スーパーやコンビニ、酒屋などで見かけることも多い、定番酒として親しまれる「菊水」にはどんな魅力があるのでしょうか。ここまで親しまれるお酒となったのは、愛される理由があるからです。ここでは、味わいから販売方法まで工夫された菊水の魅力についてお伝えしていきます。
※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール
製造元は「菊水酒造」
菊水を製造しているのは、新潟県にある「菊水酒造」です。菊水酒造は100年以上の伝統を持つ老舗の酒造として知られています。
はじまりは1881年、初代の節五郎が叔父にあたる本家の当主より酒の製造権を譲り受け、造り酒屋として生計を立てる決意をしたことに由来します。代替わりと共に進化しながら成長し、1969年に現在地に新しい酒造を完成させました。
1972年に入ると、業界では当たり前として考えられていた「杜氏」の制度を廃止して、機械設備による製造管理を行うなど先進的な取り組みを開始します。ここから現在までに多くの愛される銘柄やシリーズを作り出し、今もなお成長し続けている酒造です。
蔵見学について
新発田城からの菊水さんの蔵見学。
蔵ショップ限定の10年貯蔵の菊水ふなぐち😆 pic.twitter.com/yIaXi0IIdJ— てるまる (@tel0716) February 10, 2020
菊水酒造についてさらに詳しく知りたい方や、日本酒の味わいや歴史に興味をお持ちの方は蔵見学に申し込んでみてはいかがでしょうか。
菊水酒造では、日本酒を楽しくするモノとコトを創り出してきた「菊水日本酒文化研究所」と、全国有数の庭園の修復を手掛けた庭匠である田中泰阿弥氏が作庭したという「蔵元髙澤家の庭園」を一般公開しています。
事前に電話または公式ページのメールフォームで申し込みすることで、無料にて見学可能です。
菊水 蔵見学のご案内
「菊水」の特徴と魅力
菊水の魅力として有名なのは、なんといってもその身近さと手軽さです。日本酒にあまり詳しくないという方でも、多くの方が目にしたことがあるというほど全国的に広まっています。
1970年代はじめに登場した「菊水ふなぐち」は当時珍しい缶で発売されたお酒で、コンビニエンスストアなどで気軽に購入ができることが特徴です。

また味わいにもこだわっていて、菊水はどんな食事とも楽しめるような飲みやすさが追求されています。ラインナップも豊富で、それぞれ作り方や味わいが異なり色んなシーンに合うお酒が見つかるでしょう。
こうした酒造の努力により、いつも身近で楽しめる定番のお酒として長年愛され続けています。
「菊水」の酒米と仕込み水
菊水は製造場所である北越後、新発田の豊かな自然や風土がもたらす良質の原材料を用いて作られています。
新潟県新発田市は良質なお米がたくさん収穫できる北越後平野に囲まれた土地で、まさに酒造りにはぴったりの場所です。米の旨味をそのまま活かしながら、飲みごたえのあるお酒づくりをしています。
また仕込み水には雪解け水を沢山含んだ加治川の軟水を使用しており、生のままや絞りたてでも味わえるやさしい口当たりのお酒となっています。
「菊水」シリーズのご紹介
菊水はラインナップが豊富で、それぞれに特徴があります。ここではたくさんある菊水シリーズの中から、特にお勧めのものをご紹介していきます。もし見かけたらぜひ手に取って見てくださいね。
ふなぐち菊水一番しぼり
菊水の辛口
菊水の純米酒
菊水の四段仕込
この過程により優しい甘みが追加され、さらっとした甘口にまとまっています。普段日本酒をあまり飲まない方でも飲みやすい1本に仕上がっています。
酒米菊水 純米大吟醸
酒造りに理想的と言われた酒米菊水を使用したシリーズは、芳醇な香りと深くてやわらかい辛口が特徴です。
純米吟醸 ひやおろし
やや辛口で深いコクがあり、秋の旬の食材にぴったりの味わいです。
菊水 白キャップ
やや甘口で手に取りやすい価格が魅力のシリーズは、白いキャップが目印です。缶タイプの場合も全体が白い「白缶」となっています。軽快な飲み口とスッキリした後味が特長の、親しみやすい普通酒です。菊水シリーズのおいしい飲み方
菊水シリーズは冷やからお燗まで幅広い飲み方で楽しめるのが特徴です。
生原酒タイプや純米大吟醸のものは、温めてしまうと風味を損なう恐れがありますので出来れば冷や~常温程度で飲むのがおすすめです。強いアルコール感が苦手な方はオン・ザ・ロックで楽しんでも良いでしょう。
お燗にしたいときに特にオススメなのが「菊水の純米酒」です。
季節や食材、気分によって飲み方を変えてみてもいいでしょう。ぜひお好みの飲み方を探してみてくださいね。

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菊水に合う料理やおつまみ
食中酒として親しまれる菊水は、どんな料理にでも合わせられるのが特徴です。おつまみや料理はお好みのもので構いませんが、ぜひ味の濃いものと合わせるのに挑戦してみてください。こちらでは実際に食べてみて個人的におすすめしたいおつまみをご紹介します。
おすすめのおつまみ、料理
天ぷら
菊水の旨みとぴったりだったのが天ぷらです。季節の旬のものを合わせてみてください。
酒盗
鮎の塩焼き

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