日本には四季がありますよね。季節によって旬の食材があり、景色も変わります。
日本の四季の移り変わりは世界でも注目されていて、日本の良さをあらわしてくれるものの1つともいえるでしょう。
実は日本酒にも四季があると言われています。その季節に最も合う日本酒があるのです。
今回は季節ごとに楽しみたい日本酒についてご紹介します。日本酒の四季を知れば日本酒選びがもっと楽しくなりますよ。
季節ごとの日本酒
季節限定の日本酒は4種類あり、冬酒、春酒、夏酒、秋酒と呼ばれています。とても分かりやすいですね。
冬酒は別名しぼりたて新酒と呼ばれることもあります。
また秋酒はひやおろしと呼ばれることがあります。
12月~3月(しぼりたて)
12月から3月の日本酒は冬酒(しぼりたて新酒)となります。
しぼりたてとは
しぼりたて新酒とはどのような意味なのでしょうか。
通常日本酒を出荷する際には、保存期間を長くするために2度火入れする事になっています。しかししぼりたて新酒の時期は火入れをしないで出荷されます。
このしぼりたてが造れる時期は限られていて、12月から3月のみしか飲む事ができません。
しぼりたて新酒は火入れしないことで酵母が生きているので購入してしばらく冷蔵庫に入れておくとよりまろやかな味に変化すると言われています。
12月から3月にしか飲めないと聞くととても貴重な感じがしますね。
さらに期間限定のしぼりたてもあり、1年に1回しか手に入らないものもあるようです。
あらばしり・中取り・責めとは
その年の最初にできた「しぼりたて」にも搾り出されたタイミングにより「あらばしり」「中取り」「責め」と異なります。
日本酒造りでは作る過程でもろみを搾る工程があります。この時、日本酒と酒かすができます。搾りはじめから搾り終わりの間で、3回に分けられていてそれらがあらばしり、中取り、責めと呼ばれています。
あらばしり
あらばしりはお酒を搾ってすぐの部分です。最初に出てくるものでアルコール度数が低く切れ味があります。香りもとてもフレッシュです。
中取り
中取りはあらばしりが出た後に出てくる透明な部分です。お酒の一番良い部分と言われていて、味と香りのバランスが良く飲みやすい部分になります。
責め
そして最後は責めです。アルコール度数は高めで濃い味わいになります。しかし少し雑味も入るので飲みにくいと感じてしまう人もいるようです。
このように搾る過程で3タイプの日本酒が生まれています。
3月~(春酒)
お花見の季節、3月はお酒を美味しく飲める時期でもありますね。
色々な祝い事が多い時期でもあります。3月から4月ごろまでのお酒を春酒と呼びます。
春酒(花見酒)について
春酒は花見酒とも呼ばれています。お花見をしながら飲むお酒という事でしょう。
この時期に出荷されているお酒は冬に搾られたものになります。
上品な甘みですっと飲みやすい日本酒といわれています。
お花見の時期は沢山日本酒を飲みたくなりますが、飲みやすいものが出荷されているのでお酒がすすむのかもしれませんね。
春酒でおすすめの銘柄
麒麟山 限定吟醸酒 春酒
華やかな香りが広がる春酒です。しぼりたてならではの味わいの中にフレッシュさと厚みのある味わいがありお祝い事をさらに盛り上げてくれるお酒です。おしゃれなボトルも素敵です。
帰宅!週末なんで刺身で一杯!酒は麒麟山の春酒、限定吟醸酒でふわりと旨味キリッと辛口の後味、冷やより人肌くらいが旨味が引き立って良いかも(*´ω`*) pic.twitter.com/JF4AH3EKjg
— 只の日本酒好きグライン (@gulain_dk) March 2, 2018
水芭蕉 春酒 純米吟醸
娘の修了祝いで、永井酒造さんの水芭蕉・春酒。まあ春らしく飲みやすい。 pic.twitter.com/CAfFief9rq
— 青木健生 (@p_kobushi) March 23, 2022
群馬県で造られている春酒です。桃色のラベルが目を惹きます。口の中でふんわり広がる味わいは春のお祝い料理によく合います。
5月~7月(夏酒)
夏と言えばビール!という人も多いと思いますが、夏は日本酒も美味しく飲める季節です。
冷たいビールも良いですが、たまには日本酒もいかがでしょうか。
5月から7月の日本酒は夏酒と呼ばれています。
また春から夏が生酒のシーズンです。日本酒は寒い季節に仕込まれます。そして春にできあがります。通常火入れが行われますが生酒は火入れを行わずフレッシュな状態で出荷され5月ごろになると各地で生酒が販売されます。この生酒は期間限定でしか購入できないものが多く旬なお酒と言えるでしょう。
日本酒のラベルをよくみてみると、「生酒」と書かれたものを見かけることがあります。しかし日本酒の生酒について、なんとなく言葉を知っていても実はどんなものかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。 生酒は、なんとなく美味しそう・・・というイメージを抱いている方も多いかと思います。もちろんこれは...
夏酒について
夏酒は冬に搾っているお酒を夏まで貯蔵し出荷されたものになります。貯蔵方法で味に変化が出ます。冷たくした夏酒はおつまみもご飯も美味しく食べることができます。
色もとても綺麗ですのでガラスの酒器に入れて香りや味とともに楽しんでみましょう。
夏酒でおすすめの銘柄
鍋島 SUMMER MOON 吟醸酒
暑い夏もさっぱりと飲めるフルーティーな味わいの日本酒です。優しい香りで辛口ですが爽やかな甘みも感じられます。ラベルもとても可愛く夏を連想させてくれます。
三井の寿 夏純吟 Cicala
住吉酒飯でオススメしてもらった福岡のお酒「三井の寿 夏純吟 Cicala」。リンゴの香りしゅごい。夏らしいような酸味があってキリッとしてるが、余韻は旨味よりも甘味が少し目立って感じられるので、好みとはまた違うかも…。やっぱ地酒をまとめて飲み比べしてみたいな pic.twitter.com/5e1PITNaSY
— 洞窟 (@cinema_lantern) June 5, 2022
常温で飲むと甘みがあり、冷やすとキリっとした味になる日本酒です。ワインのような飲み口で旨味が強いです。
九頭龍 純米 夏しぼり
冷やでもお燗でも美味しく飲める夏酒です。独自の醸造技術により、しぼりたての純米酒特有の爽やかさを楽しめるようになっています。
9月~11月(秋酒)
秋と言えば食欲の秋ですよね。食べ物も旬の美味しい食材がたくさんありますのでお酒もすすみます。
味覚の秋には秋酒がよく合います。
秋酒は冬に搾ったお酒を秋まで熟成させたものなので、夏酒よりもさらにコクがアップして濃厚な味わいになっているものが多いです。
秋酒(ひやおろし・秋上がり)について
秋酒はひやおろしや秋上がりとも呼ばれています。ひやおろしの酒が一番美味しいといわれていてまろやかさが他の季節の日本酒とは違ってきます。
ひやおろしは冬に造られたお酒を蔵内に寝かして、秋に出荷するのですが、この際に火入れしないで出荷されるものになります。火入れを1回だけしかしていない事と蔵内で寝かせていたことでうまみがアップしています。
秋上がりは、冬に完成したお酒を春に火入れしてから、貯蔵タンクに入れて夏を越させ、熟成させたものになります。
ひやおろしと秋上がりは少し違ったものになるのですが、ひやおろしの定義は正確に決められていないため、秋に出荷されている日本酒全般をひやおろしと呼んでいる場合もあります。
細かく知りたい場合は購入前に確認するようにしましょう。
秋酒は秋に旬のお魚やお野菜などとよく合います。角が取れているまろやかな味わいは口の中でしっかり余韻も残してくれます。
ぜひ他の季節との違いを堪能してみてください。
秋酒でおすすめの銘柄
屋守 純米吟醸無調整 「雄町」
ひと夏しっかり寝かして完成させている日本酒です。お米の甘みがしっかり感じられる秋酒で口当たりが柔らかくクリーミーだと表現されています。
仙禽 オーガニックナチュール
無添加で造られている美味しい秋酒です。素材にこだわってオーガニックの秋酒になっているので自然派志向の人におすすめです。ワインのようなおしゃれなボトルも素敵です。
酒田醗酵 みちのく山形のどぶろく 香り吟どぶ限定品
華やかな香りとフルーティーな甘さが感じられる秋酒です。しっかり冷やして飲むのがおすすめです。上品な香りがします。
初孫 純米大吟醸酒 香が星
秋の味覚をより美味しく感じさせてくれるお料理の邪魔をしない秋酒です。
香りは控えめでバランスが取れた味になっています。お料理に合う秋酒を探している人におすすめです。
まとめ
日本酒の四季についてご紹介しました。季節によって味が変わるのは面白いですね。
日本酒の四季を意識して味わうとより日本酒を楽しめそうですよね。ぜひ季節に合った日本酒選びをしてみてください。