會津宮泉銘醸はこの会津の地で、設立は昭和30年と老舗酒蔵に比べると浅いですが、会津の地で、しっかしとした伝統の酒造りを続けてきました。

會津宮泉銘醸が、厳選の県外産の日本酒好適米を用いて、会津の名水で仕込み、会津の気候風土に委ねて醸造したお酒が「寫樂」です。「寫樂」には、通年販売の「寫樂 純米酒」のほか、3月を除いてほぼ月ごとに販売される限定商品があります。
※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール
酒造りの環境
福島県は、2013年から3年連続で全国新酒鑑評会の都道府県別金賞1位を獲得した事でも分かる様に、高品質なお酒を生み出す地域です。
広大な福島県は太平洋側から浜通り、中通り、会津地方お大きく3つのエリアに分かれます。それぞれ気候風土も異なり、独自の文化を育んできました。それは日本酒についても同じです。
会津地方は会津磐梯山の麓に広がる盆地。湧水が多く豊で、盆地特有の冬場の寒さ、夏場の暑さがこの地を、酒造り、米作りに適し地としています。
写楽の歴史や特徴について
写楽は福島県会津市にある宮泉銘醸株式会社で造られているお酒です。
昭和30年からお酒造りをしている老舗酒店です。
写楽以外にも會津宮泉や玄武といった銘柄を製造しています。
写楽は日本酒通の間ではとても有名な銘柄で、なかなか入手できないと言われていて幻の酒となっています。
写楽は地元で栽培されたお米を使用して造られていて、日本酒造りに適したお米と美味しい水で完成しています。
写楽の美味しい飲み方とは?
写楽にはいくつか種類があります。美味しい飲み方や写楽の定番商品、限定商品などをご紹介します。
写楽 純愛仕込 純米酒
1年を通して比較的入手しやすいとされている定番商品です。
新鮮なフルーツを感じさせるような香りが特徴ですっきりと飲むことができます。爽やかな飲み口は冷やして飲むとより美味しさが増します。色々なお料理に合わせやすい日本酒でお料理の味を引き立ててくれます。クセがなく飲みやすい日本酒です。
写楽 純愛仕込 純米吟醸
「写楽」には、「純愛仕込み」という日本酒を愛するからこそ名付けられた1品があります。
この銘酒の名前の由来は、「米を愛し、酒を愛し、人を愛し、皆様に愛される酒をめざす」という、造り手が酒造りへの愛と、そして日本酒を愛する人々への愛を込めて誕生させたのです。
口に入れた瞬間に爽やかな味わいと、フルーツのような甘い香りが特徴的です。
後味もスッキリしているので、食前酒としてもピッタリですし、食中酒として料理と一緒に味わうのにも最適な日本酒です。
写楽 純米吟醸 播州山田錦
やわらかな口当たりでまろやかな味わいのお酒です。上品な香りが楽しめます。
写楽 純米吟醸 備前雄町
完熟果物のような濃厚な香りが楽しめるお酒です。やわらかな口当たりになっていて飲みやすいです。
写楽 純米大吟醸 極上二割
さらに特筆すべきお酒が「寫樂 純米大吟醸 極上二割」です。
何が「極上二割」なのか。日本酒党の方には説明不要でしょう。精米歩合を20%にまで高めて仕込まれたお酒です。1年でたった一度しか造られない、酒蔵渾身のお酒です。販売は年に2回、7月中旬と12月中旬に販売されます。
毎年味が異なるとされている日本酒でその年にしか味わえない1本となっているのでとても貴重です。
写楽 大吟醸 しずくどり
山田錦を使用して造られているお酒で華やかな香りが楽しめます。さらに口の中に含んだら果実のような味わいになりとても上品な日本酒です。食前酒や食中酒におすすめです。
写楽 純米吟醸 夏吟うすにごり
夏用に作られた酸味のバランスが取れたすっきりした味わいの1本です。山田錦と夢の香を使って造られています。
写楽 純米吟醸 なしござけ 羽州誉
山形県で希少とされているお米羽州誉を使用して造られたお酒です。低温熟成させて造られているので熟成された旨味が感じられます。果実のような香りが口の中に広がります。冷やして飲むと美味しいです。
写楽 純米吟醸 おりがらみ 生酒
「寫樂 純米吟醸」は、「寫樂 純米酒」よりも精米度を上げて吟醸酒に仕上げたお酒。「寫樂 純米酒」よりも、グラスに注ぐと立ち上がってくる、芳醇なフルーティーな香りと、口に含むと広がる米の持つ旨味はまた別のお酒であると感じる事ができます。
生酒はお米の味がしっかりと感じられるお酒になっています。少し濁りがありますがうっすらした濁り酒なので濁っている日本酒が苦手という人も飲みやすいとされています。
ほかにも、月ごとに販売される限定商品も、それぞれ異なった風味と味わいをもつ「寫樂」仕上がっています。看板商品の「會津宮泉」も多くの商品をラインナップして、こちらも日本酒の魅力が詰まった商品になっています。機会があれば、味わって下さい。
写楽に合うお料理とは?
お刺身にもお肉料理にも合わせやすいです。
写楽に合うつまみとしては、冷やの場合はさっぱりした飲み口なので、濃いめに味付けられた煮物や天ぷらや揚げ出し豆腐等、少しこってり感のある食べ物との相性が良い感じだったりします。
次に温めて飲む場合ですが、こちらは癖のないまろやかな飲み口になるので基本的にどんな食べ物とも合わせる事が可能です。なので食中酒として飲む場合には、人肌程度に温めてから飲むという方法がおすすめ出来ます。
美味しさの秘密な米にあり
「写楽」は、福島県を代表する銘酒で多くの日本酒愛好家の舌を満足させている1品です。
この「写楽」がなぜこれほどまでに美味しいのかというと、日本酒の命とも言える米選びにこだわったからです。
「写楽」に使われている酒米は、「山田錦」や「夢の香」、「雄町米」、「五百万石」などを銘柄にわけて使っています。
この米は、雑味が少ない大吟醸に最適な酒米です。味と香りのバランスが抜群の「夢の香」や、香りは控えめですが味のインパクトが大きい「雄町米」、スッキリとした辛口の味わいが楽しめる「五百万石」と、酒米の違いによって香りや味は様々です。
「写楽」が目指しているのは、誰にでも愛される日本酒造りです。
酒米を銘柄によって分けているのは、それぞれの好みにあった日本酒を造るためであり、その熱意から生まれた銘酒は今や「幻」とも言われています。
冷やか温めて飲むべきか
写楽はそんな福島県を代表する日本酒の銘柄の1つであり、全国的にも高い人気を誇っています。
品質の高さを示す様にフルーティーでやや甘みのあるさっぱりとした香りと飲み口であり、後味も非常に爽やかで幾分切れを感じさせるのが特徴です。
なのでそんな写楽の持つ爽やかな美味さを存分に味わうためにはまず、冷やで飲んでみる事をおすすめします。
冷やで飲めば爽やかな飲み口と共に、切れのあるさっぱりとした独特な味わいを存分に堪能する事が可能です。
ただし写楽は他の日本酒同様に冷やだけでなく、温めて飲んでも美味しく飲めるお酒となっています。
しかも温める事で写楽の持つまろやかさや甘みが増すので、冷やとは一味違った旨みを楽しむ事が可能です。
もっとも注意が必要なのは温め過ぎると、風味を打ち消してしまう事だったりします。だからこそ温めて飲む場合でも、人肌程度で止めるべきです。