1919(大正8)年に創業し、以前は大手蔵元向けの桶売りを中心に製造していました。
1999(平成11)年に現社長の小林 忠彦氏が就任し、翌2000(平成12)年に、現在の新社屋を建設しました。小林氏は、杜氏としては異色の中央大学精密機械工学科を卒業という経歴の持ち主で、かつて同市内にある新政酒造で杜氏として務めていました。「秋田醸造」においては、社長就任から3年後に杜氏を務めることとなり、現在は自ら日本酒を醸しています。
※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール
酒造り
マンションの1階にあるこの蔵は、全てが小容量で大吟醸の仕込みができるタンクと、通年で仕込みをすることができる完全空調完備の低温管理設備があり、四季醸造ができる蔵です。
仕込み水には、秋田市太平山麓の良質の軟水の湧き水を使用しており、山深い水源地まで往復2時間をかけ汲みに行っているそうです。
秋田県産の酒米「酒こまち」、「美郷錦」や「秋田こまち」、また希少な「改良信交」と、麹米には「山田錦」や「愛山」を使うなどさまざまな米で、求める日本酒を追求しています。
日本酒はお米を原料にして作られています。日本人の主食であるお米から作られているのでとても身近に感じられるお酒ですよね。 日本酒はお米が原料になっていますが、どんなお米でも日本酒を作れるわけではありません。日本酒を作るのに向いているお米とそうでないお米があります。またどのようなお米を使って日本酒を作...
醸造においては、秋田の伝統的な「長期低温速醸法」を元として30日以上かけてゆっくりと発酵される醸造法を実践し、丁寧に醸造しています。
鑑評会受賞酒と蔵元の有志会
『ゆきの美人』は全国新酒鑑評会において出品をしていますが、元々が少量で作っている為、出品をすると同じ日本酒は残りが少なくなってしまい、入手が限られてしまいます。時に金賞受賞酒が100本程しか市場にでないこともよくあり、出品酒は大消費地である東京と地元秋田のみでしか手にいれづらくなっています。
秋田県は日本酒作りで有名ですが、この秋田県においても全国的にも注目をされている蔵元の有志会《秋田NEXT5》があります。「秋田醸造」はこの《秋田NEXT5》に参加するリーダー的な蔵元です。
参加している蔵元は「新政酒造」、「山本合名会社」、「福禄寿酒造」、「栗林酒造」、「秋田醸造」で、2010年に技術交流や情報交換を目的に活動を始まった会ですが、今では共同で日本酒の醸造もおこなっています。
地元のイベントにおいても、この《NEXT5》は行列ができる程の人気があります。
「ゆきの美人」米の力を感じられるお酒3選

ゆきの美人 純米吟醸
「ゆきの美人 純米吟醸」はラインナップ中の定番中の定番商品。仕込みに使われる米は、麹米に「山田錦」、掛米に「秋田酒こまち」使用した純米吟醸酒。「山田錦」のみを醸したお酒に比べ、「秋田酒こまち」が加わることにより鈍重さが抜けて軽妙な飲み口に仕上がっています。グラスに注いだときに立ち上がる香りは穏やかなもの。
口に入れると軽くふくらみのあつフレッシュな香りが鼻腔に抜けていきます。口の中には当たり軽妙な酸味を纏った米の旨味がジンワリと広がっていきます。米の旨味は軽いだけではなく、「山田錦」由来のふくらみのあるしっかりしたもの。喉越しはさらさらと喉の奥へ流れていき、口の中はサッパリとした軽快でキレのあるお酒です。
ゆきの美人 純米大吟醸
もう一つの通年商品「ゆきの美人 純米大吟醸」は、小さなタンクで丁寧に造られたお酒。さきほどの純米吟醸に比べて、立ち上がる香りも鮮やかでフルーティ。大吟醸であることを感じさせます。こちらも麹米に「山田錦」、掛米に「秋田酒こまち」を仕込んだもの。
口に含むと米のふくらみのある旨味が柔らかな甘みをともなってサーッと口一杯に溢れていきます。しかし、通年商品の「ゆきの美人」に共通する特徴でも爽やかな軽い感じの酸味が余計なくどさを消して、大吟醸ながらキレのある味わいを引き出しています。キレのあるジューシーなお酒というあまり見かけることのない大吟醸酒です。
ゆきの美人 純米吟醸 しぼりたて生酒 美郷錦
「ゆきの美人 純米吟醸 しぼりたて生酒 美郷錦」は、酒米「美郷錦」を55%まで磨き上げて仕込まれた一本です。
搾りたてをそのまま瓶詰した生酒のため、シュワッとしたガス感があります。立ち上がる香りはひかえめ。酸味のたったインパクトのある味わい。米の優しい旨味もしっかりと感じられます。キレ味スッキリとあと味は爽やかそのものです。このお酒には一升瓶と4合瓶がありますが、ここは1升瓶で味わいたいところです。搾りたての生酒ですので、ジックリ飲むと、日が経つにつれお酒の表情が変わっていきます。その様を是非とも味わっていただきたいお酒です。
「ゆきの美人」の酒造りの水と酒米
秋田県の銘酒である「ゆきの美人」は、軟水の持ち味を最大限に生かすことで、繊細かつキレのある風味に仕上がるため、日本酒フリークの間では、大変もてはやされています。それもそのはず、大平山の湧水を往復2時間かけて汲みに行って、秋田酒こまち、山田錦、愛山を使い分けるといった徹底ぶり。ここまで手を施して美味しくないわけがありません。
日本酒はお米を原料にして作られています。日本人の主食であるお米から作られているのでとても身近に感じられるお酒ですよね。 日本酒はお米が原料になっていますが、どんなお米でも日本酒を作れるわけではありません。日本酒を作るのに向いているお米とそうでないお米があります。またどのようなお米を使って日本酒を作...
こういった手間ひまを惜しまず、妥協を許さない姿勢やスタンスが、功を奏した結果生まれたのが、ゆきの美人なのです。
酒造り県として唯一、全量酒造好適米を使用した純米酒であることでも知られている「ゆきの美人」ですが、一口目はスッキリしているのに、後から旨味が追いかけてくる不思議な魅力の虜になること間違いない日本酒です。
しかも、ふくよかでありながら、爽やかな酸味を感じることができ、穏やかな香りが感じられ、他の追随を許さない逸品であることは言うまでもないでしょう。
とりわけ、ゆきの美人 特撰純米吟醸秋田県産酒造好適米100% 精米50% アルコール16度)に関しては、香り=白桃であり、とってもフルーティーです。
ゆきの美人 特撰 純米吟醸
甘酸味でスッキリ。
でもその中にも辛味あり。
おい(°▽°)C秋田県、また秋田醸造さんの酒。
雑味なくかなりスッキリしてるが、独特な辛味はきっちり感じられる。
スイスイいっちゃうー笑#日本酒 #ゆきの美人 pic.twitter.com/OBBybPL1Ge— 【C4U】れっくす (@REX_8492) January 13, 2021
それなのに、味わいは滑らかな甘味の中に酸味と苦味が感じられ、微かにガスが残って喉越しが豊かであるのが特徴と言えます。
「冷酒」から飲み始めることがおすすめ
そんな「ゆきの美人」のおいしい飲み方ですが、やはり「冷酒」から飲み始めることがおすすめです。
繊細かつ上質なお酒に関しては、すべからく冷酒からスタートすれば間違いありません。
瓶詰めされたあとも酵母が生きているため、なるべく冷やしてその成長を留めておいてあげる必要があるからです。
当然、温度変化により、開いてくると味わいが面白いほど変化していきます。
合わせるべきおつまみは「白身魚のお刺身」
そんなゆきの美人に合わせておいしいお料理ですが、これがなかなか一筋縄ではいかないところがあります。
というのも、ゆきの美人が繊細すぎるお酒であるため、大味であったり、濃すぎる味付けのお料理とはあまり相性が良くないためです。
私がおすすめするゆきの美人と合わせるべきおつまみは、ずばり「白身魚のお刺身」ないしは「いぶりがっこのクリームチーズ和え」です。
一度、騙されたと思って、これらのマリアージュをご堪能いただくと、必ずやご納得いただけるはずです。
お酒を飲むときに欠かせないのがおつまみです。美味しいおつまみと合わせれば、いつものお酒がより美味しく感じられるようになるでしょう。 ※この記事を書いたお酒ライターAnchanのプロフィール お酒におつまみを合わせるコツ おつまみとお酒には相性があります。もちろん自分が好きな食べ物を選ぶ...















