「七水(しちすい)」は餃子で有名な栃木県宇都宮で造られている日本酒の銘柄です。歴史ある酒造が10年前に新たにつくり出したブランドで、フルーツのようなフレッシュさと旨味のバランスが良いお酒です。
「味のある、しかもスッキリとしていて飲みやすい」ということを目標に造られたこの銘柄は、デビューからさほど経っていないにも関わらず今では栃木No.1のお酒として君臨しています。

ここではそんな「七水」について、くわしく解説していきたいと思います。
目次
江戸時代からの歴史ある酒造
七水を造っているのは、栃木県宇都宮市に酒造を構える「虎屋本店」です。虎屋本店はなんと天明8年(1788年)創業という、江戸時代中期からの歴史を持つ酒造です。創業から現在まで「菊」という銘柄を造り続けてきた酒造として知られています。
そんな虎屋本店が2000年代に入り、「心躍る酒を」というテーマで新たなチャレンジを行なって造られたのが「七水」です。菊が醸造アルコールを少量添加する本醸造系であるのに対し、七水はお米や米麹だけを原料として作る純米酒系のお酒という特徴を持ちます。
伝統的な製法を生かしながら丁寧に醸されたこのお酒は、純米酒ならではの豊かで芳醇な香りが魅力です。芳醇な香りを持ちながらも、柑橘系のようなフレッシュな酸味もありジューシーで飲みやすいお酒です。
昨日は栃木県宇都宮の虎屋本店を訪問。代表銘柄は七水で、他にも菊、虹乃井を醸造している。宇都宮の中心部で栃木県庁の近くにある1788年創業の酒蔵で、七水は宇都宮の七つの名水の一つを用いて酒造りを始めたことが名前の由来。心躍る酒をコンセプトにChallenge & Changeの精神で酒を醸す。 pic.twitter.com/81MeFMQiQv
— SakeBase広報部 (@sake_base) September 11, 2020
宇都宮にあった7つの名水「七水」の由来
「七水」の名称は、宇都宮の七つの名水に由来します。
虎屋本店は創業当時に、宇都宮の七つの名水のうちの一つである「虹の井」の井戸水を使用してお酒造りをスタートさせたという歴史があります。そして現代に入り、七水という銘柄を造るにあたり、虎屋本店の長い歴史の原点に着目することを意味してこの名がつけられました。
上質な宇都宮の名水を使用して造られるお酒は、素材由来の旨味をしっかりと引き出していて非常に綺麗な味わいをしています。ふくよかな旨味がありつつも、後味はフレッシュで飲み飽きしないのが魅力です。
色々な酒米でのお酒づくりにチャレンジ
七水はさまざまな酒米でのお酒造りにチャレンジしています。酒米の王様として知られる「山田錦」はもちろん、コアなファンの多い「雄町」のほか、千本錦・北しずく、夢錦といった酒米を使用しお酒造りが行われていて、味わいは酒米によってさまざまです。
一度「七水」を飲んで気に入ったという方は、シリーズを飲み比べてみるのもオススメです。酒米による味わいの違いを楽しむことができますよ。
豊富なラインナップで初心者向けのボトルも
この度、#栃木県 にある「#七水」「#菊」で有名な #虎屋本店 さんとのお取り引きが実現しました👏⤴
七水(しちすい)は、雑味がなくスムースな飲み口が特徴です🍶✨ pic.twitter.com/DoUKnLuEd6
— ㈲松本酒店 (@sakenomo_) February 16, 2021
七水のこだわりは酒米だけではありません。お酒造りの製法においても、さまざまな方法を試しています。ベーシックなタイプの純米酒だけでなく、透き通るような旨味の純米吟醸タイプや、山廃仕込みのもの、うすにごりのタイプとお酒の種類の幅が広いです。
そしてその中には低アルコールのシリーズもあり、普段は日本酒に馴染みのない初心者の方にとっても親しみやすいです。種類が豊富なので、ギフトやお土産としても人気があります。
七水の受賞歴
七水は銘柄誕生から10年ほどと歴史が浅いにも関わらず、数々の受賞歴を持つお酒でもあります。このことから、地元だけでなく日本中、さらには世界の方にまで愛される銘柄であることがわかります。
具体的には以下のような受賞歴があります。
- 七水 純米大吟醸40 Y3・・・インターナショナルワインチャレンジ2020 純米大吟醸酒の部 リージョナルトロフィー受賞
- 七水 純米吟醸 雄町・・・インターナショナルワインチャレンジ2020ゴールドメダル、KURA Master2020 金賞
- 七水 純米大吟醸40夢ささら・・・平成30酒造年度全国新酒鑑評会 金賞 など
ちなみにこちらの受賞歴はほんの一部で、このほかにも「SAKE COMPETITION」や「雄町サミット」などさまざまなコンテストにて受賞をしています。さまざまな国や種類のコンテストで入賞するなど、各方面からの評価が高いお酒だと言えます。
七水のラインナップ紹介
七水 delicieux
明日仕事だけどもうちょっと呑みたいな
って事でこれを開栓
七水 delicieux 純米大吟醸40
優しい香りと甘味
あーこれ美味しいなぁ😆
明日の朝は顔むくんでます😅 pic.twitter.com/a6ZlbYZ6Rn
— ふなっち (@funa_cchi) May 30, 2021
「delicieux(デリシュー)」は、フランス語で甘美を意味する言葉です。その名の通り優雅で広がりのある甘味が特徴です。原料米に雄町を使用していて、芳醇で華やか、非常に香り高いです。日本酒ですがまるでワインのような感覚で味わうことができます。
七水 純米酒 FUWARI
今日は栃木の夢ささらを使った七水。
名前の通りふわりとした飲み口でかなり飲みやすいお酒です😁
七水 FUWARI ふわり 純米生酒#日本酒 #七水 pic.twitter.com/PaLp6PQ9yL
— もりもり (@morimorigofly) April 29, 2021
七水ブランドの中でも、アルコール度を抑えたシリーズです。アルコール14%とやや控えめで飲みやすく、名前の通り「ふわり」とした感覚を楽しめます。パッションフルーツを思わせる甘酸っぱさがあり、普段日本酒をあまり飲まない方にもオススメです。
七水 AUTUMN
孤独に平和維持活動(三鷹)今宵の平和維持活動はまだ猛暑が残るけど、ひやおろし 。宇都宮の七水 Autumn と 宮城の蔵王 特別純米 原酒 秋あがり。肴は鰹と穴子天ぷら。いと旨し。#立ち飲み #三鷹 #地酒 #肴 #大島酒場 #ひやおろし #秋あがり #七水 #純米酒 #五百万石 #蔵王 #特別純米 #美山錦 pic.twitter.com/1bMi0UXkWo
— 路庵 (@kitanjp) September 8, 2020
七水には期間限定発売のシリーズが多く、この「AUTUMN」もそのひとつです。春先に絞ったお酒を夏の間寝かしておき、秋に出荷するといういわゆる「ひやおろし」のボトルで、クリアな香りとふくらみのある旨味が特徴です。冷やして飲むことで美味しくいただけます。
七水 純米65 シトラス
今日はこれを開栓
七水 CITRUS 純米 -65-
いやぁこれ美味しいなぁ✨
甘酸のバランスが絶妙だ pic.twitter.com/60qj28JjRL
— ふなっち (@funa_cchi) February 8, 2021
レモンやグレープフルーツを思わせる柑橘系の純米酒です。爽やかな口当たりと、ライムのようなやや苦味のある余韻が特徴です。ストレートで飲んでも良いですが、酒:炭酸=2:1程度で割った「ソーダ割り」で飲むのもオススメです。
七水 純米吟醸55 夢錦
「七水」純米吟醸 -55- 夢錦 生酒
日本酒度+0.4。酸度1.8。兵庫県産夢錦100%使用。
酒米”夢錦”で醸したお酒は初めて。
山田錦の孫品種。
ラベルの手は杜氏さんのもの。
口に含むと裏ラベルの通り、バナナの様な甘み。
飲みやすく、美味しい。#虎屋本店#栃木#七水#純米吟醸#生酒#日本酒#夢錦 pic.twitter.com/qOpWeQobQv— 栃木:かず (@tochigikazu0315) March 18, 2020
兵庫県産の夢錦という酒米を使用して造られた純米吟醸酒は、バナナのような優しい甘味と柑橘の香りが特徴です。後味に酸味もあり、非常い爽快感があります。
七水のおすすめの飲み方
七水は旨味と酸味のバランスが取れたお酒です。よりフレッシュさを感じるためには、やや冷やして飲むのがオススメです。特に生酒と書いてあるタイプのものは、保管時から冷蔵庫に入れておきしっかりと冷やした状態を保っておきましょう。
日本酒はストレートで飲むのが一般的ですが、強いアルコールが苦手な方は氷を入れて「オンザロック」にするのもおすすめです。また七水はフルーティーで旨味が濃いので、炭酸割りにして爽やかさを足してみるという方法もあります。
七水に合わせたいおつまみ
七水はラフランスやメロンを思わせるフルーツ香が特徴的なお酒です。その良さを最大限に生かすためには、白ワインのような感覚であっさりめの洋食に合わせると良いでしょう。
フレッシュなサラダやマリネのほか、チーズなどを合わせてみるのもおすすめです。
また地酒として楽しむなら、栃木県宇都宮の名産である餃子と組み合わせてみるのも面白いでしょう。七水の余韻として感じられる酸味が、意外なことに濃い味の餃子とマッチします。
まとめ

七水は醸し方や使用する酒米の種類が多く、さまざまなシリーズが発売されています。飲み比べてみると、きっとお気に入りのものが見つかるでしょう。またレベルの高い味わいの割に値段設定もお手頃なので、ぜひチャレンジしてみてください。