不老泉

不老泉(滋賀の日本酒)木桶仕込・滋賀渡船・杣の天狗の特徴や美味しい飲み方を分析

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「ビワ1」って知っていますか。
サイクリングなどで琵琶湖を1周することなのです。
「ビワ1」にチャレンジャーの間でちょっと話題になっているお酒があります。その名を「不老泉」といいます。

日本酒、気になる事調べものライターdencross
dencross
もっとも、地酒愛好家や酒蔵マニアには、「何をいまさら」と怒られてしまいそうですが、「不老泉」とはどんなお酒なのでしょうか。

※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール

近江高島の名酒

 
「不老泉」を醸造するのは滋賀県高島市で酒造を営む上原酒造株式会社です。
上原酒造がある高島市は、最近では「映える」スポットで有名になったメタセコイヤ並木などで知られる街滋賀県の北西部、ちょうど琵琶湖の左肩辺りにあたる地域です。
高島のメタセコイア並木
高島市は、北側に比良連山が連なり若狭地方との境界になっています。そのため、冬には寒さが厳しく、雪が多く降り積雪することも珍しくありません。また、湧水が多く、街中の水路を清らかな水が流れています。
上原酒造は、ここ高島で幕末期の文久2年(1862年)に創業、150年を超える歴史を有する老舗の酒蔵です。現在も昔ながらの手間ひまをかけた酒造りにこだわり、年間醸造量は500石ほどの小規模な酒蔵ながら、「不老泉」のほか、「寿扇」、「杣の天狗」、「亀亀覇」など10を超える銘柄のお酒を醸造しています。そのため、全てのお酒の生産量は少なく、入手困難なものもあります。

 

驚きの全量木槽天秤しぼり

上原酒造の酒造りの特色のひとつに「木槽天秤しぼり」というものがあります。現在、全国に数多くある酒蔵でも「木槽天秤しぼり」を行っている酒蔵は1つか2つといわれています。
木槽天秤しぼり」というのは、醪(もろみ)に石の重みでじっくり加圧してお酒を搾る方法で、時間と手間が大変かかる方法です。さらに、機械搾りによって搾りだされる量の八割強程度しか搾れないということもあいまって、現在採用している酒蔵がほとんどありません。
しかしながら、無理な力を加えずじっくり時間を掛けて搾りだす方法のため、クリアで雑味のない旨い酒の部分だけを抽出できるというメリットもあります。上原酒造ではこの点に重きをおき、醸造するお酒の全量を、この手間と時間がかかる「木槽天秤しぼり」で製造しています。

 

もうひとつのこだわり「山廃仕込み」

上原酒造の酒造りのもうひとつの特色に「山廃仕込み」があります。
「山廃?そんなの全国的に沢山あるじゃん」と、思われる方も多くおられると思います。
しかし、上原酒造の「山廃仕込み」は一味違うのです。一般的な「山廃仕込み」とことなり、仕込みの工程で人工培養の酵母を添加せず、蔵付の天然酵母の力だけで酒母を育てていく昔ながらの方法を採用しています。蔵付酵母だけで酒母を育てるのは非常に時間がかかる非効率な手法のため、採用している酒蔵は多くありません。
また、蔵付酵母を利用するということは、酒蔵に良質な酵母が棲み付いていることを表しています。上原酒造の酒蔵は築150年ともいわれており、積み重ねられた歴史によって育てられた蔵付酵母が上原酒造を支えているといえます。
 

精米にもこだわって、米の旨さを引き出す

日本酒
上原酒造はお米の旨みを引き出すため、精米にもこだわっています。年間生産高が500石ほどの小規模な酒蔵でありながら、大型の精米機を所有しています。毎年、出来により変わる酒米の状態、品種ごとの違いに合せた精米は繊細な作業です。そんな精米へのこだわりが高価な大型精米器の設置です。精米機は年間4か月ほどしか稼働しません。あとは無用の長物になりますが、米の旨みを最大限に引き出すために精米から自社で行うという真摯さに、お酒に対する思いがうかがえます。
 

「不老泉」はどんな味わい

精米からこだわり、酵母無添加の山廃仕込みで比良連山から流れ出る清らかな軟水とあわせ、木槽天秤しぼりで搾ったお酒「不老泉」はどんな味わいでしょうか。ここからは「不老泉」の味わいや愉しみ方について紹介していきましょう。

不老泉 山廃仕込 純米大吟醸 木桶仕込 火入酒

こちらは酒米「玉栄」を全量使用。ちなみに、玉栄」はその生産量の3分の2を滋賀県で生産されている酒米で、キレのある辛口の酒造りに向いているといわれています。その「玉栄」を55%まで磨いて、蔵付酵母だけで酒母を作り、保温力ある発酵温度が緩やかになる木桶で仕込まれました。
火入酒というのは、60度程度で加熱殺菌することにより品質を安定させ酒を落ち着かせるお酒のことです。口にすると軽快で優しい口あたりが特長。こちらも大吟醸酒にありながら吟醸香は控え目。すっきりとして飲み飽きしない味わいのお酒です。花冷え程度に冷やして、琵琶湖の幸とあわせるのも愉しいお酒になっています。
 

不老泉 山廃仕込 純米吟醸 備前雄町 無濾過生原酒

備前雄町を使用して造られているお酒です。備前雄町の旨味がしっかりと感じられるお酒で濃厚な旨味があります。味に厚みがありますが、酸味もあるのでバランスが取れています。口に含んだ瞬間は、お米の旨味と甘さが広がります。冷やして飲むと美味しいお酒です。
 

山廃仕込 純米吟醸 中汲み 無濾過生原酒

「山廃仕込 純米吟醸 中汲み 無濾過生原酒」は大吟醸ではなく吟醸酒。「山田錦」を55%まで磨き、蔵付酵母と山廃仕込みで仕込んだお酒を銘柄の通り、荒走りを除いた中汲みの部分のみを無濾過のまま瓶詰した一本。
口に含むと驚かされるのは、濃醇な旨みの広がり山田錦の危うい繊細さもしっかり生きていて、力強く凝縮された辛口に仕上がっています。軽く冷やした花冷えから常温で愉しむのが定番ですが、しっかり冷やした雪冷えでキュッとあおるのもありでしょう。意外かもしれませんが、日向燗といったぬるい燗でも新しい切り口で愉しめます。

しっかりとして力強い味わいに、肴も味わいがしっかりしたものが合いそうですが、繊細な白身のお魚などでも美味しさを引き出してくれるでしょう。
 

亀亀覇 純米吟醸 中汲み 皇

「不老泉」シリーズではありませんが、上原酒造が「不老泉」と同じ方法で醸造するお酒です。
「亀亀覇」と書いて何て読むと思いますか?「かめはめは」と読みます。なんともユニークな名前でしょうか。なぜ亀なのかというと、こちらのお酒は酒米「亀の尾」を全量使用して仕込まれました。亀の尾」55%に磨き、酒米の相性や特性を考慮して、あえて協会酵母7号を使用。
口にすると、「亀の尾」の圧倒的な旨みが口一杯に溢れますが、クドさや嫌味はなく熟成された丸みが調和のとれた美味しいお酒はまさに旨口の一本といえましょう。「亀の尾」は山形県のお酒ではよくありますが、滋賀県の酒蔵が「亀の尾」でここまで仕上げることができるのは米としっかり向き合った丁寧な仕事の結果が現れているのでしょう。
 
ここまで上原酒造の醸造する「不老泉」の味わいについて書いてきました。「不老泉」シリーズには、まだまだたくさんのラインナップがあります。「亀亀覇」もまた他にもラインナップがあります。今回紹介できませんでしたが、「杣の天狗」や「寿房」といった商品も魅力的です。気になる方は一度検索されてはいかがでしょう。

通販サイトで購入もよろしいが、滋賀近傍の方は是非とも蔵元まで出向いてはいかがでしょうか。小規模ながら築150年の蔵も一見の価値はあります。酒蔵では試飲もできますし、その時の旬のお酒が販売されています。
ドライブやツーリング、「ビワ1」の途中にぜひ立ち寄って下さい。なお、運転をする方の試飲はご法度です。注意しましょう。

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