精米歩合50%となっていますね。
製造年度(BY記載の場合もある)
ここを見ればいつ蔵元から出荷されたお酒なのかが分かると言われています。ただし蔵元によって表示の仕方が異なっており、賞味期限を表示していたり、瓶に日本酒を詰めた日を記載している場合もあります。
また「BY」というアルファベット表示となっている事もあります。BYは醸造年度の意味なのでこちらもいつ造られたお酒なのかということを表示しています。
少しややこしく感じるかもしれませんが、製造年度でお酒の味も変わるので見ておくと良いでしょう。
裏ラベルの読み方と意味
続いて裏ラベルを読んでいきましょう。
酔鯨 純米吟醸 吟麗の裏ラベル
原材料名
そのお酒を造る際に使用した原材料が記載されています。お酒造りに使用したお米の品種名も記載されます。
ここでは「松山三井」というお米が100%使用されていることが分かります。松山三井は酒造好適米では無いのですが、大粒で砕けにくいため酒造りに使用されています。愛媛県のみで栽培されているとても貴重なお米です。普通に炊いて食べるお米として栽培されていたのですが、需要が少なくなってしまい酒造用米として使用されるようになったと言われています。
精米歩合
お米をどのくらい精米しているのかが記載されています。日本酒を造る際には、通常食べるお米よりもしっかり精米されます。米を削って精米しますので、どれだけ削ったのかが分かるようになっています。
ここでは50%と表示されていますので、残りの50%は糠であった事が分かります。日本酒造りでは60%以上糠となる場合もあるようです。よほど大きな米粒でなければ日本酒が造れないことが分かります。
酸度
お酒の中に含まれる有機酸の量がどれくらいなのかが表示されています。有機酸は乳酸やリンゴ酸などが挙げられます。この表示の数値が高いものは辛いお酒、低いものは甘いお酒になります。ただし酸度だけでは辛口や甘口は決定できません。
お酒の香りや温度、アルコール度数など様々な要因でお酒の味は決まります。
酸度だけでなく他の表示も確認し味を想像しましょう。ここでは1.6±0.1と表示されています。酸度の数値だけでみると、甘口と辛口のちょうど中間くらいのになっています。
アミノ酸度
アミノ酸は旨味を感じる成分です。旨味を構成している成分がどれくらい含まれているかを表示しています。アミノ酸度が高いと濃厚なうま味を感じることができ甘口です。
余韻も残りやすくなります。アミノ酸度が低いとすっきりした味わい、辛口となります。
しかしこの数値も他の数値とのバランスで味に変化が出るものなのでアミノ酸度だけでは味は決められません。ここでは0.9±.01と表示されています。
日本酒度
日本酒度はその日本酒が甘口なのか辛口なのか分かりやすく表示しているものになります。こちらも酸度やアルコール度数、アミノ酸度のバランスで味が変わってくるものにはなるのですが、この数値を見れば甘口なのか辛口なのかおおよその目安になると言われています。糖分が多いものは甘口と感じられますし、糖分が少ない場合は辛口に感じられます。日本酒度では糖分が多いものがマイナスと表示され甘口になります。糖分が少ないとプラスと表示され辛口になります。
-1.4~+1.4が普通となっており、下記のような味に分けられます。
- (-1.5~-3.4 やや甘口)
- (-3.5~-5.9 甘口)
- (-6.0以上 大甘口)
- (+1.5~+3.4 やや辛口)
- (+3.5~+5.9 辛口)
- (+6.0以上 大辛口)
ここでは+7.0と表示されていますので、日本酒度だけで見ると大辛口と分かります。
杜氏
これは日本酒の製造者の名前です。酒造りの代表者とも言えます。職人さんで日本酒の味をしっかり見極められるプロです。
日本酒は1人で造れるものではありませんが、代表者として記載されます。ここでは松本誠二さんと記載されています。
出身地
杜氏の出身地が記載されています。ここでは広島県廿日市市となっています。
これ以外にも日本酒のラベルには様々な情報が記載されています。
各日本酒で表示される内容に多少違いがありますので、チェックしてみてください。
おしゃれなラベルの日本酒
日本酒好きには、ラベルを集めるのが趣味という人もいます。
どんな日本酒を飲んだかコレクションするためにラベルを集める人もいますし、おしゃれなラベルなので残しておくという人もいるようです。
ラベルを工夫している日本酒は意外と多く、おしゃれなラベルは飲んでみたいという購買意欲もかきたてるようです。
ここではおしゃれなラベルの日本酒をご紹介します。
FISHERMAN SOKUJO Deep純米吟醸原酒
日本酒のように見えないデザインのラベルでワインのようなおしゃれな感じがします。
英語表記されていて海外からも注目されている日本酒です。どんな味なのか飲んでみたくなりますよね。
変わったラベルの日本酒
おしゃれなラベルの日本酒も素敵ですが、変わったラベルの日本酒も目を惹きますね。
喜久盛 タクシードライバー
漫画が描かれた強烈なインパクトがあるラベルです。手にとっても買うのをためらうかもしれません。お酒の名前もとても個性的ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。日本酒のラベルには色々な情報が記載されていることが分かったと思います。すべて読めるようになるには少し時間がかかるかもしれませんが、ポイントを押さえて日本酒の味を想像してみてくださいね。