長野県松本市にある大信州酒造株式会社は明治21年に創業した老舗酒蔵となっています。

ひと手間かけて完成するお酒はどれも味わい深く人気があります。2012年には、「大信州N.A.C浜農場」が、IWC(International Wine Challenge)のSAKE部門の純米酒部門でトロフィーを受賞しました。
有名な銘柄は大信州と香月です。
※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール
酒造りの環境
北アルプスを望む松本市は、年間を通じて湿度が低く、寒暖の差が大きい土地。周辺の山々に降り積もった雪が解けて流れ大地を潤します。
清冽な雪解け水と冬の凍てつくような寒さ、寒暖差の大きい気候は日本酒を醸造するのに適した環境です。
酒蔵があるのは長野県であり、周囲にはたくさんの自然に恵まれています。四季折々の良さを感じることができるのが、長野県のメリットといえるでしょう。とりわけ、冬場の温度差の違いは桁違いのものであり、この昼夜の温度差が味を決めると言っても言い過ぎではありません。
原料のこだわり
「大信州」の美味しさの秘密は、徹底した原料のこだわりです。
米や水、更には麹や酒母といった、酒造りに欠かせない原料に深いこだわりを持っているのです。
酒米として使っている「ひとごこち」は、淡麗で味に幅があり、スッキリとした喉ごしの日本酒には最適です。
酒米は日本酒の味を決める役割を持っています。
「大信州」は、この他にも幻の米と言われる「金紋錦」や、酒造好適米の一つとされる山田錦を使い、更に北アルプスの天然水を使って造られた日本酒は、まるでフルーツのように、香り豊かな味わいになりました。
そして、その味は日本のみならず、海外でも高い評価を得たのです。
大信州の美味しい飲み方について
大信州には様々なラインアップがあります。種類と美味しい飲み方についてご紹介します。
製造銘柄は屋号でもある「大信州」のほか、蔵元がこだわりにこだわった最上級酒「香月」を醸造しています。
香月 神寿
「香月 神寿」は、契約農家にお願いして栽培した酒米「金紋錦」の中でも粒よりの酒米を仕込んだお酒。最上級の酒米を緻密な手作業を行い、最もできのよい部分だけを瓶詰したお酒で、極めて少数しか造られないお酒です。高価で入手困難。ビンテージのワインのような逸品。その味わいは至高の極みで、目の覚めるような美味しさが広がります。
大信州 超辛口 純米吟醸
クセのある肴にもあうお酒。超辛口を謳っている蔵元自身の一本です。キリッと引き締まった透明感のある飲み口。
吟醸酒ほど香りは立っていませんが、穏やかで落ち着いた香りが鼻へスーッと抜けていきます。喉越しもサッパリと抜けて、後口がサッパリとクリアになります。辛口ではものたりない貴兄、肴を選ばない超辛口はおすすめです。
大信州 純米大吟醸 スパークリング
今日はチョイスおまかせ
大信州 純米大吟醸スパークリング
泡が見えますかな?
口当たりシュワッとします pic.twitter.com/tkU6bUTw3A— 濵田康平 10/21 2nd モデルナ (@hamadakohei1206) February 20, 2018
季節限定の「大信州 純米大吟醸 スパークリング」は良く冷やして飲みたいスパークリングの一本。甘み、米の旨味、酸味、キレが見事にマッチしており、喉越しのよさと余韻の残り方もただものではありません。まさにお米のビンテージシャンパンといっても過言はありません。キーンと冷やして、おでんあたりとあわせれば、幸せのひとときが訪れます。
大信州 梓水龍泉 純米大吟醸
まろやかな香り風味が特徴のお酒です。口の中でまろやかさが広がります。上品な味わいとなっています。大信州の中で高級酒となっています。
大信州 以和為貴 純米大吟醸
大信州の中でも高級なお酒とされていてギフトにもおすすめのお酒です。長野県産の金紋錦を使用して造られているお酒でふんわりと香りが広がり上品な甘みがあるお酒です。
冷やして飲みましょう。
大信州の稲光 純米大吟醸
華やかな香りと旨味が美味しいお酒です。長野県産の金紋米が使われています。稲光という名前がつけられているのは、春先に収穫されるお米が雷を受けていることが多いところからきているとされていて、実際に雷を浴びたお酒は美味しいようです。
こちらも大信州の中で高級酒とされています。冷やして飲みましょう。
大信州 辛口特別純米酒
香りはフルーツを思わせるような華やかさがありますが、味は甘さ控えめのすっきりした辛口です。あまり冷やしすぎない温度か上燗くらいがおすすめと言われています。キリっとした味わいを華やかな香りを楽しんでいただきましょう。
大信州 超辛口純米吟醸 生
しっかりした味わいのお酒で辛口となっています。口の中で辛さと旨味が同時に広がっていきます。
バランスの取れている味わいで食事に合わせやすいです。冷やして飲むと美味しいです。
大信州 手の内
ふんわりとお米の旨味を感じられるお酒で柔らかな口当たりになっています。お食事に合わせやすいお酒です。冷やして飲むと美味しいお酒です。
大信州 NACひとごこち
お米も水もすべて長野県産で造られているお酒です。お米はひとごこちが使用されています。軽い味わいのお酒で旨味があります。
口当たりの良いお酒なのでお食事によく合います。
大信州 NAC金紋錦
さわやかな香りで旨味と甘みがあるお酒です。飲んだ後は口の中に余韻が残ります。冷やしてワイングラスで飲むのがおすすめのお酒です。
大信州には季節限定のお酒もあります。季節限定はその時期しか飲むことができないので飲んでみたいですね。
「大信州」には大吟醸や吟醸酒、季節限定の生酒などのバリエーション溢れるラインナップが存在します。どの商品も個性的で魅力一杯。是非とも、「大信州」を味わってください。目を閉じれば北アルプスの山々が脳裏をよぎることでしょう。
大信州に合うお料理とは?
「大信州」の軽やかで後味の良さは、食材との組み合わせで魅力を発揮します。大信州は食中酒として楽しみやすいお酒なので色々なお料理に合わせることができます。
白身魚のお造り、アジフライ、牛すじ煮込み、生ガキ、山菜のお浸し、茄子の揚げ浸し、天ぷら、ローストビーフ、馬刺しなど和食、洋食どちらでも合わせられるお酒なのでお好みのお料理と合わせてみてください。
美味しい食事と美味しい酒の組み合わせを楽しみながら、1日をゆっくりと過ごすというのも、時には良いのではないでしょうか。
まとめ
明治21年創業の大信州酒造株式会社では、伝統を守り続け、その妥協のない酒造りで多くの人の喉を潤してきました。
大信州は大自然の恵みがふんだんに盛り込まれた日本酒として知られています。北アルプスの山々から作られる恵みを大切にした製品づくりを続けています。
文化と伝統の伝承
「変わらない美味しさ」を持続するためには、造り手のチームワークも大切です。大信州の蔵元では、聖徳太子の教えである、「和を以って貴しと為す」を大切にして日々の酒造りに活かしています。一致団結して酒造りに臨むからこそ、良質な大信州ができます。大信州の存在は、単なる日本酒の一ブランドという枠にとどまりません。文化と伝統の伝承という役割も担っているといえるのではないでしょうか。
大信州は若い世代のみならず、中高年やシニアからも絶大な人気を誇ります。その味わいから、からすみや馬刺しなどとの相性の良さでも知られます。また、独特のラベルデザインにも注目が集まります。