奥播磨

奥播磨(兵庫安富町の日本酒)芳醇超辛・純米活性すくい汲みにごり酒の特徴や美味しい飲み方を分析

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「奥播磨」というのは耳馴染みのない名前。兵庫県の西武、姫路を中心にした地域を播磨といいますが、「奥播磨」の名前にはまったくお目にかかったことはありません。

日本酒、気になる事調べものライターdencross
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なるほど、よくよく聞けば、「奥播磨」はお酒の名前のとのこと。「奥播磨」とはどんなお酒なのか調べてみました。

※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール

「奥播磨」とは

奥播磨」は、姫路市安富町安志に所在する造り酒屋、下村酒造店が醸造するお酒の銘柄です。創業は古く、明治17年(1884年)と120年を超える歴史を誇る老舗酒蔵です。
姫路市といえば兵庫県西部播磨地方の中心であり、世界遺産で知られる白鷺城の異名で知られる姫路城でお馴染みの商工業都市です。新幹線も停まる、播磨の表玄関の街、まったく「奥播磨」という感じではありません。
しかしよく調べてみると、下村酒造店がある姫路市安富町安志は、姫路駅から直線距離で北北西に20キロほどのところにあり、姫路城や姫路駅周辺とは山をいくつも隔てた、自然豊かな山間の田園地帯にあります。
酒蔵のある安富町周辺は、2006年3月までは姫路市ではなく宍粟郡安富町でした。かつては、安富藩一万石の藩庁がおかれ、播州地域と鳥取など日本海側を結ぶ因幡街道や若桜街道とよばれた街道筋の街として発展してきました。

たしかに、播州平野の北西、播磨の中心地や瀬戸内からもかなり離れた山間、風土や気候もの地域なので、まさに「奥播磨」という名前に相応しい地域です。「奥播磨」は酒蔵のある地域を冠したお酒なのです。

奥播磨の風土が育んだお酒

「奥播磨」は、名前のとおり姫路市の北西の山間部の奥播磨で醸造されるお酒。酒蔵のある安富町は、姫路市内といっても中心部から山を隔てた場所のため、姫路市のある瀬戸内海に沿った地域とは気候がすこしことなります。
姫路市のある播州平野は、もともと稲作の盛んな地域。また、兵庫県の播州周辺は、酒米の雄「山田錦」の一大生産エリアでもあります。特A地区「山田錦」といわれるものの大半は、このエリアで収穫されています。播州平野は良質の酒米の生産エリアでもあるのです。

酒蔵のある播州北部は、日本海側と太平洋側を分ける分水嶺に源を発する揖保川水系の上流部。その豊かで清冽な伏流水にも恵まれています。良質の酒米と水という日本酒造りに重要な素材が揃っています。
安富町は山間に開けた古い街道筋の城下町です。周りは山々に囲まれています。冬季は冷え込み厳しく、中国山地よりより冷たく乾いた風ふが吹きおろします。そのため冷たく澄んだ空気が山間を満たし、日本酒を仕込むのには絶好の環境になります。創業より、この土地の恩恵を目一杯受けてお酒は造られてきました。

下村酒造店の酒造り

下村酒造店は、創業の頃より冬季の澄んだ冷機と良質の酒米、清らかな伏流水を利用して日本酒を醸してきました。創業以来、連綿と受け継いいできたものは、「手造りに秀でる技はなし」という家訓に象徴される酒造りです。
下村酒造店の酒造りは、伝統の手作りによる酒造りで醸すということ。製造工程の機械化を排除し、大量生産を行わない酒造りということです。自然の理に沿い、蔵人の情熱と手間ひまをかけ、奥播磨の風土と時間に委ねた酒造りが、「奥播磨」を造っています。
しかし伝統的な技術による酒造りというのは、何も進化しない酒造りということではありません。ただ良い米と良い水があればよい酒ができるというわけではなく、旨い酒を造るという情熱が必要なのです。理想の旨い酒に近づくために、伝統的酒造りも常に進化し続けているのです。
ただ変わらないのは、「手造りに秀でる技はなし」の家訓を守り、ひとつひとつの工程を丁寧に行った酒造りを勤しむことだけなのです。

伝統的酒造と丁寧な作業をモットーに醸された「奥播磨」4選

伝統的酒造と丁寧な作業をモットーに醸された「奥播磨」
下村酒造店の伝統の手技と丁寧な作業で造られた「奥播磨」はどんなお酒なのでしょうか。
一口に「奥播磨」といっても、いろいろなタイプのお酒が醸造されラインナップされています。大きく分けて、酒蔵の主力商品でもある通年商品と、数量や季節を限定して販売されるバリエーションに富んだ限定品です。
酒蔵のスタンダート商品がラインナップされる通年商品から紹介しましょう。

奥播磨 純米大吟醸

奥播磨 純米大吟醸」は、通年商品ながら、数多くある「奥播磨」のフラッグシップ的商品。地元の酒米「山田錦」を全量使用、38%まで磨き上げて仕込んだ一本。純米大吟醸でありながらグラスに注ぎ立ち上がる吟醸香は落ち着きのある柔らかなもの。
口に含むと広がる米の旨みと甘みがサラリ滑らかに溢れていきます。広がる味わいの中にしっかり酸があり、甘さと調和して甘酸っぱい干しブドウのような余韻を引きながら喉奥へとスーッと消えて行きます。柔らかく優しい香りと対照的にふくらみのある豊かな旨み甘み、酸と見事に調和のとれた厚みのある美味しいお酒です。食事のおともにもいいお酒ですが、純米大吟醸ですので価格もそれなり、気軽に晩酌ではなく、ハレの日にじっくり味わいたいお酒です。
純米大吟醸ですから冷やしてがベター。しかし、キリッと雪冷えより、軽く冷やした花冷え、凉冷えあたりが愉しいお酒です。また、燗酒も面白いかもしれません。飛び切り燗や熱燗は微妙な風味が飛んでしまいそうですが、日向燗やぬる燗でジンワリと味わうのも愉しそうなお酒です。

奥播磨 純米吟醸 芳醇超辛スタンダード

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奥播磨 純米吟醸 芳醇超辛スタンダード」は、名前に超辛とあるように、超辛口をうりにした一本で、「奥播磨」のラインナップでもスタンダート商品のひとつに位置づけられる商品です。麹米に山田錦、掛米に兵庫夢錦を仕込んだお酒です。
一般的な超辛口を詠ったお酒は、米の旨みや甘みが生かされていない印象にものが多いなか、こちらのお酒は見事にゆたかなでふくらみのある米の旨み甘みしっかり感じつつ、ガツンとキレのある味わいで、後口が実にスッキリとした柔らかな甘さが淡雪のように溶けていきます。淡麗辛口ではなく、濃醇辛口とでも表現できる辛口です。
食事のお酒にいい感じです。常温でコップ酒から、燗酒で愉しむが面白いお酒でしょう。日向燗から飛び切り燗まで、温度によって微妙に味わいが変わります。自分好みの温度を見付けるの一興ではないでしょうか。

奥播磨 山廃純米 山田錦 八割磨き

奥播磨 山廃純米 山田錦 八割磨き」は、文字通り兵庫県産山田錦を8割まで磨いたお酒。全量を地元産山田錦使用で低精米が魅力の一本です。低精白のお米を山廃酛で仕込むという、他ではあまり見かけないお酒です。
低精白ながら、雑味が目立たず、スッキリとクリアな酒質。山田錦の魅力である、米の力強い旨み、深い甘み、穏やかで調和のとれた酸、陰に隠れてそっと仕事をする渋みのすべたが混然一体で味わえる、味わい豊かなで飲み飽くことのない味わいです。あと味も爽やか。晩酌にもお食事のおともにもピッタリのお酒。
コストパフォーマンス的にも見事なお酒です。常温から燗酒まで、幅広い温度で愉しめる味わいです。
最後に紹介するのは季節限定品の一本です。

奥播磨 純米活性すくい汲みにごり酒 生

奥播磨 純米活性すくい汲みにごり酒 生」。兵庫県産の兵庫夢錦を55%まで磨き上げて全量使用して仕込んだお酒。出来立てのお酒を荒漉ししたものをタンクからそのまま瓶詰したにごりの生酒。シュワッとしたガス感のあるにごり酒。開栓すると吹きこぼれそうな勢い。グラスに注ぐと芳醇な青リンゴのようなフルーティーな香り。
口あたりは柔らかく、シャンパンの様な感じ。口に含むと米の甘さと旨味がふわっと広がり、遅れてやってきた酸と調和して甘酸っぱい絶妙の味わいがスーッとキレて、最後を爽やかな甘みの余韻を軽く引き、キレていきます。米の発泡ワインといっても過言ではなく、前半の濃厚さと後半のキレ、あと味のスッキリ爽やかさ。機会があれば是非ともお愉しみいただきたいお酒です。

「奥播磨」は紹介したお酒以外にもたくさんのお酒がラインナップされています。特に限定品のお酒には出色物も多くあります。どのお酒も、創業以来の伝統的で丁寧に仕込まれたお酒ばかりです。「奥播磨」は、文章で伝えきれない魅力をもつお酒です。興味を持たれたなら、一度味わってみて下さい。きっと、満足いただけるお酒だと思いますよ。

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