「二兎」は愛知の老舗蔵で造られるお酒です。製造元は古くからの歴史をもつ丸石酒造で、地酒ファンのために造られた限定酒です。バランスの取れた上質な味わいで、日本酒ファンから人気を集めています。ここではそんな「二兎」について、どんな味がするのか、おすすめの飲み方などをご紹介していきます。
「二兎」を作っている「丸石酒造」の歴史
丸石酒造は、愛知県岡崎市にある酒造メーカーです。
1690年に創業し、みりんや焼酎・みそ・醤油工場などを建設、また兵庫県の西宮市に灘工場「誉蔵」を建設し清酒「長誉」を販売するなど、幅広く酒造りを手掛けてきました。1945年に岡崎空襲により焼失してしまいましたが、消失を免れた蔵にて日本酒の製造を続け、現在に至ります。
二兎は「全国の地酒ファンに愛されるお酒を造る」という目標のもと、歴史ある技術を活かして作られました。現在は特約店限定販売のみで販売されています。特約店は公式ページから確認できますので、興味を持たれた方はチェックしてみてください。
「二兎」のコンセプトについて
二兎は「二兎を追うものしか二兎を得ず」という言葉をコンセプトに造られています。
本来であれば二兎を追う者は一兎をも得ず、ということわざが正しいですが、あえて二兎を追うということで向上心と探求心を表しています。「味」と「香」、「酸」と「旨」、「重」と「軽」、「甘」と「辛」という、相反するはずの二つのものをバランスよく取り入れることで味わいを求めています。
二兎にはシリーズがいくつかあり、それぞれ味がまったく異なります。どのシリーズにも共通しているのが絶妙なバランスから来る味の複雑さです。飲めば飲むほどに楽しめる二兎シリーズは、飲み比べしてみるのもおすすめです。
使われているお米は「雄町」や「山田錦」など
二兎を作るうえで欠かせないのが上質な原料米です。蔵元が選んだお米は「雄町(おまち)」と「山田錦」といった、有名で質が保証されている銘柄です。どちらも4大酒造好適米に選ばれており、食用米にくらべ粒が大きく、吸水性が良くお酒づくりに適しています。それぞれ以下の様な特徴があります。
<雄町について>
酒米のなかでも最も歴史が古く、多くの酒米のルーツにもなっています。原生種であるため栽培が難しいですが、そのぶん自然の恵みを感じられます。雄町を使ったお酒は甘みや旨味のボリュームが増え、まろやかなお酒に仕上がります。
<山田錦について>
“酒米の王”とも呼ばれ、酒米のなかでも最大の生産量を誇るほどの人気米です。粒が大きいため高精米が可能であり、雑味が少ないお酒を作り出すことができます。
二兎シリーズのご紹介
二兎にはたくさんのシリーズがあり、それぞれ個性を持っています。おすすめのボトルと、その特徴をそれぞれご紹介していきます。
二兎 純米大吟醸 雄町三十五
二兎
純米大吟醸
備前雄町 三十五めちゃ美味い(語彙力) pic.twitter.com/N0tyswQExf
— masa🚴♀️えびすや (@masatan0307) November 2, 2021
二兎には使用する原料米がいくつかあり、商品名に原料米の名前がついていることが特徴です。こちらのシリーズは“雄町”を使用したものです。雄町シリーズには精米歩合35%と48%の純米大吟醸、55%の純米吟醸があり、これはいちばん磨き上げられた35%のものです。
ふくよかな旨味と深いコクがあり、米の甘味と酸味の調和をイメージして作られています。よく磨き上げられたお米由来のクリアな味わい、上品なお酒です。化粧箱付きで、ギフトにも最適な一本です。
- 参考価格:(720ml)4,889円
- アルコール度数:16%
二兎 純米吟醸 山田錦五十五
山田錦由来の心地よく豊潤な甘みを感じられるお酒で、キレと酸味も感じられます。果実のような甘みを酸が引き締めていて、余韻は軽く飲みやすいです。二兎シリーズは二匹のウサギが向き合うラベルの可愛さも人気の理由のひとつで、シリーズによってラベルやプリントの色が異なります。このシリーズは白地に金色のプリントがなされたラベルで、飾っておくだけでも楽しめるでしょう。開封後は香りが損なわれないうちに早めに飲むことをおすすめします。- 参考価格:(720ml)1,773円
- アルコール度数:16.7%
二兎 純米大吟醸 愛山
ピンクのラベルが可愛らしいこちらのシリーズは、酒米のダイヤモンドと呼ばれる「愛山」を原料米とし作られた限定品です。春の花のような上品な吟醸香とボリューム感が特徴で、口当たりはとてもまろやかです。口内でしっかりと旨味が広がり、濃い味付けの料理とも合わせられるお酒です。- 参考価格:(720ml)2,139円
- アルコール度数:16%
二兎 純米 サテン
- 参考価格:(500ml)1,210円
- アルコール度数:13%
二兎 純米吟醸 雄町五十五 うすにごりスパークリング
今日のお酒は、「二兎(にと)」純米吟醸 雄町五十五 うすにごりスパークリング生(丸石醸造/愛知県岡崎市)。
激しく発泡するので、開栓する時にキャップを緩めたり締めたりしてガスを抜く儀式が必要。
ややもすると苦味が際立ってしまうくらいの、味と香り、甘さと辛さの絶妙なバランス。これは旨い。 pic.twitter.com/x3WFyRyN5p— no_chin@三日月提督 (@no_chin0113) April 26, 2020
瓶内二次発酵による発泡感が楽しめる、スパークリング日本酒です。二兎らしいバランスの取れた味わいはそのままに、甘みがやや抑えられドライ感が増しています。一口含むと爽やかなシュワシュワ感を味わえます。良く冷やして飲んでいただくのがおすすめで、和のおつまみはもちろん洋風のおつまみとも相性抜群です。
- 参考価格:(720ml):1,980円
- アルコール度数:15%
ドアラと二兎 純米原酒の火 山田錦六十五
地元愛知の球団である、中日ドラゴンズのキャラクター「ドアラ」とのコラボ商品です。ラベルにはドアラとウサギが描かれており、ポーズは3種類あります。置いておくだけでもファンにはたまらない一本ですが、もちろん味も上質です。お酒好きの方以外にも、ドラゴンズファンの方や野球好きの方にも楽しめるようにつくられており、やや甘口のお酒となっています。果実のような甘みが特徴で、後味はすっきりとまとまっています。- 参考価格:(720ml):1,936円
- アルコール度数:16%
どんな飲み方がおすすめ?
吟醸酒がメインの二兎は、常温~冷やで香りを楽しみながら飲むことをおすすめします。一本の中に複雑で細かな味が詰め込まれているため、あまり手を加えずそのまま飲むのが良いでしょう。もしアルコール感が苦手な方であれば、氷を入れると味わいはそのままにすこしマイルドになり飲みやすくなります。
吟醸酒ではない純米酒のものであれば、ぬる燗などで楽しむのも良いでしょう。発泡感が楽しめるスパークリングタイプのものは、しっかりと冷蔵庫で冷やし、グラスも冷やしたうえで飲むとのどごしが爽やかになります。
「二兎」に合う料理やおつまみ
飲みやすさとバランスの良さがポイントの二兎は、どんな料理やおつまみでも合わせられる万能なお酒です。和から洋、さっぱりしたものから油ものまで幅広く楽しめるでしょう。飲み始めは冷奴やカルパッチョといったさっぱりした風味のものに合わせて、お酒をしっかりと味わうのがおすすめです。メイン料理はいろいろなものと合わせることができますが、特におすすめなのが地元愛知の名産である味噌カツやウナギなどです。名産品と合わせて楽しむのは地酒の醍醐味ともいえます。ぜひ試してみてください。
さいごに
愛知が誇る伝統が作り出した「二兎」は、原料米の良さを引き出しバランスよく作り上げられた上質なお酒です。ラベルの可愛さもポイントで、ご自分用としてはもちろんギフトにも喜ばれるでしょう。雑味が少なく飲みやすいので、気になる方はぜひ挑戦してみてくださいね。