ワインは私たちの生活のさまざまなシーンで親しまれているアルコールです。日常の食卓や晩酌で楽しむのはもちろん、上質なレストランで高級ワインを飲んだり、パーティーシーンで提供されていることもあります。そのまま飲むだけではなく、料理の材料として使われることも多いです。この記事を読んでいる方の中にも、「ワインが好き」という方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール
目次
今の日本におけるワイン業界の現状は?消費量や出荷数が伸びているって本当?
ワイン市場はここ30年あまり成長を続けています。特に2000年代に入ってからは、国内のワインの消費量が一気に伸びています。なんと30年前に比べると、消費量は約3倍にも増加しています。
果実酒の出荷量(課税移出数量)の推移
年度 | 国内出荷分 | 輸入分 | 合計 |
---|---|---|---|
1991年 | 62,000kl | 57,000kl | 119,000kl |
1994年 | 64,000kl | 82,000kl | 146,000kl |
1997年 | 119,000kl | 149,000kl | 268,000kl |
2000年 | 103,000kl | 166,000kl | 269,000kl |
2003年 | 89,000kl | 159,000kl | 248,000kl |
2006年 | 81,000kl | 155,000kl | 236,000kl |
2009年 | 83,000kl | 167,000kl | 250,000kl |
2012年 | 99,000kl | 245,000kl | 344,000kl |
2015年 | 113,000kl | 266,000kl | 379,000kl |
2018年 | 119,000kl | 236,000kl | 355,000kl |
出典:国税庁 国内製造ワインの概況 果実酒の出荷量(課税移出数量)の推移
ワインの消費量が増えた理由としては、定期的に訪れるワインブームが挙げられます。日本の食生活はここ数十年で多様化しており、それに合わせてワインがさまざまなシーンで飲まれるようになっています。1990年前後にはヴォジョレーヌーヴォーを中心とする高級ワインが流行、1997年ごろには赤ワインの大ブーム、そして近年では低価格の輸入ワイン市場拡大により、ワインの消費量は増え続けています。
ここ最近ではチリ産を中心とした輸入ワインが流行、国内産ワインでは日本産のブドウにこだわったものが高い人気を集めています。成長し続けているワイン業界の中では造り手・売り手ともに新たな人材が求められています。
日本のワインはどこで作られる?ワイナリーの場所から仕事を考えてみよう
ワインを造る「ワイナリー」は日本全国にあります。その中でも特に有名なのが山梨県、北海道、長野県、山形県です。
ワイン造りには原料であるぶどうが欠かせません。そのため美味しいぶどうが栽培できる土地にワイナリーは集まっています。もしワインを造る仕事に携わりたい場合は、ワイナリーの場所から確認しておくとよいでしょう。
なお日本のワインの大きな特徴として、多様なワインが造られていることが挙げられます。例えば有名な白ワイン品種の「甲州」を使ったワインや、赤ワイン用の品種「マスカット・ベーリーA」などの日本独特の品種、そしてシャルドネやメルローなどワイン用の品種とされるブドウを使ったものなどです。
国産ワインのひとつ、山梨ワインをご存知ですか?世界からも注目され、数々の受賞歴があるワイナリーがある山梨県の山梨ワインは、海外産のワインとは違った魅力をもっています。和食にもよく合い、これまでとは違った楽しみ方もできる山梨ワインについて紹介します。 山梨ワインとは? 山梨県は、富士山に代...
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 |
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ワインに関わる職種にはどんなものがあるの?ソムリエ以外にも色々な仕事がある!
ワインに携わるための手段はさまざまです。醸造家としてワイン造りを行ったり、ソムリエとしてワインの評論家として活躍するなどです。また市場が拡大しているワイン業界では、インポーターや商品開発などの職種も求められています。
ワインバー
- 仕事内容:ワインバーの経営や運営、接客など
- 必要なスキル:ワインの知識やサービススキル、経営能力など
- 年収・月給:年収300万~400万円前後
ワインバーはお酒やビールではなく、ワインを中心に取り扱うバーのことです。赤ワインや白ワイン、そしてシャンパンなどをメインにお客様に提供します。
ワインバーで働くには、幅広いワインの知識が必要となります。ただし未経験からアルバイトスタッフとしてスタートし、働きながら知識や資格を身につけることも可能です。
中にはワインバーで長年働き、独立して自身でお店を出す方もいます。「自分のお店を持ちたい」という方や「直接お客様と関わりたい」という方にはぴったりの職種だと言えるでしょう。
ただし自身でお店を開く場合、単純にワインが好き、ワインに詳しいというだけでは成り立ちません。飲食業界の動向を調べ、経営スキルや運営スキルも身につけておく必要があるでしょう。
ワインバーにもおすすめの求人転職サイト:フーズラボ
フーズラボは飲食店専門の転職支援サービスです。一般のサイトには掲載されていないような特別な求人も多く、キャリアアドバイザーが個人の能力を確認しながら、求人をマッチングしてくれます。今だけでなく将来のキャリアを見据えての転職ができるため、飲食業界で長く活躍していきたいという方にぴったりです。
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ソムリエ
- 仕事内容:ホテルやレストラン、バーなどにおいてワインの紹介、提供、保管、品質管理など
- 必要なスキル:ソムリエ(日本ソムリエ協会認定資格)
- 年収・月給:年収300万~500万円程度※職種による
ソムリエはワインの専門家として非常に有名な職業です。主な仕事内容は、レストランやバーなどの飲食店において、ワインの知識を活かしながらお客様にワインを提供することです。ただワインについての知識だけでなく、味わいなどを正確に把握できる舌も求められます。
ソムリエの大きなメリットは、飲食業界の中でもソムリエの資格があれば給料が高くなる傾向にあるという点です。ソムリエ資格があれば、格式の高いレストランなどでも採用してもらえる可能性が上がります。具体的には下記のような資格があります。
ただし注意点として、ソムリエの資格は一度取ればいいというわけではなく、常に勉強することが求められることに気をつけておきましょう。なぜならワインというものは毎年出来栄えが変化するので、同じ銘柄であっても全く違う味となることがあり、それを全て理解しお客様に伝える必要があるためです。
なおソムリエ資格があれば、レストランなどの飲食店以外にもメディアでワインを評価したり、ワインのセミナーを開いたりとさまざまな活躍ができます。ワインを仕事にしたいという方にとっては、取得しておいて損のない資格と言えるでしょう。
ソムリエにもおすすめの求人転職サイト:リクナビNEXT
ソムリエは飲食店で働くのはもちろん、知識を活かしてメーカーで勤務したり、広報や企画の仕事に就いたりと、非常に活躍できる場が多いのが特徴です。数ある求人の中から自分にぴったりの仕事を探したいのであれば、リクナビNEXTを利用してみることをおすすめします。
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「ソムリエ」などで知られるお酒の資格には、さまざまな種類があることをご存知でしょうか。実はいま、このお酒の資格が一般の方の間で大きな注目を集めているんです。 お酒に関する資格を取れば、プロのようにお酒に詳しくなれます。お酒を飲みながら友達と楽しく語ったり、お酒と相性のいいおつまみと一緒にお酒を飲ん...
醸造家
- 仕事内容:ブドウの栽培、ワインの醸造、出荷など
- 必要なスキル:ワイン醸造技術管理士(エノログ)など
- 年収・月給:年収300万~400万程度
ワイン醸造家は、ワイナリーなどにおいてワインを造る人のことです。ワイン造りは原材料であるブドウが非常に大切なため、まずはブドウの栽培から行う必要があります。
ワイン醸造家になるためには、醸造学や農学などの知識が必要です。ワイン醸造家の中には大学で醸造学科に通っていたという方や、農学、化学などを学んでいたという方が多く存在します。
なおワイン醸造に関する資格には「ワイン醸造技術管理士」というものがあります。これは一般社団法人葡萄酒技術研究会エノログ部会による資格で、工業高校や専門学校、大学などでワイン醸造に関する知識を取得し、さらに3年以上の実務経験を積み、的確だと判断された場合に資格取得できます。
そのほかフランスなどのワインに留学し、ワイン醸造の技術を学ぶという方もいます。一度酒造メーカーなどに就職し下積みをしてから、ワイナリーで働き始めるという方も存在します。
醸造家にもおすすめの求人転職サイト:doda
ワインの醸造家として活躍できる場所を探している方は、dodaに登録し求人を探してみてはいかがでしょうか。dodaには非公開求人を含み12万件以上もの求人が登録されていて、職種はもちろん勤務地や勤務条件などから自分に合った就職先を探すことができます。
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ワインインポーター
- 仕事内容:海外からワインの輸入、手配、発注、卸売など
- 必要なスキル:外国語、ソムリエ資格、PCスキルなど。輸入酒類卸売業免許など
- 年収・月給:年収300万~500万円程度
ワインインポーターは、海外からワインを仕入れて日本のレストランなどに提供する仕事です。海外のワイナリーと取引をするため、ワインの知識だけでなく外国語力などが求められます。そのほかお店などと取引するための営業力などもあると良いでしょう。
ワインインポーターは大手の商社レベルで行っているところもあれば、個人企業の規模で行っている場所などさまざまです。未経験からワインインポーターになるためには、大手の企業や商社などに入り、経験を積むことが1番の近道となります。
ワインインポーターのメリットとしては、ワインの魅力をより多くの人に伝えられること、そして働き方の自由度が高いことが挙げられます。一流のインポーターになれば自身で起業して好きなようにワインを輸入したり、インポーター発信でレストラン経営やショップ展開するという方もいるほどです。
ただし一流レベルになるためには、ワインの知識はもちろん経験、人脈、コミュニケーション力とあらゆる側面からの高い能力が必要となります。また流行や業界の動向をうまく捉えるセンスも求められます。
ワイン販売
- 仕事内容:百貨店やインターネットなどでワインを販売する
- 必要なスキルや免許:接客スキルや一般酒類小売業免許、通信販売酒類小売業免許など
- 年収・月給:年収250万円~400万円
ワイン販売は百貨店などのお店にて、お客様に直接ワインを販売する仕事のことです。特に高級ワインは日常の食卓というよりも、ギフトや贈答品、パーティ用などとして選ばれることが多いため、高い接客力と豊富な知識が求められます。ただワインが好きというだけでなく、人と関わるのが好き、人の喜ぶ顔が好きという方に向いている仕事と言えるでしょう。
なおワインのようなアルコール類は、誰でも勝手に販売していいというわけではありません。ワインを扱うお店は、「一般酒類小売業免許」を取得していることが必須です。
またインターネットなどでワインを売る場合、「通信販売酒類小売免許」が必要です。売り方や業種、形態によって必要な資格や免許が異なるため、ワインを売る仕事がしたいと考えた方はしっかりと確認しておきましょう。
ワイン販売にもおすすめの求人転職サイト:ハタラクティブ
ワイン販売の仕事がしてみたいと思ったら、速やかにエージェントサービスに登録しましょう。20代向けの求人を豊富に取り扱うハタラクティブなら、未経験からでもできるワイン販売の仕事を探すことができます。
仕事内容はもちろん職場の雰囲気なども知ることができるため、初めての転職で緊張しているという方も安心です。わからないことがあればハタラクティブの専門の就活アドバイザーにぜひ相談してみてください。
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ワイン企画・営業など
- 仕事内容:企業やメーカー等で企画、広報、営業などの仕事を行う
- 必要なスキル:ワインの知識など
- 年収・月給:年収250万円~500万円
ワイン業界は非常に規模が大きいです。そのため醸造家としてワインを造る、お店でお客様に直接ワインを売るという仕事以外にも、さまざまな仕事が存在しています。例えば広報としてワインを宣伝したり、ワインのイベントを企画したり、自社のワインを飲食店に売り込む営業をかけたりなどです。
特に大手のメーカーでは、ワインを売る・造る仕事以外にも、上記のようなさまざまな仕事に力を入れています。ワインについて広い視野を持って関わっていきたいという方は、ワインを扱っている大手メーカーへの就職を目指すのもありです。
大手メーカーというと敷居が高く聞こえるかもしれませんが、職人肌である醸造家やセンスが大きく問われるソムリエなどと違い、企画や営業などは強い意志があれば新人からでも目指せやすい仕事でもあります。
ワイン企画・営業などにもおすすめの求人転職サイト:就職shop
就職shopは、20代の方が多く利用する就職サポートのサービスです。登録企業数が1万社を超えており、数ある求人の中から自分に合った就職先を探すことができます。
書類選考なしで経験や資格から自分に合った企業の面接を直接受けられるため、ワイン企画や営業としてすぐに活躍したいという方もスムーズに転職ができます。
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物流・工場・品質管理関連
- 仕事内容:ワイン醸造所やメーカーの工場で、商品の梱包や仕分け、配送の手配などを行う
- 必要なスキル:資格は不要
- 年収:300万円~400万円程度
ワインが製造されてからお客様のもとに渡るまでには、梱包作業や配送作業なども必要になってきます。特に大手のメーカーや工場などでは、物流関連の仕事を製造とは別に分担して作業していることがあります。そのためワインに関わる仕事をしたいのであれば、物流・工場系で仕事を探すのもありです。
梱包や配送などの仕事は未経験からでもチャレンジしやすいのが魅力です。ワインの取り扱い方法などの知識は必要であるものの、専門資格は不要なため働きながら覚えていくことが可能です。メーカーに就職して物流や品質管理の仕事に就くほか、派遣スタッフや契約社員として工場勤務を希望するのもありです。
なお注意点としては、ワインはお酒の中でも繊細な飲み物であり、正しく取り扱わないとすぐに劣化してしまうことが挙げられます。責任感を持って、ルールを守りながらコツコツ働くのが得意な方に向いている仕事と言えるでしょう。なお業務内容によっては、スケジュール管理能力が求められたり、力仕事が必要になる場合もあります。
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ワインに関する資格とは?学校で学ぶこともできる?
ワインの仕事に就きたいと思った方は、やはりワインに関する資格を持っている方が断然有利になります。飲食店でソムリエとして働きたい方、そしてワインの醸造家になりたい方には「ソムリエ」資格を取得することをおすすめします。
なお本格的なプロのソムリエは、3年以上の実務経験が求められます。もし未経験からワインの資格を取得し、ワインの仕事に就きたいとなったら「ソムリエ・ワインエキスパート」を目指すとよいでしょう。これはソムリエ協会が行っている資格ですが、プロ資格のソムリエとは違い実務経験がない方でも取得ができます。
そのほか海外にも視野を広げたい方は、WSET(Wine & Spirit Education Trust)の資格を取得するのがおすすめです。こちらはロンドンの本部をおく酒類教育機関の資格で、世界的な知名度はワインエキスパートよりも上です。
そしてこれらの資格を身につけるためには、「アカデミー・デュ・ヴァン」のような専門的なスクールで学ぶのがおすすめです。資格対策に向けた専門学校なら、短期間で合格を目指すことができます。
「ソムリエ」などで知られるお酒の資格には、さまざまな種類があることをご存知でしょうか。実はいま、このお酒の資格が一般の方の間で大きな注目を集めているんです。 お酒に関する資格を取れば、プロのようにお酒に詳しくなれます。お酒を飲みながら友達と楽しく語ったり、お酒と相性のいいおつまみと一緒にお酒を飲ん...
まとめ
ワインに関わる仕事はワイナリーで働く人、醸造家などの造り手から、レストランでのソムリエ、そして販売スタッフなどさまざまです。ワインに関わる仕事がしたいと思った方は、これらの中から自分に合った職種を探してみましょう。
なおワインに関する仕事をしたいのであれば、資格を持っている方が就職が有利になります。ワインに携わりたいけれど実務経験などがないという方は、まずは資格取得から目指してみるのもおすすめです。