玉川

玉川(京都の日本酒)山廃ビンテージ・純米吟醸 雄町・Ice Breakerの特徴や美味しい飲み方を分析

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「玉川」は京都の木下酒造が醸造するお酒です。京都で酒蔵といえば、日本有数の酒処としてお馴染みの伏見が思い出されます。しかし、木下酒造があるのは伏見ではありません。
京都と聞いて一般の方が連想する、京都のイメージは東寺の五重の塔をはじめ、千年の都だった京都市の中心あたりでしょう。伏見も京都の南側にあって、京都市内になりますので、やはり中心のはずれにあたります。ところが京都府になるとかなり広いエリアになります。

日本酒、気になる事調べものライターdencross
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木下酒造は、京都といっても日本海に面した北側、京都府京丹後市久美浜町にある酒蔵です。一般的な京都のイメージとはかけ離れた、気候や風土も全く異なります。

※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール

玉川 自然仕込 山廃純米 VINTAGE 720ml

酒造の環境

久美浜湾
木下酒造は日本酒「玉川」などを造っている酒蔵です。京都府丹後半島に久美浜に蔵を構えていて、その近くには川上谷川という川が流れています。この川は玉砂利を敷き詰めたかと思うほどに美しい清流だったそうで、「玉のような(とても美しい)川」ということから「玉川」と命名されました。
木下酒造は幕末期の天保13年(1842年)に、ここ久美浜の地で創業しました。以来、連綿とこの地で日本酒造りを続けてきました。「玉川」は、木下酒造の醸す看板銘柄となっています。

日本の伝統文化の中で育まれ、日本を代表するお酒でもある日本酒ですが、その造り手は今や日本人だけではありません。京都府京丹後市の歴史ある酒蔵「木下酒造」で酒造りの指揮をとっているのは、なんとイギリス人杜氏のフィリップ・ハーバーさんなのです。

酒造の歴史

創業は1842年(天保13年)、五代目木下善兵衛が酒造権を買い受け、広大な田んぼの米と裏山から湧き出る山水を使って酒造りを始めました。現在の蔵元は11代目になります。 
11代目が蔵元になった頃はまだ、昔から木下酒造で酒造りをしていた信頼のおける杜氏がいました。その杜氏は48年もの間、木下酒造を支えてこられた方でしたが、やがて亡くなられてしまいます。その当時の木下酒造は、地元を中心に展開する小さな酒蔵でした。
信頼していた杜氏が亡くなり、11代目蔵元はもう蔵を閉めることも考えていたそうです。そのときに出会ったのがイギリス人のフィリップ・ハーバーさんでした。
ハーバーさんは1966年生まれのイギリス人。オックスフォード大学で純文学を学び、卒業後の1988年に英語教師として日本に来ました。この頃はまだ、ほとんど日本語が話せなかったそうです。大阪で中学校の教師として務めていたときに、飲み会で行った居酒屋で初めて吟醸酒を飲み、日本酒の美味しさに驚きました。

日本語教師としての任期が終わった後、すでに日本酒の魅力に惹かれてしまっていたハーバーさんはイギリスに戻ることなく蔵人の道を目指すことにします。1991年に奈良県の酒蔵に入り、それから10年間働きました。このときに山廃造り、生酛造りも体験しています。
蔵人修行では但馬杜氏と南部杜氏の両方から学ぶ機会があり、とても貴重な経験を積み重ねられたようです。このような環境で酒造りを学ぶことは、最近はなかなかできなくなってしまっているでしょう。
こうして2001年、南部杜氏協会主催の杜氏資格選考試験に合格し、初めての外国人の日本酒杜氏が誕生しました。

日本酒【玉川】日本酒好きのイギリス人杜氏が造る酒

ハーバーさんが木下酒造にきたのは2007年でした。48年も木下酒造を支えた前の杜氏が亡くなってしまい、蔵を閉めようかと迷っていた11代目でしたが、知人からハーパーさんを紹介されます。初めて出会ったハーパーさんの印象は「日本酒への思い入れが半端ない人」でした。

ハーパーさんになら蔵のことを任せられると感じた11代目蔵元は、長年地元で支持されている普通酒と大吟醸の味だけは守ってもらい、それ以外は全て彼の思うようにやってもらうことにしました。

蔵元から全面的に任せられたはハーパーさんは、初めての年から山廃造りでの酒造りを始めます。さすがに初年度はタンク1本半と少ない目の量でしたが、その酒をあっという間に売り切ったそうです。味は蔵元も驚くような良い出来で、年々山廃造りで仕込む量は増えていきました。

ハーパーさんが木下酒造の杜氏になってから6年間で、売り上げは2.5倍にまで増えたそうです。仕込み蔵やお酒を貯蔵する設備なども新しくつくられ、それまでは地元中心だった木下酒造は日本全国に知られるようになりました。現在は日本国内だけでなく、海外進出も果たしています。

特徴的なロゴやアイデア

長く人々に愛されてきた日本酒「玉川」ですが、ハーパー氏が杜氏になったタイミングでそのロゴも変更されました。以前は「ひげ文字」という書体でしたが、現在は日本画家で日展の評議員でもある蔵元の義兄がデザインしたものになっています。通称「丸玉マーク」とも呼ばれます。
新しい日本酒のアイデアを次々に生み出しているハーパーさんは、今までにないタイプの日本酒「Ice Breaker」や「Time Machine」も造っています。まだまだいろいろなタイプの日本酒を造り、私たちを楽しませてくれそうです。

燗酒の醍醐味、温度を愉しむお酒「玉川」3選

「玉川」の特色は、温度の違いによる味わいの違いを愉しめること。昨今の日本酒ブームで、さまざまな酒蔵から、こだわりの純米大吟醸酒が発売されていますが、多くは雪冷えなど、冷やして愉しむものされています。しかし、木下酒造はあえてこの流れに対して一線を画します。どの「玉川」であっても、冷やから常温、日向燗から飛び切り燗まで。自分の好みに合わせて、好きなように愉しむことがお酒なのです。

そんな「玉川」の味わいが気になるところです。「玉川」の特徴に、熟成酒が多くラインナップされていることがあります。熟成酒とは、常温で3年以上寝かして熟成させたお酒です。

玉川 自然仕込 純米酒(山廃)ビンテージ

玉川 自然仕込 山廃純米 VINTAGE 720ml
玉川 自然仕込 純米酒(山廃)ビンテージ」は、熟成酒のスタンダート的ポジションの商品。酒米「北錦」を全量使用、66%まで精米して、ラベル通り山廃で仕込まれた一本です。吟醸酒のフルーティーな香りに対して、カラメルやナッツを思わせる香ばしい香りに驚かせられます。色合いもスコッチのような琥珀色。深いコクのある味わいながら、喉越しのキレのある辛口か。奥のある味わいはしみじみと、燗酒で愉しむのに向いているのではないでしょうか。

玉川 純米吟醸 雄町 無濾過生原酒

玉川 純米吟醸 雄町 無濾過生原酒」は季節限定の新酒。酒米「雄町」を60%まで磨いて仕込んだ一本。濃醇で豊かな米のうま味があふれ出る。その後、これまた濃厚な酸味が口に広がるので、クドさを全く感じさせない、キレのある辛口。あえていうなら、濃厚さと辛口のキレを併せもつお酒です。生原酒ゆえ、冷やして愉しむのが一般的ですが、温度の違いを愉しむ「玉川」の流儀に則り、常温や日向燗、人肌燗、上燗と温度の違いをじっくりと愉しみたいところ。苦みが立つ温度や、甘みと酸味が調和する温度など、きっとお好み温度が見つかるはずです。

玉川 純米吟醸 Ice Breaker

玉川 純米吟醸 Ice Breaker」は涼しげなブルーボトルに詰められた、5~6月に販売される、夏向けのお酒。仕込み米は、食米でもある「日本晴」。6割まで磨きあげた一本です。ロックで愉しむ日本酒も驚きなのですが、こちらも燗酒にすることを酒蔵はおすすめしています。ロックで美味い、熱燗でも美味い、こんなお酒は見たことがありません。ブルーのペンギンボトルが目印の「玉川 純米吟醸 Ice Breaker」、見掛けたら即ゲットしたいお酒です。余談ですが、「Ice Breaker」というのは、会議やカウンセリングなどで、緊張感をほぐして、場の空気を柔らかくすること。座をなごませる日本酒の役割のイメージと重ねたものです。

「玉川」は、熟成酒をはじめ、個性豊かな商品をラインナップしているシリーズ。どのお酒も、冷酒から燗酒まで、温度による変化を味わって欲しいお酒ばかりです。是非とも、「玉川」シリーズに出会ったときには、燗酒のよさを愉しんでください。

玉川 自然仕込 山廃純米 VINTAGE 720ml

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