
※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール
伝統の地で新境地を築く「松本酒造」
「松本酒造」では、レンガの煙突や酒蔵、造形の美しい建物が保存されており、京都府伏見区の高瀬川沿いの酒蔵は経済産業省の近代化産業遺産「伏見の日本酒醸造関連遺産」として認定され、他にも酒蔵の施設は文化庁「登録有形文化財」、京都市「重要景観建造物」「歴史的意匠建造物」に指定されています。
1949(昭和24)年、それまでの「澤屋」から「松本酒造株式会社」へと名を改めました。
地元京都では昭和58年より発売の『桃の滴』が普段酒として愛されています。
『澤屋まつもと』は「澤屋」という古くからの商号と名字の「松本」からついた名です。
コンセプトとして《原料に勝る技術なし。》を掲げて作られる日本酒は、「一、蒸し 二、蒸し 三、造り」という指針のもとに米を大事にし、米の上品な美味さと後口のキレの良さを特徴としています。
歴史と伝統、そして多くの文化が交差する京都の地で挑戦を続け、地元京都のイタリアレストランのシェフと共同開発した『Rissimo』、試験醸造から生まれた大吟醸でありながら低アルコールの『Kocon』と新しい日本酒を生み出しています。
澤屋まつもと 守破離
『守破離』は、
〈守〉澤屋の伝統を守る。
〈破〉新しい感性をもって、守りを破り、学んだことを実践する。
〈離〉守と破を大切にしながら、離れた新境地を創造する。
をあらわした名となっています。
酒どころ伏見で200年以上の歴史を誇る松本酒造が、伝統の技術を惜しみなく投入した逸品が、かつでの屋号を号するブランド「澤屋まつもと」を作り上げました。ここには、伝統の技の承継と新たな技の探求との思いが込められています。
澤屋まつもと 純米 守破離シリーズ

「澤屋まつもと 純米 守破離」シリーズは商品ラインナップのなかでもベーシックな一本。守破離とは、日本古来よりの技の考え方。先人の技を守り、やがてその殻を破り、新たな境地で技を発展開発させてゆく流れを表すことば。人に支えられた見習いの職人さんが、技術を身に付け仕事をこなし、従前の技術や精神を承継しつつ、新しい独自の技術を手にしていくことなのです。伝統の日本酒造りに新しい風を入れるという松本酒造の精神を表したような名前といえましょう。
「澤屋まつもと 純米 守破離」シリーズは、「守破離」のあとに、使用した酒米の品種が続きます。例えば、「五百万石」で仕込まれたお酒は「澤屋まつもと 純米 守破離 五百万石」となります。
澤屋まつもと 純米 守破離 五百万石
日本酒はお米を原料にして作られています。日本人の主食であるお米から作られているのでとても身近に感じられるお酒ですよね。 日本酒はお米が原料になっていますが、どんなお米でも日本酒を作れるわけではありません。日本酒を作るのに向いているお米とそうでないお米があります。またどのようなお米を使って日本酒を作...
澤屋まつもと 純米 雄町
澤屋まつもと 純米 朝日
澤屋まつもと 純米 山田錦
また田んぼごとに仕込み分けし、IDを付けた『守破離 ID』等、米を大切に扱う「松本酒造」らしさを感じられるシリーズとなっており、まさに日本酒の新境地を開拓し続けています。「純米」の表示がない商品
さて、「澤屋まつもと 守破離」シリーズには、「純米」の表示がない商品もあります。例えば「澤屋まつもと 守破離 五百万石 うすにごり生酒」などの限定酒に多くみられます。
澤屋まつもと 守破離 五百万石 うすにごり生酒
澤屋まつもと(京都)
守破離 五百万石 うすにごり 生酒 1.8㍑ 2600円(税込)当店での守破離1番人気の五百万石がうすにごり生酒で入荷しました。
火入れの五百万石は繊細なバランスの上に成り立っておりますが、生酒は新酒の硬さとうすにごりの厚みのある味わいによりいつもよりやや武骨な印象です pic.twitter.com/XkpiW63x33— (有)丸千柿沼商店 (@kakinuma_jizake) December 2, 2017
今回ご紹介する「澤屋まつもと 守破離 五百万石 うすにごり生酒」も限定のお酒。うすにごりの名の通り、搾りたてのまま瓶詰した生原酒になっています。
開栓してグラスに注ぐと、生原酒らしい立ち香が鼻腔をくすぐります。柑橘系の爽やかな香り。口含むと、うすにごり酒特有の軽く滑らかな感じがします。鼻へ軽く爽やかな香りが駆け抜けていき、口には米の旨味がゆっくりと優しく広がってゆきます。喉越しも滑らかですべるように流れていき、あと味の酸味がかった余韻がスーッと引いていく感じです。うすにごり酒ですので、軽く冷やしても、キュッとするようにしっかり冷やしても美味しいお酒です。
おいしさの秘訣
そのおいしさの秘訣は、お米を大切に扱うことを基本に、最新の技術を取り入れた原料処理システムを開発していることにあります。
また京都の中でも伏見が銘醸地として栄えているのは、良質な水が大量にあったためと考えられています。
日本酒を仕込む際には、お米の使用量のおよそ20倍もの水が必要となるので、使い過ぎてしまうと、水が枯渇してしまう危険もあります。
「澤屋まつもと」はその良質な水をベースに、良質なお米の旨みを生かした酒造りを行っていることから、伝統を感じされながらも革新的な味わいが感じられるのです。
伝統と革新の融合を果たしたこの日本酒が気になったならば、ぜひとも飲んでみることをおすすめします。
お酒に合う料理

そんな上品な味わいが、最高のひとときを演出してくれます。日本酒好きにとっては個性が弱いと感じる方もいるかもしれませんが、それゆえにどのような料理にも合わせやすいのが特徴です。
脂の乗ったお魚の刺身のくどさもすっきりさせてくれますし、柑橘系を絞った焼き魚にもばっちり合います。
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まとめ
京都にある「松本酒造」が造っている日本酒「澤屋まつもと」は、「守破離」という考え方を落とし込んだ日本酒になっています。
「守」とは型を守ること、「破」とは型を破りって自分なりにアレンジすること、「離」は型という概念から離れて自由になることという考え方です。
まとめると、伝統を守り、新しい感性をもって、新境地を創造するということです。
味にもそのこだわりは反映されており、あくまでも飲み口は軽く、甘み、香り、アルコール感を抑えて酸味、旨み、良い苦味で味わいの構成を造っています。












