甲子

甲子(千葉の日本酒)老舗蔵元の純米酒・純米吟醸の特徴や美味しい飲み方を分析

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「甲子」を製造するのは、千葉県酒々井町にある飯沼本家。歴史は古く、赤穂浪士の討ち入りのあった元禄年間から300年以上続く老舗の酒蔵です。代表銘柄は「甲子正宗」として知られています。近年は、「甲子」ブランドで、日本酒界に新風を吹き込み、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」や「熱燗コンテスト お値打ち熱燗部門」といったコンクールで軒並み高い評価をえています。

日本酒、気になる事調べものライターdencross
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「甲子」は、積み重ねた伝統に縛られずに、「ヒストリー以上に、フューチャーを語り、創造していきたい」という考え方のもと、時代を見据え、ニーズに応える革新的な酒造り目指しています。

※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール

環境

印旛沼の夕景
酒々井町(しすいまち)には、親孝行な息子が見つけた井戸から汲んだ水が、酒であったという話が伝わっており、この話は町の名の由来でもあります。円福院神宮寺の境内には「酒の井の碑」があり、この話からもわかるように、古くより水が湧き、酒造業のさかんな地でした。
江戸時代には、成田山新勝寺や芝山仁王尊への参拝客で、宿場町としても栄えてきました。農業にも適した土地で、「飯沼本家」は、この地で酒米やブルーベリー、梅といったフルーツも栽培する「きのえね農園」も運営しています。

仕込み水・酒米

『甲子』の仕込みに使う酒々井の地下水は、甘味を感じる美味しい軟水です。酒米には〈山田錦〉や〈雄町〉といった酒造好適米、の他に千葉のブランド米〈ふさこがね〉も使用し、米の特徴を生かした丁寧な日本酒造りをしています。

「きのえね農園」で作られた酒米や地元千葉県産の米を使用した地酒や酒粕を使った商品開発もおこなっています。

酒造り

革新的な酒造りは、醸造工程だけとは限りません。醸造の前にある、原材料の調達、製造を支える人材育成、マーケットで人の目に留まるボトルやラベルのデザインといった点にまで及びます。

たとえば原材料の調達では、高品質な酒米の安定確保のための自家栽培も手掛けています。人材育成では、若い醸造家が日本酒を造る環境を整え、若い人向けのお酒造りの態勢を造りました。こういった改善は、「時代の先頭を行く日本酒であり続ける」という、蔵の信念を体現にほかなりません。

次代の先頭へ 老舗蔵元の挑戦するお酒「甲子」

老舗蔵元の挑戦するお酒
「時代に先頭を行く日本酒」である「甲子」の味わいはどういったものでしょう。

甲子 純米酒

「甲子 純米」は、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019【金賞】」を受賞したお酒。純米酒で、「甲子」シリーズではスタンダートな位置付け。グリーンのボトルに黒字のラベルが高級感を漂わせます。落花生の産地でお馴染みの八街と地元酒々井の契約農家で栽培された「五百万石」と関東平野の地下深く流れる地下水で仕込んだ一本です。
軽い口当たりは、日本酒初心者から愛好家まで、飲みやすい味わい。口に広がる、ふくらみのある米のうま味と甘み、後口の良さを出す酸味が見事に調和した飲み飽くことのない味わい。純米酒だから常温や冷酒ではなく、燗酒でも愉しめるお酒。日向燗から上燗まで、味の違いが愉しめます。「燗酒コンテスト2017 お値打ち熱燗部門 【金賞】」も受賞しています。

甲子 純米吟醸

  • ワイングラスでおいしい日本酒アワードプレミアム 2013~2015 、2017、2020金賞、2019 最高金賞
  • IWC 2018 純米吟醸酒部門 BRONZE

国内外で認められる『甲子』 の看板酒です。
華やかな吟醸香に、米のなめらかさを思わせるロあたり、スッとキレの良い純米吟醸酒です。和食にも洋食にもあうので、オールマイティな食中酒としてもおすすめです。

甲子 純米無ろ過直汲み

「甲子 純米無ろ過直汲み」は、製造工程に特色があるお酒。千葉産の「五百万石」を仕込み、ラベルの通りタンクから無濾過のまま瓶詰されたもの。特色があるのはボトリング方法。タンクから瓶詰まで、可能な限り空気と触れることなく仕上げています。まさに工場タンクのままの味わいを愉しんでもらおうとする、蔵元のこだわりのつまった一本といえましょう。無濾過生酒のため、ガス感がしっかりとあり、口にすると軽い口当たりとシュワッとする発泡感が真っ先にあらわれます。やや遅れて、米のしっかりとした味わいがあらわれます。炭酸ガスの辛味と、喉越しのキレの辛さが調和した、辛口の生酒に仕上がっています。食事とともに愉しむお酒として面白いお酒。ただ、生酒のため冷やで愉しむのがおすすめのため、燗酒でチビチビといった飲み方には不向きかもしれません。

甲子正宗 蔵元の梅酒 梅吉

「甲子正宗」の原酒に千葉県産の上質の青梅を漬込んだ梅酒。自宅で梅酒を付ける方は議存知と思いますが、度数の少ない日本酒で梅酒を付けるのは非常に難易度が高いもの。ですが、日本酒と青梅の愛称は抜群で、米の甘味やうま味と梅の香と奥深い味がしっかり調和した梅酒は、他のお酒で漬けたものとは一線を画します。余分な甘さがない、スッキリとした自然な甘さと、しっかりと滲み出した梅のエキスとのコラボレーションをお愉しみください。

甲子 大吟醸 粋一撰(すいいっせん)

ワイングラスでおいしい日本酒アワード 2018 2020 大吟醸部門 金賞
丁寧に造られた極淡麗な辛口の大吟醸酒です。上品な香りでキレがよく、魚料理や和食におすすめしたい1本となります。

甲子 汲古(きゅうこ)

IWC 2016 古酒部門 GOLD 千葉トロフィー受賞
2つの純米吟醸酒をブレンドされた古酒です。長期熟成によってもたらされた複雑で芳醇な香りは、ナッツや糖蜜、ドライフルーツ、そして香辛料を思わせます。重めの甘口でチョコレートやチーズにピッタリな1本です。

「甲子」は、千葉県の老舗酒蔵の、「時代にの先頭を走り続ける」というあくなき挑戦が、日本酒の新風をもたらしています。ご紹介したお酒以外にも、季節限定酒や大吟醸のお酒などもラインナップされています。ラインナップの豊富さからは、若者にこそ日本酒を飲んでほしいという酒蔵の方向もうかがえます。時代の先頭を走る日本酒「甲子」をお愉しみ下さい。

昭和蔵・北総蔵

現在「飯沼本家」は、千葉市に本社をおいており、酒々井町には、「昭和蔵」と1993(平成5)年に完成した「北総蔵」があります。この「北総蔵」は杜氏をおかずに少人数の社員によって仕込みを行う為に、合理化を進めた近代的な施設です。
この二つの酒蔵の他に、直営店「酒々井まがり家」もあり、こちらは、新潟より「旧清野邸」を移築した風情ある建物で酒蔵カフェ、やギャラリー展示やイベント、毎年ゴールデンウィークには「まがり家フェスタ」も開催しています。「まがり家フェスタ」では、日本酒のアウトレット販売や北総蔵の見学、バーベキューなどもあり、家族連れでも楽しめる内容となっていて好評のイベントです。
また酒蔵では9~6月の期間に、要予約、有料ですが、蔵人の案内による酒蔵見学を行っています。
『甲子』の銘は、十二代目当主が〈甲子〉の生まれであったことと、〈甲子〉が十干と十二支の一番目であることから、関東一の酒屋を目指してつけられました。

酒々井の夜明け

「飯沼本家」では、新しい日本酒造りの取り組みにも積極的で、初搾りの純米大吟醸を上槽を終えてから24時間以内に届ける、1日限定の出荷となる『酒々井の夜明け』を2017年にクラウドファンディングで成功させました。以来『酒々井の夜明け』は、毎年11月に1日だけの限定出荷を続けています。

甲子 林檎

そして、新しいスタイルの日本酒として、〈リンゴ酸多生産酵母〉を使用し醸された純米吟醸酒『甲子 林檎(きのえねアップル)』は、リンゴのような甘い香りでフレッシュ感のある今までにない新しい日本酒です。可愛いらしいリンゴの描かれたボトルは、アジアの優れたパッケージデザインに贈られる《Topawards Asia(トップアワードアジア)》を受賞しました。
2015年からメインの日本酒もリニューアルをし、進化し続けている注目の蔵元です。

「甲子」という名前

ところで「甲子」という名前ですが、読み方はご存知ですか。高校野球ファンや虎党の方は、「こうし」と読んでしまいそうですが、違います。「甲子」とかいて、「きね」や「かし」と読むこともありますが、銘柄の名前とはことなります。こちらのお酒は、「きのえね」と読みます。「甲子」というのは、十干十二支の一番最初の干支。お酒の名前は、そこからいただいたそうです。
「時代の先頭を行く日本酒であり続ける」という、蔵の信念をこめた名前になっています。ちなみに、「甲子園」の「甲子」も「きのえね」からきているのですが、こちらは「甲子の年」である大正13年に開設されたことが由来です。

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