勝駒

勝駒(富山の日本酒)特吟・しぼりたて・純米の特徴や美味しい飲み方を分析

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勝駒(かちこま)」は富山県高岡市に蔵を構える清都酒造場の日本酒です。

日本酒、気になる事調べものライターdencross
dencross
清都酒造場は小さな酒蔵で、毎年の製造量は決して多くありません。その上人気も出てきたため、近年は手に入れるのに苦労するレアなお酒になってきています。

残念なことに、かなりのプレミア価格で転売されていることもあるようです。
※この記事を書いた日本酒ライターdencrossのプロフィール

酒造の歴史

酒造の歴史
そんな「勝駒」を造る清都酒造場は、1906年(明治39年)創業の酒蔵です。
1906年は日露戦争が終わった次の年にあたります。実は初代の清都慶介は日露戦争に出征していました。
その戦争から帰還して開いたのが、この清都酒造場です。酒銘の「勝駒」というのは、日露戦争での勝利を記念して名付けられました。
そしてこのお酒の酒瓶のラベルにも、貴重なエピソードがあります。
ラベルには味のある手書き文字で「勝駒」と書かれているのですが、これを書いたのは芸術家の池田満寿夫氏です。池田氏は画家、版画家、陶芸家など多彩に活躍された方です。その池田氏も「勝駒」ファンの一人だったのです。

酒造り

「勝駒」はたった5人の蔵人で造られています。そのためにたくさんの量を造ることはできません。
人気が出て売れるようになったからといってむやみに生産量を増やすのではなく、昔からもこれから先も、少人数で美味しいお酒をていねいに心込めて造ることにこだわっている酒蔵です。
富山県で一番小さな酒蔵として、誇りを持って酒造りをされているのです。
酒蔵の理念は「不容偽(偽りを容れず)」。基本に忠実に、酒質を第一にしたていねいな酒造りをモットーにしています。
そのため量産しないことはもちろんですが、お酒の種類も増やしていません。
定番のお酒としては大吟醸、純米吟醸、純米、特別本醸造、本醸造、普通酒と、シンプルなラインです。
その他に季節限定酒として新酒しぼりたて生酒「かちこま」や秋だけの「特吟」があります。
酒米は酒米の王様「山田錦」や「五百万石」を使い、酵母は金沢酵母です(普通酒以外)。

小さな蔵でていねいに造り続けるお酒

そして基本的には瓶貯蔵を行っています。瓶詰めされた状態で、温度管理・遮光管理のされた静かな蔵の中で出荷の刻(とき)を待つのです。
仕込み蔵は、今でも明治時代に建てられた蔵を使っています。平成12年には国の有形文化財にも登録されました。
少量をていねいに造ることを貫いている「勝駒」には、転売されてネット上で高額で取引されてしまういう問題も出ています。
転売されて不当に高値がついてしまっているものは、管理状態が悪く本来の酒質ではなくなってしまっていることも多くなります。
このような転売業者を増やさないためにも、特約店で購入するようにしましょう。ただし、現状では特約店でも購入が難しいということもあります。

出会える幸甚、高岡の名酒「勝駒」3選

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勝駒 特別大吟醸

勝駒 特別大吟醸」、通称「特吟」と呼ばれているお酒です。「勝駒」シリーズの最高峰で、フラッグシップに当たります。大吟醸特吟は、勝駒シリーズの中でハイスペックに分類されるお酒です。鑑評会用に醸造されるお酒で、毎年10月に発売されます。
ラベルは池田満寿夫氏の揮毫によるものだそうです。入手困難といわれる「勝駒」のなかでも、一番出会うのが難しいかもしれません。じっくりと時間を掛けて造られた至高のお酒。大吟醸を超越した、落ち着いた香り、旨味、甘み、酸味が混然一体となり口の中に溢れるようなお酒です。日本酒を本当に好きな方にのみ飲んでいただきたい逸品です。
飲み口はさっぱりしていますし、香りにも癖がなく、非常に飲みやすいお酒です。のど越しがすっきりしており、飲み終わったときの爽快感はこのお酒の大きな特徴となります。
このお酒は、食べ物の味を最大限に引き立ててくれるため、まずはジャンルにとらわれることなく、好きな料理と一緒に試してほしいです。
魚の干物などもおススメです。凝縮した魚の旨みと見事にお酒が調和し、魚の本来の味を楽しむにはぴったりのお酒です。冷で飲むのが正解かもしれません。(常温でも十分においしいです)
もし高岡や富山の街かどで出会えたら、是非とも口していただきたいです。

勝駒 大吟醸

勝駒の大吟醸です。このお酒の特徴は、お米のおいしさをダイレクトに表現している点にあります。ほんのり香るお米の風味が、食欲を駆り立てます。お米のおかずとしておいしいものは、このお酒とあわせても間違うことはほとんどありません。

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勝駒しぼりたて新酒

勝駒しぼりたて新酒」は毎年1月中旬頃に出荷される新酒。ラベルには「勝駒」ではなく、平仮名「かちこま」と書かれれているボトルになっています。お気づき方もおられるでしょうが、「勝駒」は新酒の出荷が他に比べて遅めです。しぼりたての新酒も吟醸のなみの手間をかけて、しっかり作り込んでいるため、どうしてもこの時期になってしまいます。
富山県産五百万石でじっくり造りこんだこちらのお酒は、やや辛口の食事のおともにも最適な一本。これまた入手困難ですが、見掛けられたら是非とも。

勝駒 純米

勝駒 純米」は、五百万石を5割まで磨いて仕込んだ一本。純米の名のとおり、富山県産五百万石と麹、水だけで造られています。フルーティーでバナナのような香りが印象的なお酒。華やか香りながら、お酒の味にはいさかさかの邪魔をしない程度に落ちついたもの。クリアな酒質に切れの良い酸味が心地よく、後口のキレもよい、実にバランスのとれた味わいに仕上がっています。

「勝駒」は、入手困難なうえ、転売などで実際に飲まない人が購入するなど、本当に求める方々には届かない状況になっています。取り扱いの店舗や酒蔵も、困り果てています。「勝駒」を求めるなら、しっかりとルールにのっとった正規の手続きのうえ、自分で愉しめる分だけ購入してください。

勝駒 純米吟醸

勝駒シリーズの純米吟醸は、コストとスペックのバランスが非常に取れているお酒です。吟醸らしい綺麗な味わいを思う存分楽しめる一方で、お米が本来もつ力強さもあり、飲み応えのあるお酒に仕上がっています。
和食以外にも、牛肉料理にも一度合わせてほしいお酒です。普段、肉料理とワインの組み合わせが好きな方も、一度だまされたと思って、純米吟醸にトライしていただきたいです。
このお酒は、冷よし、よし、常温よしのお酒です。ただし、少しばかりお米の主張が強いお酒ですので、日本酒を普段あまり飲まない方は、冷からスタートするのもよいと思います。

まとめ

「勝駒」、馬主さんや競馬関係者に非常に喜ばれそうな名前のお酒です。勝駒を作っている酒蔵は、 富山県高岡市にあります。醸造を行っている酒蔵「清都酒造場」は小さな酒蔵。「不容偽」のモットー掲げ、酒質の維持のため、種類を増やさず、大量生産をしない方針。だから地元高岡でもなかなかお目に掛れないお酒とのこと。そのため幻の酒とか激レア銘柄などと呼ぶ日本酒愛好家もいるそうです。
「勝駒」の名前は、日露戦争の戦勝を記念にして名付けられたそうです。実に1世紀以上も前のお話です。爾来、ずっと「勝駒」の名前で醸され続けられています。
酒蔵の規模としては決して大きなものではありませんが、お酒自体のクオリティーが高く、日本酒本来の深い味わいを楽しむために、必要な要素をバランスよく兼ね備えたお酒ということができます。

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