
鼻に抜けるフルーティーさも十分に感じられ、とても飲みやすい日本酒に仕上がっています。
※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール
『萩の鶴』の歴史
『萩の鶴』の蔵元は1840(天保11)年創業の「萩野酒造」です。岩手県との県境近く宮城県栗原市の金成有壁(かんなりありかべ)に位置します。〈金成〉という珍しい地名は、平安時代に金を発見され、金が成る所としてついた名だと伝えられています。江戸時代には本陣のおかれる宿場町としても栄え、「萩野酒造」は、有壁本陣の分家でもありました。代表銘柄の『萩の鶴』は、この地が萩野村と呼ばれていたことが由来で、縁起のよい〈鶴〉と組み合わせ、『萩の鶴』と名付けました。
2011年、東北から関東の広域に甚大な被害をもたらした東日本大震災では、「萩野酒造」も被害をうけました。レンガの煙突も一部崩れ、歴史のある蔵は建物自体が傾き、亀裂も入ってしまいました。今は、隣接する新しい蔵で日本酒を作っています。
《良いものを少しだけ造る》というコンセプトのもと、酒米は宮城県の蔵の華をはじめ、美山錦、雄町、山田錦を、水は自社の山より湧き出した栗駒山系の伏流水を、酵母は宮城酵母と協会酵母使い分け、日本酒を醸しています。
日本酒はお米を原料にして作られています。日本人の主食であるお米から作られているのでとても身近に感じられるお酒ですよね。 日本酒はお米が原料になっていますが、どんなお米でも日本酒を作れるわけではありません。日本酒を作るのに向いているお米とそうでないお米があります。またどのようなお米を使って日本酒を作...
また、〈猫好きと日本酒好きに悪い人はいない〉と掲げた猫好きにおくる日本酒
『萩の鶴 猫』シリーズ
『萩の鶴 メガネ専用』
全員メガネの蔵人で作った日本酒
「萩の鶴」のラインナップ3選
「萩の鶴」と「日輪田」は、宮城栗原の荻野酒造の醸造するお酒です。看板銘柄でもある「萩の鶴」は、酒蔵の立地する地の古の呼び名、「萩の村」と、縁起の良い鶴を合せて名付けられました。全国新酒鑑評会でも金賞、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2013では最高金賞の受賞歴のある、評価の高いお酒でもあります。
一方、「日輪田」は、全量純米、販売店限定の新コンセプトに基づき平成14年に立ちあがったブランド。古代、神に捧げる穀物を育てた丸い田のこと。そして、「お日様」と「田んぼ」の恵みを皆で「輪」になって楽しんでほしいという願いを込めて命名されました。
「萩の鶴」には、それぞれに特徴のあるいくつかの商品がラインナップされています。その中からいくつかの商品を紹介しましょう。
萩の鶴 手造り 純米酒
「萩の鶴 手造り 純米酒」は、「萩の鶴」のラインナップの中でも定番の商品。吟醸酒ほど香りは立ちませんが、純米酒として香りではなく米の旨さに焦点を絞った味わいになっています。口に含むと軽く穏やかに広がる米の旨味と、下支えする微かな酸味が見事に調和し、さらさらと喉奥へ流れていくような感じです。喉越しにふわっとした余韻を残し、スーッと引いていくので、食事のお酒にも最適ん一本といえます。食事とともに冷やでもい良いのですが、寒い冬に湯気のたつ鍋物と人肌燗かぬる燗にして飲んでも十分に愉しめる味わいでしょう。
萩の鶴 特別純米 R30 超辛口+11
「萩の鶴 特別純米 R30 超辛口+11」は、穏やかな味わいの「萩の鶴」に中でも辛口に仕上がった一本。超辛口+11の「+11」日本酒度のこと。+6を超えるものは超辛口と分類されることになります。日本酒度は糖分の量で決まるため、+11は極めて糖分が少ない、つまり発酵が進み糖分が分解されたお酒ということです。
さてその味わいですが、全体に甘口よりの「萩の鶴」の中では飛ぬけた辛口なのですが、口に含んだ瞬間から辛さが押し寄せてくるようなお酒ではありません。米の旨味がジンワリと広がった後にくるキレがこのお酒の特徴なのでしょうか。旨味と酸味がそのまま喉越しサッパリと流れ去っていき、後口は爽やかでクリアーな感じは辛口のお酒ならではでしょう。
最後に、名前だけの紹介では物足りませんので、「日輪田」ブランドからも一本取り上げたいと思います。「日輪田」は販売店限定のため入手は難しいかもしれませんが、「萩の鶴」とは違った魅力があるお酒がラインナップされています。
日輪田 山廃 純米
日輪田、山廃純米。
他の地酒と飲み比べ。 pic.twitter.com/LtUwSpTQhm— Nog (@Nog3310) November 26, 2020
「日輪田 山廃 純米」は、ラインナップの中でもリーズナブルな一本。山廃仕込みの純米酒でありながら、日々の晩酌にも最適な酒とも評されています。口に含むと純米酒であることを感じさせるふくらみのある米のうまさが広がります。あと味は喉越しがシャープにキレのある感じで、余計なものは全て雪のように消えて行きます。食事のおともにする晩酌の酒として、料理や肴を引き立て、余計な雑味を消し去り洗い流すようなお酒なのです。冷やでもよし、燗酒もよしの味わいですが、やはり熱燗ではなく上燗か人肌燗あたりでちびちび愉しむのに向いているお酒です。
『萩の鶴』の実績
近年においては、
『萩の鶴 純米大吟醸』 – SAKE COMPETITION 2019 純米大吟醸部門 3位、ワイングラスで美味しい日本酒アワード 2019 最高金賞
『萩の鶴 純米吟醸』 – ワイングラスで美味しい日本酒アワード 2019 金賞
『日輪田』 – ワイングラスで美味しい日本酒アワード 2019 金賞
など多くの場で評価されています。
また、SAKE COMPETITION 2019においては、40歳以下の最上位受賞蔵の製造責任者に授与される、次世代の造り手を応援するための特別賞、ダイナースクラブ若手奨励賞を、佐藤善之氏が受賞し、今後も期待が高まる蔵として注目されています。
まとめ
荻野酒造のコンセプトとして、上質な普段着のような日本酒を目指していることがあげられます。
このさわやかさを最大限に感じるためにも、冷たくしていただくことがおすすめです。グラスに入れて飲むことで、そのさわやかさが一段と引き立ちます。
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また、気の合う仲間と一緒に楽しむ場を盛り上げるような日本酒をイメージしながら、単に造りのみで完結するのではなく、その先にあるコミュニケーションを思い起こさせるような日本酒を醸したいとも考えているようです。その気持ちは 「萩の鶴」の味わいにしっかりと反映されています。












